【米国株】S&P500週間見通し(2/23週):焦点はエヌビディア決算、トランプ新関税の反応注視
IG証券のアナリストによるS&P500の週間見通し。ハイテク懸念の行方はエヌビディア決算次第。トランプ新関税に対する反応を注視。株価指数CFD「米国500」、注目のチャート水準について。
要点
- ハイテク懸念一服で先週のS&P500は1%高と3週ぶりに反発した。ただし、マイクロソフトなどAIクラウド大手(ハイパースケーラー)の株価は月初来で軒並み下落。巨額設備投資の収益化への懐疑論は根強い
- 今週25日にエヌビディアがQ4決算を発表する。業績見通しが焦点に。エヌビディア決算でハイテク懸念がさらに後退すればS&P500の株価指数CFD「米国500」は6900台での底固めと上昇拡大が予想される。6980トライが焦点に
- 一方、株安要因として注視すべきが「トランプ新関税」。エヌビディア決算でハイテク懸念の再燃も重なれば、米国500は再び調整売りに直面しよう。今週の下値焦点は6800の維持
S&P500は3週ぶり反発、ハイテク懸念ひとまず一服
先週の主要な米株価指数は上昇して終えた。米株式市場の時価総額の約80%をカバーするS&P500は1%高と3週ぶりに反発した。
直近5日間のS&Pセクター別パフォーマンスを確認すると、多くの主力ハイテク株が属するコミュニケーション・サービス(+1.54%)と情報技術(+0.98%)の両セクターが上昇した(下チャート緑矢印を参照)。ハイテク懸念がひとまず一服したことを示唆する動きが見られた。
S&Pセクター別パフォーマンス
ブルームバーグのデータを基に作成
ただし、先週の動向だけでこのままハイテク懸念が後退していくと判断するのは早計だ。主力AI関連銘柄の月初来パフォーマンスを確認すると、マイクロンテクノロジー(MU、+3.20%)、アップル(AAPL、+1.97%)、ブロードコム(AVGO、+0.41%)を除き軒並み下落している(20日時点)。この低迷の根底にあるのが設備投資の収益懸念だ。
注目は、アルファベット(GOOGL、-6.18%)、マイクロソフト(MSFT、-7.68%)、アマゾン・ドット・コム(AMZN、-12.20%)のクラウド3社(ハイパースケーラー)の株価低迷だ(下チャート赤矢印を参照)。AIインフラへの巨額投資が果たして収益に結びつくのか?こうした懐疑論が広がるにつれ、これまで米株高を主導してきたハイテク株の勢いは急速に失速。買い戻しも限定的だ。
主力AI関連銘柄と米株価指数の変動率:2月2日~20日
ブルームバーグのデータを基に作成
※株価指数:S&P500・ナスダック100
注目のエヌビディア決算、ハイテク懸念後退か?再燃か?
こうした状況下で、今週25日の取引終了後にAI半導体大手のエヌビディア(NVDA)が2025年11月~2026年1月期決算(Q4 FY2026)を発表する。ハイテク懸念の方向性を左右する重要イベントとして注目したい。
ブルームバーグがまとめたコンセンサス予想では、売上高が前年同期比67.1%増の657億1000万ドル、EPSは1.53ドル(前年同期0.89ドル)が見込まれている。同社収益の柱であるデータセンターの売上高は前年同期比68.8%増の600億4400万ドルと、堅調なAIインフラの需要を背景に力強い伸びが見込まれている。粗利益率(売上総利益率、Non-GAAP)は会社ガイダンスとほぼ同じ75.04%の見込みにある。
注目すべきは2026年2月~4月期(Q1 FY2027)の業績見通しだ。ブルームバーグがまとめた売上高予想は前年同期比64.1%増の723億1800万ドル。EPSは1.67ドル(前年同期0.96ドル)が見込まれている。
エヌビディア決算 各項目のコンセンサス予想
※粗利益率:Non-GAAP ベース
※Q4 粗利益率の会社ガイダンス:GAAP 74.8% / Non-GAAP 75.0%(いずれも±50bps)
※決算発表日:25日取引終了後(現地時間)
現在の米株式市場ではAI投資の収益懸念が意識されているだけに、エヌビディアの利益率が重要視される可能性がある。ブルームバーグがまとめたQ1粗利益率のコンセンサス予想は75.02%。コンセンサスの上限は77.15%。会社ガイダンスがコンセンサス予想を下回る場合はもちろん、市場の期待値が高い分、上限を下回る場合も株安要因となり得る点には注意が必要だ。
エヌビディア 粗利益率の推移と見通し
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤ドットはコンセンサス予想
※粗利益率:Non-GAAP ベース
今週の米国500、2つのシナリオと注目のチャート水準
シナリオ①:ハイテク懸念後退なら上昇拡大
S&P500の株価指数CFD「米国500」のトレンドを日足チャートで確認すると、20日の米株式市場で50日移動平均線(6907)とフィボナッチ・リトレースメント61.8%水準(6905)を大陽線で一気にブレイクアウトした。日足RSIは50を上抜け、20日終値で6900の維持に成功したことも踏まえるならば、地合いの強さが戻りつつある。
エヌビディア決算で業績見通しを含めて投資家の期待を上回れば収益懸念が和らぎ、クラウド大手や半導体株への買いが米国500をさらに押し上げる展開が予想される。
今週の上昇シナリオでの最初の焦点は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%水準6947レベルの突破だ。このテクニカルラインを完全に上抜ける場合、次の上値ターゲットは6980だ。この水準は2月上旬にレジスタンスラインとして相場の上昇を止めた経緯がある。6980を今週の上限と予想する。
想定を超える上昇で米国500が6980を突破すれば、心理的節目7000のトライが視野に入る。この水準もまた、強固なレジスタンスラインとして意識されている。
注目のチャート水準
・7000:心理的節目の水準
・6980:上限予想、2月上旬のレジスタンスライン
・6947:76.4%戻し
シナリオ②:ハイテク懸念再燃×トランプ新関税、6800維持が焦点に
エヌビディアの好決算でもAI投資の収益懸念の払しょくに至らないケースでは、クラウド各社や他の半導体株の売りを想定したい。このケースでの米国500は、再び調整売りに直面するだろう。
トランプ関税リスクにも警戒が必要だ。トランプ米大統領は20日、米連邦最高裁がIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく相互関税・フェンタニル関税を違憲と判断し無効にしたことを受け、通商法第122条に基づく世界一律10%の新関税を賦課する大統領令に署名した。同関税の適用期間は最長150日で米東部時間24日午前0時1分(日本時間同日午後2時1分)に発効する。しかし、それを待たずにトランプ氏は翌21日、自身のSNS(Truth Social)で10%関税を15%に引き上げると表明し、関税姿勢が全く揺らいでいないことを改めて示した。ハイテク懸念に関税リスクが重なれば、米国500の急反落を警戒したい。
下落シナリオでの最初の焦点は、90日移動平均線が推移する6860の維持だ。ここを下方ブレイクする場合は、6840→6820と20ポイント幅でサポート水準を確認していきたい。2023年にAI相場主導で株高トレンドへ転換して以降、S&P500の週次下落率の平均は約1.38%。今週は20日終値6910から約1.32%下の6820を重要水準として意識したい。
米国500が6820を割り込む場合は、さらに20ポイント下の節目水準6800のトライを想定したい。この水準を今週の下限と予想する。
米国500が6800をも瞬間的に下方ブレイクするケースでは、6780の維持が焦点に浮上しよう。今年に入りこの水準で、2度下ヒゲが示現し反発した経緯がある。
注目のチャート水準
・6860:直下に90日線
・6840:サポートライン
・6820:サポートライン
・6800:下限予想
・6780:サポートライン
※移動平均線の水準:2月20日時点
米国500の日足チャート:今年1月以降
TradingView提供のチャート
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