金価格 ドル高進行で下落拡大も、インフレ懸念で米利上げ観測急浮上
金価格の短期見通し。インフレ懸念で米長期金利は1年ぶりに4.6%台へ上昇。来年前半の利上げ観測も急浮上している。外為市場で米ドル高がさらに進行すれば、今週の金価格は下落拡大を警戒したい。
要点
- 4月の物価指数はインフレ再燃の懸念を強めた。米債市場では10年国債利回りが1年ぶりに4.6%台へ上昇。OIS市場では、来年前半の利上げ観測が急浮上している
- 米金利の上昇と利上げ観測を受け、米ドルが主要通貨で上昇している。今週もインフレがテーマとなり米ドル高が進行すれば、金価格の下落拡大が予想される
- 目先、金価格の下限を4300ドル、上限を4760ドルと想定したい。4300ドルはテクニカル面でサポートラインとして意識されやすい状況にある。4760ドルは5月7日以降、レジスタンスラインとして意識されている
米長期金利 1年ぶり4.6% 、FRB利上げ観測が急浮上
4月の米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)でインフレの進行が示された。米債市場ではインフレ再燃が強く意識され、ブルームバーグのデータによれば、10年債利回り(長期金利)は1年ぶりとなる4.6%台に上昇した。
米10年国債利回り 日足チャート:2025年以降
ブルームバーグのデータで作成
一方、翌日物金利スワップ(OIS)市場では年内の利下げ観測が完全に後退し、2027年前半の利上げ観測が急浮上している。
米政策金利の見通し
ブルームバーグのデータで作成 / 18日 午前11時時点
米ドル高加速なら金価格は下落警戒
前述の市場動向は、外為市場で米ドル高の圧力を高めている。先週の動向を確認すると、主要通貨(G10通貨)すべてで米ドル高となった。米ドルの方向性を示すドル指数(DXY)は1.4%高となり、4月以降の米ドル安トレンドに一服感が漂う。
米ドルのパフォーマンス 対G10通貨:5月8日~15日
ブルームバーグの為替データで作成
米イランの停戦協議が暗礁に乗り上げ、ホルムズ海峡の混乱が早期に終息する期待は後退している。ゆえに目先は、インフレ再燃が各市場のテーマとなろう。米長期金利の高止まり、またはさらなる上昇は、米ドル高の進行を促そう。
以下のチャートが示す通り、米ドル高は金価格の下落要因だ。少なくとも急転直下で米イランの停戦協議に進展が見られない限り、目先の金価格は下落相場を意識することになるだろう。
金価格とドル指数 1時間足チャート:5月以降
TradingView提供のチャート
金価格のテクニカル分析、目先の想定レンジ4300~4760ドル
日足チャートで金価格のトレンドを確認すると、50日線がレジスタンスラインとなり、雲の下限を下方ブレイク。そして15日の取引では、短期サポートラインをローソク足の実体で下抜けた。MACDはゼロライン、RSIは50をそれぞれ下回る。これらテクニカルの攻防とトレンドを踏まえれば、、金価格は弱気地合いへ転じつつある。
目先の焦点は4500ドルの攻防だ。4月下旬以降、相場をサポートしているこの水準を完全に下方ブレイク→レジスタンス転換となれば、下落拡大のサインと捉えたい。この局面では、4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。4500ドルの半値戻しを下方ブレイクする場合は、4400ドル、4300ドルと100ドル幅の攻防に注目したい。61.8%戻しは4400ドル、76.4%戻しは4300ドルの攻防となる。
現在、200日線が4320ドル台で推移している。テクニカル面で4300ドルは強固なサポートラインとなる可能性がある。今週22日までの下限予想としたい。
注目のチャート水準:サポート
・4500ドル:サポートライン、半値戻し
・4400ドル:61.8%戻し(4401)
・4300ドル:下限予想、200日線(4328)、76.4%戻し(4285)
急転直下で米イランの停戦協議が進展するなど、中東不安の後退→原油安の展開となれば、一時的な米金利の低下と米ドル安が予想される。このケースでの金価格は反発するだろう。
金価格が反発する場合、テクニカル面では50日線のトライが焦点となろう。今週後半に短期レジスタンスラインと交差し、かつレジスタンス転換の可能性がある4650ドルの突破は50日線をトライするラインとなろう(4時間足チャート)。
5月7日以降、レジスタンスラインとして意識されている4760ドルを今週22日までの上限と予想する。50日線の突破は、4760ドルをトライするサインとなろう。
注目のチャート水準:レジスタンス
・4760ドル:上限予想
・4715ドル:50日線(18日時点)
・4650ドル:レジスタンス転換を意識
金価格 日足チャート:2026年1月以降
TradingView提供のチャート
金価格 4時間足チャート:3月以降
TradingView提供のチャート
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