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「利下げ期待」で悪材料に耐える相場展開か?

米国ウィークリー 2019/6/18号

  • 米国株式市場は、メキシコへの関税無期限凍結の発表を受けて6/10以降NYダウで26,000ドルを挟んだ揉み合いの動きだった。株価指数は小動きだが、強力な悪材料を「利下げ期待」の好材料が何とか跳ね返したような展開に見える。
  • 悪材料としては、先ず、ホルムズ海峡近くでのタンカー攻撃を受けてイランと米国の軍事衝突の危険性が高まる事態になった。次に、グローバル経済動向の鍵を握る中国経済に関して6/14に発表された5月工業生産高が前年同期比5.0%増と2009年2月以来の低水準となり、2019/1-5の固定資産投資も同5.6%増(2019/1-4が同6.1%増)に留まるなど、欧州・アジア経済の先行きに暗雲が立ち込めた。ただし、中東の地政学リスク顕在化にもかかわらず、中国経済減速による需要減を見込んで原油価格は落ち着いている。更に、米国株の中でも半導体関連と巨大ハイテク企業の雲行きが怪しくなって来た。6/13のブロードコム(AVGO決算発表で、ファーウェイへの禁輸措置の影響のほか「世界的に幅広い需要の減速を経験している」旨の説明があったことから、半導体関連需要の2019年後半回復シナリオに疑問が投げかけられた。また、米司法省が「ネット検索、SNS、モバイルOS、電子書籍の販売」と明示し、デジタル産業の王者である「GAFA」に対して反トラスト法の規制対象にすることに意欲を示した。
  • 好材料として、6/18-19のFOMCに向けて利下げ期待が高まり、更に、好調な景気指標が相次いだ。6/12発表の5月消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.8%上昇と市場予想を下回り、パウエル議長が重視する「2%の物価上昇」が危うくなったことが利下げを正当化する材料と捉えられた。物価上昇率が落ち着きつつも、6/12発表の5月財政収支では財政支出増が景気を下支えしていることが確認され、6/14発表の5月小売売上高(除く自動車)、5月鉱工業生産指数ともに市場予想を上回る景気の好調さを示した。利下げ期待が好調な景気指標によって正当化されるのかという疑問は残るが、物価上昇率を重視する点から将来の景気減速に対する「予防的利下げ」の機会をうかがう余地はあろう。
  • 新時代到来を感じさせる動きとして、フェイスブック(FB)独自のステーブルコインが6/18に発表される予定であり、大手有力企業が支援を表明している。ビットコインのような暗号資産とは異なり、一定の価値を維持するようにトークンが設定される見通しである。グローバルな規模での電子マネーによる決済が流通することでeコマースやビジネスがどう変わるのか、要注目だろう。(笹木)

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(6/14現在)

■主な企業決算 の予定

●6月18日(火):アドビ

●6月19日(水):コーセル、オラクル

●6月20日(木):ダーデン・レストランツ、クローガー、レッドハット

●6月21日(金):カーマックス、クラフト・ハインツ

■主要イベントの予定

●6月18日(火)

・FOMC(19日まで)

・英保守党党首選、下院議員による第2回投票

・住宅着工件数(5月)

・ユーロ圏欧州新車販売台数(5月)、ユーロ圏CPI (5月)、独ZEW景況感指数(6月)

中国新築住宅価格(5月)

●6月19日(水)

FOMC声明発表、経済予測公表、パウエルFRB議長が記者会見

・英保守党党首選、下院議員による第3回投票

●6月20日(木)

・英保守党党首選、下院議員による第4回投票

・EU首脳会議(21日まで)、ECB経済報告

・ASEAN、首脳会議など一連の会合 (バンコク、23日まで)

・経常収支(1Q)、新規失業保険申請件数(6月15日終了週)

フィラデルフィア連銀製造業景況指数(6)、景気先行指標総合指数 (5月)

・ユーロ 圏消費者信頼感指数(6月)

●6月21日(金)

・ブレイナードFRB理事とクリーブランド連銀総裁、FRBのイベント に参加

・中古住宅販売件数 (5月)

・ユーロ圏総合PMI (6月)、ユーロ圏製造業PMI (6月)、ユーロ圏サービス業PMI (6月)

●6月23日(日)

・フィラデルフィア連銀総裁、講演

・トルコイスタンブール市長選の再選挙

6月24日(月)

・シカゴ連銀全米活動指数(5月)

・ダラス連銀製造業活動(6月)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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