エヌビディア、株価下落不安 20日決算 業績見通しに高いハードル
エヌビディアの2-4月期決算発表は5-7月期の見通しが焦点。投資家の高い期待に応えられなければ、株価が下落する恐れがありそうだ。
半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が20日に行う2026年2-4月期決算発表は株価下落を招く恐れがある。エヌビディアが示す5-6月期の業績見通しをめぐっては、金融市場では8割を超える成長が期待されている状況。人工知能(AI)サービス拡大のためにエヌビディアの半導体を大量購入してきた大手ハイテク各社の設備投資の増加ペースを超える水準で、エヌビディアは投資家が示す高いハードルを超えられない可能性がある。米国の株式市場ではエヌビディアのライバルにあたる半導体各社の株価が急騰しており、エヌビディア人気に陰りが出ていることも不安材料だ。一方、エヌビディアの株価の水準は割高感が薄れていることも事実。エヌビディアが強気な見通しを示せば、株価への上昇圧力が強まる可能性もありそうだ。
エヌビディアの2-4月期決算は総収入が78.6%増になる見通し 成長加速
エヌビディアはアメリカ東部時間20日午後4時20分(日本時間21日午前5時20分)ごろに2-4月期決算を発表。40分後の午後5時から決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想では、総収入は前年同期比78.6%増の781.13億ドルになる見通し。調整ベースの1株当たり利益(EPS)は117.3%増の1.76ドルが見込まれている。1年前の1株当たり利益は輸出規制の悪影響で下振れしていた。事前予想通りになれば、総収入の伸びは3四半期連続で、直前の四半期よりも大きくなる。1株当たり利益では4四半期連続で成長が加速することになる。
エヌビディアの株価(NVDA)の12日の終値は220.78ドルで2日連続で最高値を更新。前回(2025年11月-2026年1月期)の決算発表があった2月25日との比較では12.90%高となっている。イラン戦争に伴う不安が投資家心理を暗くしていた2026年3月30日の安値(165.17ドル)からは33.67%高で、急反発を果たしている形だ。
ブルームバーグによると、エヌビディアの直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は12日段階で24.0倍程度で、前回決算発表当日の24.3倍程度から大きな変化は出ていない。アナリストが提示する目標株価の平均は271ドル程度で、現状よりも23%ほど高い。80人のアナリストのうち、76人は買い、3人は維持、1人は売りを勧めている。
5-7月期の総収入は84%増との期待 ハイテク各社の設備投資の増加率を超える水準
エヌビディアの20日の決算発表は総収入の成長の勢いが投資家の期待に応えられるかが焦点となる。エヌビディアの総収入はAI開発企業のオープンAIが対話型AIサービスChatGPTを発表した2022年11月-2023年1月期の段階では60.51億ドル。その後、AIブームの期待にのって総収入は爆発的に拡大し、3年後の2025年11月-2026年1月期には11.3倍にあたる681.27億ドルとなった。こうした中、金融市場では2026年5-7月期の総収入は前年同期比84.1%増の860.36億ドルになると見込まれている。
ただ、こうした投資家の期待はエヌビディアにとって高いハードルになる可能性がある。エヌビディアの急成長はAIサービスの登場を歴史的なビジネスチャンスとみる大手ハイテク各社の設備投資に支えられれきた。とはいえ、アマゾン・コム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)の4社が見込む2026年通期の設備投資額は前年同期比73%増の7100億ドル前後。投資家がエヌビディアに対して期待する5-7月期の84%もの成長の達成は容易ではないようにみえる。4社の2025年通期の設備投資は前年比67.3%増の4099億ドル。エヌビディアの2026年1月通期の総収入は65.5%増の2159億ドルだった。
投資家のエヌビディア離れも CPUの名門企業インテルやAMDの株価が急上昇
またエヌビディアにはAI向け半導体での独り勝ち状態が揺らいでいくとの懸念もある。エヌビディアはAI開発に転用可能な高速計算の同時処理を得意とする画像処理半導体(GPU)の性能が評価されてきたが、このところは、アルファベットがAI向けに開発を進めてきたカスタム半導体(ASIC)のTPUへの注目も高い。また高度なAIサービスの展開に求められる複雑な計算処理をこなすことができる中央演算装置(CPU)への需要も強まっているもようで、CPUの名門企業であるインテル(INTC)や、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)の業績への期待も大きい。イギリス半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)も自社製CPUの販売に乗り出す考えだ。
AIブームに期待する投資家の関心はエヌビディアから離れているともいえそうだ。各社の株価の12日の終値を2024年末と比較すると、エヌビディアの株価が1.64倍になっているのに対し、インテルの株価は6.0倍、AMDの株価が3.7倍となってエヌビディアを大きく上回る成績を残している。このためエヌビディアが20日に示す5-7月期の業績見通しが投資家の期待に応えられなければ、株式市場でのエヌビディア人気がさらに衰え、株価が下落することも想定される。
エヌビディアの株価には割安感 市場予想を超える見通しを示せば株価上昇も
一方、エヌビディアの株価には割安感も感じられる。エヌビディアの足元での予想株価収益率(24.0倍)はAIブームが本格化した2023年以降の平均値である35.0倍を大きく下回る水準。大手ハイテク各社の中でも、アップル(AAPL)の32.4倍やアルファベットの28.5倍などと比べて、低さが目立つ水準だ。
このためエヌビディアが20日の決算発表で市場の期待を超える5-7月期の業績見通しを示せば、株価にかかる上昇圧力が大きくなる可能性もある。株式市場ではAIブームの継続性への期待は揺らいでおらず、エヌビディアへの評価が改めて高まる展開も考えられそうだ。
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