米国ウィークリー 2018/10/16号

落ち着きも、余震続く?

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  • 落ち着きを取り戻したかに見える株式市場であるが、暫く振れ幅の大きい展開もあり得る。急伸した10年国債利回りがトリガーとなり、株式相場は10/10、11に急落。10/12現在、NYダウは過去5営業日で10/9の直近高値26,539.94ドルから10/11には一時24,899.77ドルまで急落。値幅は1,640ドルに達した。10/3以降上昇し、3%台定着の10年国債利回りは10/9に3.26%近辺まで急伸。投資家マインドが急激に悪化し、リスク資産である株式が大きく売られる展開となった。

    ウォール街では、多くの市場参加者がリスク資産に比べ安全資産の魅力が高まる水準を3.5%と見ているようだ。投資家の先行き不透明感や恐怖心を示すVIXは、通常の範囲である10-20の上限を上抜け、10/11に一時28.84まで上昇。10/12にも26.80に達した。今年2月の株価急落局面ではVIXは37.32まで達しその後急低下したが、4月半ばまでほぼ20を超える展開となった。株式相場は値幅を伴うダウントレンドとなった。ただ、200日移動平均線が下値サポートとなり、4月初旬以降再び上昇トレンドを描いた。
  • NYダウは今回、一気に200日移動平均まで下落。予想PERはNYダウで約16倍(株式益回りは6.3%)、S&P500で約17倍(同5.9%)に低下(益回りは上昇)。ヒストリカルに見て割安であり、決算発表本格化で業績期待が高まり、ボラティリテが高い中でも底堅い展開になるものとみている。

    2018/7-9月期決算で、10/11発表のデルタ航空(DAL)はファーストクラスやビジネスクラスの販売が好調で収益が大幅に拡大。10-12月期の会社計画も市場予想を上回る見通しで株価が上昇。WSJによれば、景気拡大、労働市場逼迫で雇用確保のため、企業が出張の多い従業員などにビジネスクラスやファーストクラスの利用を認めるケースが増加している模様。航空業界の勝ち組は恩恵を受ける状況が想定される。10/12にはJPモルガン・チェース(JPM)、シティグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)などが決算を発表し、トレーディング収益拡大、コスト削減奏功などから軒並み好決算となった。金利上昇、株高などから引き続き銀行、投資銀行などにも注目したい。ただ、金利動向次第で当面、マーケットは振れ幅の大きい展開も想定される。業績動向とPERやPEGレシオ(利益成長を加味したPER)などをチェックし、銘柄選択を心掛けたい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/12現在)

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■主な企業決算 の予定

●16日(火):IBM、ブラックロック、JJモルガンSゴールドマン

ネットフリックス

●17日(水):アルコア、ASMLホールディング
●18日(木):TSMC、SAP、ノバルティス、ブラックストーン、アメックス

ペイパル

●19日(金)ボルボ、PG

■主要イベントの予定

●10月16日( 火)

・10月のNAHB住宅市場指数、9月の鉱工業生産、8月の求人件数

・中国9月のCPI・PPI

●10月17日(水)

・FOMC9月25、26日開催分の議事録

・ブレイナードFRB理事講演

・カナダが大麻合法化

・EU首脳会議・夕食会(ブリュッセル)

・香港休場

・9月の住宅着工件数 、9月の建設許可件数

●10月18日(木)

・クオールズFRB副議長(銀行監督担当)、セントルイス連銀総裁講演

・EU首脳会議(ブリュッセル)

・9月の景気先行指標総合指数 、13日終了週の新規失業保険申請件数

●10月19日(金)

・ダラス連銀総裁講演、アトランタ連銀総裁講演

・9月の中古住宅販売件数

・中国7-9月のGDP、中国9月の小売売上高・工業生産・都市部固定資産投資

●10月20日(土)

・アトランタ連銀総裁講演

・中国9月の新築住宅価格    

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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