アップル、株価急上昇 2週間で10%高 AI本格普及が追い風に
アップルの株価は1-3月期決算発表から10%高。AIの幅広い層への普及が追い風になっており、半導体不足への懸念を打ち消しているもようだ。
アップルの株価の上昇が勢いづいている。アップルの株価の14日の終値は4月30日の2026年1-3月期決算発表前から10%近く値上がりした水準。4-6月期の業績見通しが市場予想を超えたことが起爆剤となって最高値更新を繰り返している。アップルはスマートフォンのiPhone(アイフォン)の人気に加え、パソコンのMac(マック)も端末上で人工知能(AI)を作動させることに適しているとの評価が拡大。自社製半導体システムの性能の高さが背景といえ、ティム・クックCEOはAI時代の成長加速に自信をみせている。一方、アップルは半導体不足にも直面しており、経営環境は順風満帆とはいえない。ただ、これまでAIサービスで出遅れているとされてきたアップルの端末市場での強みが、AIの幅広い層への普及を追い風にして成長につながっている構図は新しい好材料といえ、株価への追い風が続く展開が想定されそうだ。
アップルの株価は決算発表から9.90%高 最高値を連日更新
アップルの株価(AAPL)の14日の終値は298.21ドル。1-3月期決算発表の直前につけた4月30日終値との比較では9.90%高だ。5月6日に約5か月ぶりに最高値を更新してからも株価上昇の勢いが続き、13日には298.87ドルまで記録を伸ばしている。
アップルの1-3月期決算は予想を超える好決算 4-6月期の見通しにも強気
アップルの1-3月期決算は総収入が前年同期比16.6%増の1111.84億ドル。前四半期の15.7%増を超え、2四半期連続で伸び率が直前の四半期を上回った。また1株当た利益(EPS)は21.8%増の2.01ドルで、こちらは4四半期連続で成長が加速している。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が1096.62億ドル、1株当たり利益が1.96ドル。発表された結果はいずれも市場予想を上回る好決算だった。
またアップルは4-6月期の業績についても強気な見方を示した。ケビン・パレクCFOは30日の決算会見で、4-6月期の総収入について「前年同期比14-17%増」になるとの見通しを提示。市場で予想されていた9.1%増を上回る成長ペースの実現に自信をみせる形となった。
アイフォンの好調が継続 マックは自社開発半導体の性能に高い評価
アップルの好業績の背景にあるのは9月に投入したアイフォン17シリーズの好調さだ。1-3月期のアイフォンの販売金額は前年同期比21.7%増の569.94億ドル。10-12月期の23.3%増からは成長が減速したものの、引き続きハイペースで売り上げが伸びていることが分かった。アップルは1-3月期はアイフォン向けの高性能半導体の調達が間に合わず、販売の足が引っ張られたと説明しているが、クック氏は「それでも1-3月期として最高のアイフォン収入を記録することができた」と満足げだった。
またアップルはパソコンのマックの人気に火がついているようだ。マックの1-3月期の販売金額は前年同期比5.7%増の83.99億ドル。前四半期(10-12月期)の6.7%減から一転してプラス成長となった。マックに搭載されている自社開発半導体システムは画像処理半導体(GPU)と中央演算処理装置(CPU)、AI向けのカスタム半導体を一体化した構造を採用。比較的小規模なAIモデルを端末にダウンロードして作動させる際にマックが高い性能を発揮するとの評価が出ている。クック氏は決算会見で、「マックはAIにとって最高のプラットフォームだ」と述べた。
メモリ半導体価格上昇は粗利益率を下押しか 4-6月期はマックで供給不足の見通し
一方、アップルの業績にとっては半導体不足がもたらす、半導体価格高騰の深刻化が逆風になりえる。クック氏は決算会見で、4-6月期の業績見通しに関連し、メモリ半導体の価格が大きく上昇すると見込んでいることに言及。7月以降についても、メモリ半導体の価格高騰が業績に影響を及ぼす度合いが大きくなるとした。パレク氏は4-6月期の粗利益率は「47.5-48.5%」とになるとの見通しを示しており、1-3月期の実績である49.3%を下回るもようだ。
またクック氏は4-6月期はマックで半導体システムの供給が間に合っていないとも言及。半導体市場での品不足に加え、3月に新製品を投入したマックの人気が非常に高くなることを読み切れず、「需要の強さを過小に予想していた」とした。クック氏は「需要と供給のバランスがとれるまでには数か月かかる」との見立てを示している。
アップルにAIの本格普及の追い風 株価の巻き返しに期待
ただ、アップルの製品の人気が高度なAIサービスの幅広い層への普及が始まる中で起きていることは、投資家にとって新たな好材料だ。AIサービスをめぐっては、大企業のエンジニアらがハイテク大手のクラウドサービスを通じてプログラミングなどの効率化を図るといったケースだけでなく、個人が比較的小規模なAIモデルを端末に導入して様々な作業に活用するケースが注目されている。アップルはこれまでAIモデルの開発に関しては、オープンAIやアンソロピック、アルファベットなどと比べて存在感を発揮できていなかったが、スマートフォンやパソコンでのAI活用の潮流が業績の追い風になってきたといえる。
アップルの株価の2025年の上昇率は8.56%高で、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7社の中で6番目の高さという冴えない値動きだった。アップルの株価にとって2026年は巻き返しの年になる可能性もありそうだ。
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