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米国株にエヌビディア決算リスク S&P500急落も イラン戦争も重荷

S&P500は2営業日続落。最高値付近にあるS&P500は大手ハイテク株頼みの感が強く、エヌビディア決算が急落の引き金となる恐れがあります。

米国株にエヌビディア決算リスク S&P500急落も イラン戦争も重荷 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場に緊張感が続いている。S&P500種株価指数の18日の終値は前週末比0.07%安。ほぼ横ばいながら2営業日続落となった。米中首脳会談を終えた後もイラン戦争の和平に向けた動きは強まっておらず、原油価格の高止まりが株式市場の見通しを悪くしている。また18日は「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価も不調で、20日に決算発表を控えるNVIDIA(エヌビディア)も2営業日続落だった。その他の半導体株でも値下がり進み、エヌビディア決算への警戒が感じられる。最高値更新を繰り返してきたS&P500の上昇の勢いは、人工知能(AI)ブーム頼みの側面が強く、脆さがあることは否めない。世界の投資家が注目するエヌビディアの決算発表が期待外れの結果に終われば、S&P500が急落するリスクもある。

アメリカのS&P500は2営業日続落 最高値から1.31%安

S&P500(SPX)の18日の終値は前日比0.07%安の7403.05。ほぼ横ばいながら2営業日続落で、14日の最高値(7501.24)から1.31%安となった。ブルームバーグによると、18日の取引時間中には前週末比0.75%安の水準まで下落する場面もあり、値上がりの勢いは乏しいといえそうだ。また長期金利(10年物国債利回り)の終値は4.588%で、2営業日連続で4.5%を超える高水準となっている。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

イラン和平の道筋は見えず トランプ氏のイラン攻撃棚上げ後も原油価格は高止まり

S&P500の重荷となっているのはイラン戦争の和平の見通しがつかないことだ。ドナルド・トランプ大統領と、イラン産原油を購入しているとされる中国の習近平国家主席が14、15日に行った首脳会談は和平に向けた具体的な協力関係を示すことができず。トランプ氏は米国東部時間17日昼には自身のSNSトゥルースソーシャルに「時計の針は進んでいる」と投稿。イランが早期に和平に応じなければ、「彼らには何も残らないだろう」とも付け加え、軍事的な圧力を示唆していた。トランプ氏は18日の取引時間中にあたる午後3時1分に「明日に予定していたイランへの軍事攻撃を棚上げにする」と投稿し、S&P500が安値から反発するきっかけを作ったが、和平実現への期待が高まったわけではない。

投資家の不安は原油価格の値動きにも表れている。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(6月渡し、WTI原油)の18日の終値は前週末比3.07%高の1バレル=108.66ドル。取引時間中には109.47ドルまで上昇し、4月30日(110.93ドル)以来の高値をつけた。トランプ氏の軍事攻撃棚上げ表明後も107ドル台で推移しており、高止まりが続いている。原油高は米国を含む世界の企業や個人の経済活動を下押しする可能性があり、S&P500にとっては下落要因だといえる。

WTIの推移のグラフ

エヌビディアの株価は2日続落 インテルは5営業日続落

こうした中、18日の取引ではS&P500への影響度が大きいマグニフィセント・セブンの7社の株価も冴えない値動きだった。テスラ(TSLA)の株価が3営業日続落の前週末比2.90%安となったほか、20日に決算発表を控えるエヌビディアも1.33%安となり、2営業日続落で14日の最高値(235.74ドル)から5.69%安となっている。このほか、アップル(AAPL)とメタ・プラットフォームズ(META)も値下がりした。BITA社が7社の株価に基づいて算出するマグニフィセント・セブン指数(MAGSEVEN)の18日終値は2営業日続落の0.57%安となっている。

アルファベット、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフト、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

エヌビディアの決算発表への警戒は、エヌビディア以外の半導体株の値動きでも感じられる。3月末から株価が急騰してきた半導体の名門企業インテル(INTC)の株価は18日に前週末0.55%安。5営業日続落の間に16.43%安となっている。半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は18日に5.28%安となって2営業日続落。14日の取引時間終了後に行った決算発表で、2026年5-7月期の総収入の見通しが市場予想を超えたものの、株価の上昇にはつながっていない。

エヌビディア、インテルなどの株価の推移のグラフ

S&P500の上昇に偏り イラン戦争後の上昇は11セクター中の5セクターのみ

S&P500は最高値付近を維持している半面、上昇の勢いが大手ハイテク株や半導体株といったAI関連銘柄に偏っているという不安要素がある。ブルームバーグによると、S&P500の11セクター別の指数の18日の終値を、イスラエルと米国によるイラン攻撃前日の2月27日と比較すると、値上がりしているのはエヌビディアなどが含まれる情報技術セクター、アルファベット(GOOGL)などが含まれる電気通信サービスセクター、アマゾン・コム(AMZN)などが含まれる一般消費財セクターに、原油高や金利高が追い風となるエネルギーと金融を加えた5セクターに留まる。

S&P500の11セクター別指数の値動きのグラフ

またS&P500の3月末以降の急騰はイラン戦争が和平に向かうとの期待がきっかけになった一方、やはり大手ハイテク株など時価総額の大きい銘柄への依存度が高いことは否めない。S&P500の18日の終値を直近の安値である3月30日終値と比較すると16.70%高になるのに対して、S&Pグローバルが公表している時価総額を考慮しないで算出したS&P500は同じ期間で7.59%高でしかなく、2月27日終値を1.05%下回っている。

S&P500と時価総額を考慮しないS&P500の値動きのグラフ

エヌビディアの決算発表後にS&P500の急落も 業績見通しに高いハードル

このため20日の取引時間終了後に行われるエヌビディアの2-4月期決算発表が投資家心理を冷やす結果に終わり、大手ハイテク株や半導体株の値下がりを招けば、S&P500が急落するリスクがありそうだ。なかでもエヌビディアが示す5-7月期の総収入の見通しが、市場予想を下回った場合には、株式市場が想定するAIブームの勢いが下方修正される恐れがある。

ブルームバーグがまとめた直近の市場予想では、エヌビディアの5-7月期の総収入は前年同期比84.9%増の864.33億ドルと見込まれている。2026年の大手ハイテク各社の設備投資額の見通しが前年比73%増程度であることを考えれば、エヌビディアが8割を超える成長を示すことのハードルは高いともいえ、エヌビディアが発表する見通しに注目が集まりそうだ。


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