米国株見通し:金利上昇リスクにエヌビディア決算、ナスダック100乱高下を警戒
エヌビディア決算にらみのナスダック100。内容次第で決算直後から米国テク株100は乱高下を警戒。インフレ懸念で急騰する米金利の動向にも要注意。
要点
- ナスダック100は3日続落。20日のエヌビディア決算待ちムードが漂う
- インフレ懸念で米金利が急騰している状況が米株式市場の重石となっている。エヌビディア決算が金利上昇の懸念を相殺すれば、ナスダック100の反発を想定。逆に同社の決算がネガティブ・カタリストとなれば、調整売りの加速を警戒したい
- 米国テク株100は28000-30000レンジの攻防を想定。米金利が上昇する中、エヌビディア決算が投資家の失望を誘う場合は、下限予想28000割れを警戒
ナスダック100が3日続落、エヌビディア決算待ち
米株式市場でナスダック100指数が3日営業日続落。半導体関連株の下落がナスダックの調整売りを促している。しかし、下落幅は限定的であり、20日のエヌビディア(NVDA)決算待ちムードが漂う。
20日の取引終了後にAI半導体大手のエヌビディアが2026年2-4月期(FY2027 Q1)決算を発表する。直近のブルームバーグ・コンセンサスによれば、Q1売上高は791.86億ドル(前年同期比+80%)、EPSは1.78ドル(前年同期0.96ドル)を見込む。売上高の9割以上を占めるデータセンター収益は734.78億ドル(同+88%)が予想される。
Q1売上高総利益率(粗利率)の会社ガイダンスはNon-GAAPベースで75.0%(±50bp)。ブルームバーグ・コンセンサスは75.07%にあり会社予想とほぼ一致している。
市場の関心はQ2ガイダンスに集中するだろう。ブルームバーグ・コンセンサスによればQ2売上高は873.17億ドル(前年同期比+87%)、データセンターの売上高は810.71億ドル(同+97%)、EPSは1.96ドル(前年同期1.05ドル)を見込む。上記Q1の決算項目すべてでコンセンサスを上回っても、Q2ガイダンスが失望を誘う内容となれば、「成長減速」と受け取られ株価下落のリスクがある。
エヌビディア決算見通し
H20対中輸出規制の影響で低下基調にあった粗利益率だが、直近Q4で75.20%まで回復している。Q2予想は74.96%とわずかな低下を見込んでおり、Q1同様にQ2ガイダンスも、コンセンサスを上回ることが要求されるだろう。
エヌビディア 売上高総利益率の動向:FY2023 Q1以降
週後半のナスダック100は変動拡大を警戒
ブルームバーグのデータによれば、エヌビディアの予想PER23.9倍は、S&P500半導体セクター(半導体・半導体製造装置)の22.7倍とほぼ同水準にあり、かつ過去5年平均を下回る状況にある。競合のブロードコム(AVGO)の27.7倍やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の43.5倍と比較しても、バリュエーション面で修正余地がある。
買われ過ぎの水準「70」以上へ上昇していた日足RSIも、現在は60台へ低下している(下の日足チャートを参照)。50以上を維持している状況も踏まえれば、弱気地合いが強まるムードにはない。
各予想PERの推移:過去5年間
警戒すべきは、エヌビディア決算がネガティブ・カタリストとなる場合だ。足元の米債市場ではインフレ再燃への警戒から、金利の上昇圧力が強まっている。ブルームバーグのデータによれば、19日の市場で30年債利回りは一時2007年以来となる5.195%へ上昇した。
さらに翌日物金利スワップ(OIS)市場では、年内の利上げ観測が急速に強まっている。足元では今年12月までに利上げに踏み切る可能性を80%台で織り込む状況にある。
米政策金利の見通し
加えて、対中AI半導体輸出規制にも進展は見られない。5月13〜15日の米中首脳会談にエヌビディアのジェンスン・ファン(Jensen Huang)CEOも急遽代表団に加わり訪中したが、輸出規制問題は棚上げとなった。
金利上昇と対中輸出規制の膠着という二つの逆風が重なるなかで、エヌビディア決算が投資家の失望を誘う内容となれば、週後半のナスダック100は調整売りの加速が予想される。株価指数CFD「米国テク株100」は、以下でまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
米国テク株100のテクニカル分析、エヌビディア決算直後に乱高下も
ナスダック100の株価指数CFD「米国テク株100」は24時間取引ができる。内容次第では、エヌビディア(NVDA)決算直後に乱高下となる可能性がある。
原市場のナスダック100が3日続落したことで、17日のIG米国株レポートで指摘したテクニカルラインの水準をアップデートする。
関連レポート
・米国株 週間見通し(5/18週):金利急騰にエヌビディア決算、ナスダック100は週後半に変動拡大も
エヌビディア決算が好感され米国テク株100の上昇要因となれば、まずは10日線の上方ブレイクが焦点となろう。この移動平均線は4月以降、サポートラインとして相場を支えてきた。レジスタンスラインに転換することなく、上方ブレイクに成功すれば、レジスタンス転換の可能性がある29400レベル(4時間足チャート)、そして先週の高値水準29677レベルを視野に上昇加速が予想される。29677の突破は、心理的節目の水準30000をトライするサインとなろう。ボラティリティの拡大(上振れ)を警戒し、今週の上限予想は30000を維持する。
注目のチャート水準:レジスタンス
・30000:上限予想
・29677:5月の高値水準(レポート掲載時点)
・29400:レジスタンス転換を意識
・29160:10日線(29155)
日足MACDがデッドクロスへ転じており、もう一段の下落を警戒したい。一方で、日足と同じく4時間足RSIでも割高感が後退している。売られ過ぎの水準付近にあることも考えるならば、目先は4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの攻防が焦点となろう。
現在相場をサポートしている38.2%戻し28600レベルを下方ブレイクする場合は、28300レベル(半値戻し28277)→25日線28270レベル→28000(61.8%戻し27946)の攻防を想定したい。17日のレポートでは28000を22日までの下限と予想した。25日線と基準線がすぐ上の水準で推移している状況を踏まえれば、28000はテクニカル面でサポートラインとして意識されやすい状況にある。
しかし、現在はインフレ懸念で米金利が急騰し、年内の利上げ観測までが急浮上している。この状況でエヌビディア決算が投資家の失望を誘う内容となれば、28000を下方ブレイクする調整売りに直面する展開も想定しておく必要がある。このケースでは、サポート転換の水準27500レベル(76.4%戻し27537)のトライを想定したい。このテクニカルラインをも下方ブレイクする場合は、27000の維持が焦点に浮上しよう。
注目のチャート水準:サポート
・28600:38.2%戻し(28607)
・28300:半値戻し(28277)
・28270:25日線
・28000:下限予想、61.8%戻し(27946)
・27500:76.4%戻し(27537)
・27000:サポートライン
米国テク株100 日足チャート:2026年3月以降
TradingView提供のチャート
米国テク株100 4時間足チャート:4月下旬以降
TradingView提供のチャート
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