ドル円 週間見通し(5/18週):為替介入の限界見透かす市場、160円視野も 突然の円高警戒
今週のドル円見通し。158.00円突破で為替介入の限界が露呈した。米ドル高が加速すれば、ドル円は再び節目の160.00円を視野に上昇拡大を想定したい。同時に介入絡みの円高も警戒する必要がある。
要点
- ドル円(USD/JPY)は警戒水準の158.00円を突破し、159.00円を視野に上昇が加速。為替介入の限界を見透かし、市場は今週も円売りを仕掛けてくる可能性がある
- インフレ懸念で米長期金利が急騰。来年前半の利上げ観測が急速に高まっている。今後外為市場では、米ドルのトレンド転換が焦点となろう
- ドル円の週間想定レンジは156.00-160.00円。円安と米ドル高が同時に発生すれば159円台の攻防を経て、心理的節目の水準160.00円のトライを想定したい。一方、為替介入絡みの円高が発生する場合は、156.00円台への急反落を警戒したい
158円突破、為替介入の限界を見透かす市場
4月30日に政府・日銀は、推計5兆円規模の為替介入を実施した。5月大型連休中にも為替介入に踏み切ったと見られ、1日、4日、6日の市場でドル円(USD/JPY)は155円台へ急反落した。しかし、先週ドル円は6日急落時の高値水準158.00円を難なく突破した。
為替介入が警戒される中で発生した6日急落時の高値158.00円は、政府・日銀の新たな防衛ラインとして市場で警戒されていた。その警戒水準を上方ブレイクした事実は、政府・日銀の為替介入の限界を示したと言える。今週も市場参加者の円売りを警戒したい。
ドル円 1時間足チャート:4月下旬以降
TradingView提供のチャート
インフレ懸念でFRB利上げ観測急浮上、米ドルのトレンド転換が焦点に
今後外為市場では、米ドルのトレンド転換が新たな焦点になると筆者は考えている。4月の消費者物価指数(CPI)前年同月比は+3.8%と、2023年5月以来の水準へ上昇した。同月生産者物価指数(PPI)前年同月比は+6.0%と、2022年12月以来の高水準へ上昇した。
重要インフレ指標が相次いでインフレの加速を示したことで、15日の米債市場では10年国債利回りが1年ぶりに4.6%へ上昇する場面が見られた。
翌日物金利スワップ(OIS)市場では利下げ観測が完全に後退し、現在は来年前半の利上げを意識する状況へ転じている。
米政策金利の見通し
ブルームバーグのデータで作成 / 5月15日時点
米イランの停戦協議が暗礁に乗り上げ、ホルムズ海峡の早期正常化は見通せない。エネルギー供給懸念で米国のガソリン小売価格(全国平均)は4.5ドルを突破した。今週も"インフレ"が各市場のテーマとなるだろう。新規失業保険申請件数、5月購買担当者景気指数(PMI)速報値、5月ミシガン大学期待インフレ率確報値の内容次第では、利上げ観測がさらに高まる可能性もある。
先週の外為市場では、対主要通貨(G10通貨)で米ドル高が進行し、トレンドを示すドル指数(DXY)は1.4%高となった。今週も「インフレ懸念→米金利上昇→米ドル高」のトレンドが続けば、2025年の米ドル不信を背景とした下落トレンドの終息ムードがさらに強まるだろう。
米ドルの動向:5月11日~15日
ブルームバーグの為替データで作成
ドル円のテクニカル分析、週間想定レンジ156.00-160.00円
政府・日銀による為替介入を受けてなお、日本円は主要通貨(G10通貨)で円安優勢にある。対米ドルで最も下落している状況は、前述の米ドル高の影響も大きい。今週、米ドル高が加速すれば、ドル円(USD/JPY)は心理的節目の160.00円を視野に上昇が加速する可能性がある。
円相場の動向:5月1日~15日
ブルームバーグの為替データで作成
週明け18日の外為市場からドル円(USD/JPY)が上値を目指す場合は、158.90円付近で推移している日足の一目均衡表・雲の上限の攻防が最初の焦点となろう。先週15日は158.84レベル(IGレート)で上昇が止められた。雲の上限がレジスタンスラインとして意識されたと捉えることができる。ゆえに、雲の上限突破は159円台へ上昇するサインと捉えたい。
ドル円が159円台へしっかりと上昇すれば、フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの水準159.38円レベルの攻防に注目したい。日足RSIは50を上回るも相場の過熱感を示唆する70以上には到達していない。ドル円が159.38円レベルを突破すれば、160.00円を視野に上昇拡大を想定したい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・160.00円:上限予想、心理的節目
・159.38円:76.4%戻し
・158.90円:一目均衡表・雲の上限
一方、ドル円(USD/JPY)が下値を目指す局面では、それが調整の反落なのか、為替介入絡みの円高なのかで、注目すべき下値の水準も変わってくる。前者ならば、158.00円のサポート転換が焦点となろう。21日線の下方ブレイクは、158.00円をトライするサインとなろう。158.00円のサポート転換もまた、ドル円が160.00円を目指すサインと捉えたい。
市場の警戒心も含めた為替介入絡みの円高に直面する場合は、156円までの急反落を想定したい。このケースでは157.00円台への下落を想定し、サポート転換が確認された157.00円レベルで反発できるかに注目したい(1時間足チャート)。157円半ばで推移している89日線の下方ブレイクは、157.00円をトライするサインとなろう。
一方、為替介入絡みの円高でドル円が157.00円のみならず、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準156.37円レベルも下方ブレイクする場合は、日足ローソク足の下ヒゲでサポートラインとして意識されている156.00円のトライを想定したい。変動拡大を警戒し、156.00円を今週の下限と想定したい。
注目のチャート水準:サポート
・158.00円:サポート転換が焦点
・157.00円:サポート転換の水準、89日線(157.46)
・156.37円:76.4%戻し
・156.00円:下限予想
ドル円 日足チャート:2026年1月以降
TradingView提供のチャート
【再掲】ドル円 1時間足チャート:4月下旬以降
TradingView提供のチャート
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