米FEDスピーカー / FOMC議事録 / 欧州債券市場の動向に注目

今週の焦点-FEDスピーカーの講演とFOMC議事録の内容

ギリシャ

先週2日の米雇用統計(6月分)発表以降、米早期利上げに対する期待が再び後退している。シカゴマーカンタイル取引所(CME)のFED Watcherによれば、9月の利上げ確率は12%、12月のそれは47%まで低下している。また、米債券市場では2年債利回りへの低下圧力が強まり、10年債との利回り格差は1.7580まで拡大(下チャート:青ライン)。これが意味するところは「米景気回復期待」は根強いものの、その力強さは「イエレンFRBに早期利上げを促す程ではない」、ということを示唆している。事実、米10-2年債利回りスプレッドに米ドルのトレンドを示すドルインデックス(チャート:黄ライン)を重ねると、「利回りスプレッド拡大=ドル売り」/「利回りスプレッド縮小=ドル買い」の傾向となっていることがわかる。

 米利回り動向を見極める上で、今週は8日以降より予定されているFEDスピーカーの講演と米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容を注視したい。前者で注目すべきは、10日に予定されている講演でイエレンFRB議長が米経済の先行きと金融政策の方向性について言及するかどうかだろう。雇用、個人消費、企業活動に関する指標データは1-3月期の景気低迷から脱しつつあることを示唆している。肝心なのは早期利上げのハードルとなっているインフレ関連指標が緩慢な伸びにとどまっていることだろう。最新の雇用統計の平均賃金の伸び(前月比)も横ばいと市場予想(同+0.2%)にとどかず、前年比も+2.0%と5月の同+2.3%から低下している。イエレン議長が低インフレへの懸念に言及した場合は、7月28-29日のFOMCまで、上述した「利回りスプレッド拡大=ドル売り」の展開が想定される。逆に、米景気回復を背景に目標とする2.0%へ向けインフレ率が上昇していくとの見通しを示せば、次回FOMCで9月利上げに向けたシグナルを発信してくるとの期待感が高まろう。この場合は、「利回りスプレッド縮小=ドル買い」が想定される。

後者のFOMC議事録(6月16、17日分)では、現在の米経済の状況(=米経済は回復基調にあるものの低インフレ懸念を克服できるまでの回復力が未だ見られない点)を踏まえ、年内利上げのタイミングについてどの程度深い議論が行われていたのか、この点に注目したい。

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本日の焦点-ギリシャ国民投票の結果を受けた欧州債券市場の動向

本日は早朝よりギリシャ情勢に注視する一日となろう。このレポートを執筆時点(今朝6:30時点)でギリシャの国民投票は緊縮策否決が濃厚な状況(開票率87% 、賛成39%、反対61%)となっている。チプラス首相は国民向けのテレビ演説で勝利宣言をした。

国民投票後の焦点は、欧州債券市場の動向にあろう。緊縮策反対派の勝利により「ギリシャのユーロ圏離脱(=Grexit)」リスクが南欧諸国に拡散することで、世界的なリスク回避圧力が強まるとの懸念が台頭する可能性がある。
しかし、先週の南欧利回り(10年債利回り)を確認すると、フランスのそれは1.24%前後、イタリアやスペインのそれらも2%台前半で安定的に推移し(これら両利回りは2012年夏まで5~7%の間を乱高下した経緯あり)、現状「南欧波及リスク」は見られない。独10年債利回りも0.80%前後で膠着状態が継続中(4/17に付けた過去最低水準0.049%を起点としたサポートラインを維持)。Grexitリスクの高まりを受けて尚、欧州債券市場での落ち着いた状況が継続するならば、外為市場でユーロ売り圧力が強まっても短期で終息する可能性がある。上述した米2年債利回りへの低下圧力が強まっているタイミングも考えるならば、ドル売り圧力がユーロ売り圧力を相殺する可能性も意識しておきたい。

尚、ギリシャ情勢以外で注目すべき材料は、日本時間9時30分に予定されている黒田東彦日銀総裁の講演と23時の米ISM非製造業景況指数(6月分)となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.32:21日MA(赤ライン) 123.17:10日MA(青ライン)
サポート 121.50:サポートポイント 121.22:89日MA(緑ライン)

週明け早朝、122.00を下方ブレイクし安値121.75レベルまで反落する局面が見られた。その後122円台へ反発するも上値の重い状況は継続中。ビッドが観測されている121.50が次のサポートポイントだが、テクニカル面では121.20前後で推移している89日MAトライの可能性が高まっている。このMAをも下方ブレイクする展開となれば、125.86からの半値戻し120.86前後までの下落を想定しておきたい。
一方、上値は21日MAの突破及び124円台への再上昇が焦点となろう。124.00レベルにはオファーが観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1223:21日MA(緑ライン) 1.1136:10日MA(青ライン)
サポート 1.0965:リトレースメント76.40% 1.0819:5月27日安値

週明け早朝に安値1.0968レベルを付けた後、1.10台へと反発。6月29日安値とのダブルボトム形成となれば、21日MA及び1.1250レベルまでの反発余地があろう。
ただ、RSI(日足・週足)の動向を考えるならば、1.0965レベルの下方ブレイクを常に想定しておきたい。そのような展開となれば、5月27日安値1.0819レベルが次のターゲットとして浮上しよう。

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