エヌビディア、株価下落 見通しに失望感 4兆ドル市場への自信も
エヌビディアの5-7月期の業績見通しは一部投資家の高い期待に応えられず。時間外取引で株価は下落したが、急成長への期待は維持されていきそうだ。
半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が20日の取引時間終了後に行った2026年2-4月期決算発表は株式市場で冷淡に受け止められた。エヌビディアが示した5-7月期の総収入の見通しが一部投資家の高い期待に応えられなかったためで、エヌビディアの株価は20日の時間外取引で一時3%近く値下がりした。ただ、エヌビディアの総収入の見通しは前年同期比95%増にあたり、大手ハイテク各社の設備投資の増加率を大きく上回るハイペースであることは好材料だ。エヌビディアは20日に新たに開示を始めたデータで、大手ハイテク各社以外からの需要も急激に伸びていることを強調。2020年代末には人工知能(AI)関連投資の規模は4兆ドルに達するともしたほか、ライバルとの競争関係にも自信を示している。エヌビディアの高成長見通しは今後も維持されていくとみられ、行き過ぎた期待が修正されていけば、株価が改めて上昇に転じる可能性もある。
エヌビディアの2026年2-4月期決算は好決算 5-7月期の見通しには冷たい反応
エヌビディアの2-4月期決算は総収入が前年同期比85.2%増の816.15億ドル。調整ベースの1株当たり利益が2.3倍の1.87ドルだった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が791億ドル、調整ベースの1株当たり利益が1.77ドル。発表された結果はいずれも市場予想を上回る好決算だった。
一方、エヌビディアが示した5-7月期の業績見通しは投資家を満足させられなかった。5-7月期の総収入が910億ドル前後になるとの見通しは、ブルームバーグがまとめた市場予想の平均値である873億ドルを超える水準。しかし株式市場では予想範囲の上限である962億ドルを超えられなかったことが悪材料視された。ブルームバーグによると、エヌビディアの株価(NVDA)は20日の時間外取引で一時、217.14ドルまで下落。直前の終値(223.47ドル)から2.83%安となった。
成長ペースは大手ハイテク各社の設備投資を超える水準 4四半期連続で成長加速へ
ただ、エヌビディアが示した5-7月期の総収入の見通しは前年同期比94.7%増にもあたる水準。予想通りの結果になれば、4四半期連続で成長が加速することになる。エヌビディアの2026年1月通期の総収入がすでに2159億ドルに達していることも踏まえれば、驚異的な成長だということができる。エヌビディアの高性能半導体を大量に購入してAIサービスを拡充してきた、アマゾン・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)の4社の2026年の設備投資額の合計が前年同期比73.2%増の7100億ドルであることと比べても、エヌビディアの成長の勢いがハイペースであることが分かる。
ハイパースケーラー以外の市場での収入も急増 2020年代末には4兆ドル市場か
エヌビディアが急成長の継続に自信を示している背景には、大手ハイテク各社以外によるAI関連投資が増えているという事情がありそうだ。エヌビディアは20日の決算発表に際して、市場分野別の収入規模を公表。アマゾンなど大手ハイテク各社を含むとみられる「ハイパースケーラー市場」での2-4月期の収入は前年同期比2.2倍の378億ドルであると同時に、ハイパースケーラー以外のAIクラウド事業者などが分類されるACIE市場での収入も73.7%増の373億ドルに達しているとした。
ジェンスン・ファンCEOは20日の決算会見で、「エヌビディアはハイパースケーラーの設備投資額よりも速いペースで成長して然るべきだ」と強調。ハイパースケーラーは5-7社で構成されているのに対して、ACIE市場には全世界で25万社もの企業が含まれていることを踏まえ、「ACIE市場はハイパースケーラー市場よりも大きくなる」との見方を示した。またコレッタ・クレスCFOも決算会見で、ハイパースケーラーの設備投資額は2027年までに年間1兆ドルを超え、全産業での投資額は2020年代の終わりには3-4兆ドルに達するとの見方を示している。
エヌビディアはCPUの競争力にも自信 株価の再上昇も
また、エヌビディアは急拡大するAIインフラ市場で激化するライバルとの競争を勝ち抜く自信もみせている。エヌビディアの急成長の原動力となってきた、AI開発に必要な高速計算の同時処理を得意とする画像処理半導体(GPU)だけでなく、高度なAIサービスの展開に求められる複雑な計算処理をこなすことができる中央演算装置(CPU)でも、5月に出荷が始まった最新モデルの「Vera(ベラ)」への需要が高まっているからだ。クレス氏は今年のCPUでの収入は200億ドルになるとの見通しを示し、「エヌビディアは世界一のCPUサプライヤーになりつつある」とした。
このためエヌビディアの高成長への期待は今後も維持されていきそうだ。エヌビディアは20日、四半期配当を1株当たり0.01ドルから0.25ドルに引き上げることや、800億ドル規模の自社株買いも発表している。ブルームバーグによると、エヌビディアの株価と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は20日段階で23.7倍で、株式市場でAIブームが本格化した2023年以降の平均値(34.9倍)を大きく下回っていることもあり、エヌビディアの株価が再び上昇する展開も考えられそうだ。
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