金価格見通し:イラン情勢にらみ、米CPIも焦点に 4500-4850ドルの攻防
金価格は次のカタリスト待ちムードにある。今週は米国とイラン停戦協議の行方と米CPIに注目したい。目先の下限予想は4500ドル。上限予想は4850ドル。
要点
- 金価格は4700ドルを挟んで膠着状態。次のカタリスト待ちのムードが漂っている
- 上値の重さと金ETFの動向は、日米の株式市場とは対照的に金相場が「中東相場」から抜け出せ切れていない状況を示唆している。今週も米イラン停戦協議のニュースで動くことが予想される。また、4月の米インフレ指標も変動要因となろう
- 今週15日までの想定レンジは4500ドル~4850ドル。50日線の突破は4800ドルを目指すサインとなろう。10日線の下方ブレイクは4600ドルをトライするサインと捉えたい
金価格 4700ドルを挟んで膠着、次のカタリスト待ちムード
日米の株式市場とは対照的に、金相場は膠着している。4月に入りスポット金価格(以下、金価格)は下限4500ドル、上限4850ドルのレンジ相場にあり、次のカタリスト待ちムードだ。この点は、50を挟んで推移しているRSIやゼロライン付近にあるモメンタムも示唆している。
金価格 日足チャート:2026年1月以降
TradingView提供のチャート
中東情勢にらみ続く、12日米CPIも変動要因に
ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた金ETFの資金フローから、日米の株式市場とは対照的に、金価格は「中東相場」から脱し切れていない状況が改めて浮かび上がる。
4月上旬に米・イラン停戦合意への期待から「原油安・米ドル安」へ転じた。この局面で金ETFへの資金流入超は3週続いた。注目は4月第4週(20〜24日週)以降、3週連続で流出超へ転じたことだ。特に4月下旬の流出超の拡大は「原油高・米ドル高」の局面と重なる。前述のレンジ相場も踏まえれば、日米の株式市場とは対照的に、金価格は「中東相場」から脱し切れていない状況にあることを示唆している。
中東情勢の焦点はアメリカとイランの停戦協議にあるが、先行きは依然として不透明だ。停戦に向けた動きは見られるが、イラン核濃縮のモラトリアム期間で双方の溝は深い。トランプ米大統領が引き続きホルムズ海峡の封鎖継続でイランに圧力をかけ続ける場合は、中東プレミアム(原油高)の再燃で短期的な「米ドル高→金相場の下落」を想定したい。
金ETFの資金フローの動向(週次):年初来
金価格・WTI原油先物価格・ドル指数 4時間足チャート:3月以降
TradingView提供のチャート
今週は4月の米インフレ指標も金価格の変動要因として注目したい。
12日に消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比(コア)と前年同月比でインフレの加速が見込まれている。
4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て、翌日物金利スワップ(OIS)市場では今年12月のターミナルレートが3.68%へ上昇し、年内の米利下げ観測が急速に後退している。この状況で、CPIがインフレの粘着性を示す内容となれば、「中東相場」から脱し切れていない金価格にとって重石となろう。
この点は13日の生産者物価指数(PPI)も同じだ。米・イラン停戦協議の不透明感も重なれば、「テクニカル分析」のセクションでまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
米消費者物価指数(CPI)の動向:過去1年間
米生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間
金価格のテクニカル分析、想定レンジ4500ドル~4850ドル
下落局面の焦点:4500ドルの維持
米・イランの停戦協議は不透明だが、原油高・米ドル高の局面でも金価格は次第に底堅さを見せている。その水準が4500ドルであり、今週もこの水準を下限と想定したい。
下値を目指す局面では、10日線の攻防が最初の焦点だ。この移動平均線の下方ブレイクは4600ドルをトライするサインとなろう。4600ドルを下方ブレイクすれば、短期サポートラインの攻防に注目したい。このラインは今週、4550ドル前後で推移する。このラインを下方ブレイクすれば、4500ドルを視野に下落拡大を想定したい。
注目水準:サポート
・4620ドル:10日線
・4600ドル:節目水準
・4550ドル:短期サポートライン
・4500ドル:下限予想
上昇局面の焦点:4850ドルのトライ
米・イラン停戦協議の進展期待や米インフレ指標がドル安の要因となれば、金価格は4月以降、レンジの上限として意識されている4850ドルを視野に上昇が予想される。この水準は半値戻しと雲の上限が重なり、テクニカル面でレジスタンスラインとして意識されやすい状況にある。
4月17日に相場の上昇を止めた50日線の上方ブレイクは、4800ドルをトライするサインとなろう。4800ドルがサポート転換となれば、4850ドルの攻防を意識したい。
現時点では可能性は低いが、4850ドルを突破した後、この水準がサポートラインに転換すれば、心理的節目の5000ドルをトライするサインの一つと捉えたい。
注目水準:レジスタンス
・4850ドル:上限予想、半値戻し、雲の上限
・4800ドル:節目水準
・4770ドル:50日線
【再掲】金価格 日足チャート:2026年1月以降
TradingView提供のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。