原油価格、連続急騰 WTI一時119ドル イラン情勢不安長期化見通し
WTIは9日午前に119ドル台。ホルムズ海峡封鎖の悪影響が続く。WTIは過去には147ドル台を記録したこともあり、さらなる上昇も考えられる。
原油価格が連日急騰している。原油先物市場の指標価格であるWTI(翌月渡し)は日本時間9日午前の取引で一時、1バレル=119ドル台を記録。ロシアによるウクライナ侵攻が原油市場を揺らしていた2022年6月以来の高水準を記録した。アメリカとイランの交戦によるホルムズ海峡封鎖の悪影響が広がっているうえ、ドナルド・トランプ大統領は足元の原油価格上昇を静観するそぶりを見せており、原油の先高観は強まる一方だ。原油先物市場の値動きからは、投資家が原油高の長期化を想定している様子も感じられている。WTIは過去には130ドル台や147ドル台を記録したこともあり、値上がりがさらに進む展開も想定される。
WTIは一時119.48ドル イラン攻撃後78%上昇で3年8か月ぶり高値
WTI(翌月渡し、WTI原油)は日本時間9日午前に急騰。ブルームバーグによると、午前11時33分には119.48ドルをつけ、6日のニューヨーク市場での終値との比較で31.44%高となった。WTIは6日終値でも12.21%高となっており、連日で急騰を演じている形だ。9日の高値は、米国とイスラエルによるイラン攻撃前日の2月27日終値との比較で78.28%高にあたり、2022年6月15日(119.61ドル)以来、3年8か月ぶりの水準となった。
UAEも原油生産抑制のもよう イランの新最高指導者はハメネイ師次男
原油価格急騰の背景には、米国とイランの交戦に伴うホルムズ海峡封鎖の悪影響が拡大していることがある。ブルームバーグは日本時間8日朝、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油(ADNOC)が沖合油田の生産水準を「管理している」との声明を発表したと報じていた。貯蔵設備の容量が少なくなってきていること踏まえ、生産を抑えているとみられる。クウェートやイラクも同様の理由で生産量を減らしていると報じられている。
こうした中、イランメディアのテヘラン・タイムズによると、イランのイスラム聖職者で構成する専門家会議は圧倒的多数の賛成で最高指導者としてモジタバ・ハメネイ師を選んだ。モジタバ・ハメネイ師は2月28日の米国による空爆で死亡した、アヤトラ・アリ・ハメネイ師の次男。トランプ氏は米インターネットメディアのアクシオスとの5日のインタビューで、新しいイランの最高指導者について「ハメネイ師の息子は私にとっては受け入れ難い」としており、イランの新指導部と米国との関係改善は進まないとみられる。
トランプ氏、原油価格上昇は「極めて小さな代償」 原油高の長期化見通し広がる
こうした中、トランプ氏は足元の原油価格の上昇を静観するそぶりをみせた。日本時間9日午前7時54分の自身のSNSのトゥルースソーシャルへの投稿では、短期的な原油価格の上昇は「米国や世界、安全、平和にとっては極めて小さな代償だ」と言明。イランの核がもたらす破壊の脅威がなくなれば、「原油価格は急激に下落する」としている。トランプ氏は米国を含めた世界の物価上昇につながりかねない原油価格の上昇に対する投資家の不安を鎮静化させようと懸命のようだ。
ただ、日本時間9日の原油先物市場の値動きからは、投資家が原油高の長期化を織り込み始めた様子も感じられる。ブルームバーグによると、WTIの価格は翌月渡しだけでなく、5月渡しや6月渡しも2月27日比で5-6割高の水準で推移。12月渡しでも1バレル=75ドル台となっており、3月に入ってからの値上がりが続いている。
WTIはリーマン・ショック前には147.27ドルまで上昇 記録に向けた値上がりも
ブルームバーグによると、WTI(翌月渡し)はロシアのウクライナ侵攻から約2週間後の2022年3月7日には1バレル=130.50ドルまで上昇。またリーマン・ショックの2カ月前にあたる2008年7月11日には、中国やインドなど新興国の原油需要の高まりなどを背景として147.27ドルの最高値を記録した。足元の原油先物市場でも、米国とイランの交戦や中東産油国の生産状況が悪化する不安が広がった場合には、WTIの価格がこれらの記録更新に向けた値上がりを続ける可能性も考えられそうだ。
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