【米国株】ナスダック 見通し(3/11):原油急落もインフレ警戒続く、米CPIで急反落も
IG証券のアナリストによるナスダック100の短期見通し。中東リスクは後退気味もインフレ懸念は後退せず。2月米CPIを警戒。株価指数CFD「米国テク株100」のチャート分析。
要点
- トランプ米大統領のイラン作戦「ほぼ完了」表明で、WTI原油先物価格が一時80ドル割れ→76ドル台へ急落。しかし米長期金利は4.1%台で高止まり、外為市場では「有事の米ドル買い」が続いている。主要株価指数の上値も重い。「中東リスク→インフレ再燃」への警戒は根強い
- インフレが米株式市場のテーマとなる中、今晩に2月米CPIが発表される。インフレの粘着性が裏付けられれば、「米金利の上昇+利下げ期待の後退」による米株安を警戒したい。特に、AI懸念に直面するナスダック100の反発基調に水を差す展開が予想される
- 株価指数CFD「米国テク株100」の下値焦点は、昨年9月以降サポートラインとして意識されている24000の維持。一方、反発相場が続き90日線をブレイクアウトすれば、25700レベルを視野に上昇拡大を想定したい
原油先物80ドル割れもイラン情勢はなお不透明
トランプ米大統領は9日、対イラン軍事作戦について「ほぼ完了」と表明。10日の取引でWTI原油先物価格は80ドルを割り、76ドル台へ下落する場面があった。主要国が備蓄を放出するとの観測も原油安の要因となった。
ひとまず中東リスクは後退している。しかし、イラン情勢はなお不透明だ。トランプ氏はイラン最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師との交渉について条件付きの姿勢を見せながらも、米国の要求をモジタバ師が拒めば排除を支持すると周辺に伝えたという(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)。また、ヘグセス国防長官は10日、「過去最大級の空爆」に言及した。
一方、イランは徹底抗戦の構えにある。イラン革命防衛隊(IRGC)は、攻撃が続くなら「原油輸出を一切認めない」と警告。ホルムズ海峡での混乱が長期化する可能性がくすぶる。
WTI原油先物価格 1時間足チャート:3月6日~10日の動向
TradingView提供のチャート
この点(長期化の思惑)は、外為市場で続く「有事の米ドル買い」が示唆している。
資源国通貨の動きにも注目したい。カナダドルや豪ドルといった資源国通貨は対米ドルで上昇している。カナダは産油国だ。米ドルとカナダドルの上昇が共存する現在の状況は、イラン戦争が長期化する可能性を意識した動きと捉えることができる。
米ドルとドル指数の動向:3月2日~10日
ブルームバーグの為替データを基に作成
焦点はインフレ、米CPIを警戒
中東地域の不透明な情勢は、インフレ懸念を強めている。この点を示唆しているのが米長期金利の動きだ。
米債市場では9日、インフレ期待を織り込んで動く10年国債利回り(長期金利)が、一時4.2%台へ上昇する局面が見られた。原油価格が80ドル割れとなっても4.1%台で高止まりする状況は、「イラン戦争の長期化→エネルギー価格の上昇・高止まり→インフレ再燃」を意識した動きと捉えることができる。
米10年国債利回り 4時間足チャート:2026年以降
TradingView提供のチャート
米株式市場の動きにも注目したい。10日の市場では主要指数が取引終盤に上げ幅を縮小し、ナスダック総合指数を除く主要指数が下落して終えた。中東リスクのバロメーターである原油先物価格が急落しても米国株の上値が重い状況は、中東リスクとそれに伴うインフレ再燃を意識した動きと捉えることができる。
米株価指数の動向:3月10日
ブルームバーグのデータを基に作成
インフレ再燃がテーマとなる中、今晩2月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想によれば、前月比コア指数以外は、インフレの粘着性を示す可能性がある。
米国 消費者物価指数(CPI)の動向:2025年1月以降
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:2月の市場予想
7日のIG米国株レポートで述べた通り、イラン戦争を受け、現在の米株式市場ではインフレ再燃が主要なテーマに浮上している。2月CPIがその粘着性を裏付ければ、「インフレ懸念→米金利の上昇」に加えて、利下げ期待の後退も相まって、米国株の反発基調に水を差すことが予想される。
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特にハイテク比率の高いナスダック100の動きに注目したい。2月CPIが米金利の上昇要因となれば、AI懸念に直面しているハイテク株の重石となり急反落の可能性がある。一方、米CPIの関門を無難に通過する場合は、反発基調を維持することが予想される。
ナスダック100の株価指数CFD「米国テク株100」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
米ハイテク株の動向:日足、過去1年間
ブルームバーグのデータを基に作成
米国テク株100のチャート分析、24000~25700の攻防
下値の焦点は24000の維持
米国テク株100のトレンドを日足チャートで確認すると、MACDはゴールデンクロスに転じているがゼロラインを下回る状況にある。RSIも50付近で推移している。10日の日足ローソク足には長い上ヒゲが示現。これらの動向を踏まえれば、トランプ発言で米国テク株100は反発基調にある一方、その土台はもろい状態にあることを示唆している。
2月CPIでインフレの粘着性が示される場合は、昨日の上昇を止めた25200がレジスタンスラインとして意識されるだろう。急反落を警戒したい。このケースでは、25日線の攻防が最初の焦点となろう。この移動平均線を下方ブレイクする場合は、1時間足(1H)チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。半値戻し(24581)と76.4%戻し(24260)はいずれもサポートラインに転換する可能性がある24600、24300と重なる。
76.4%戻しの下方ブレイクは、節目水準24000をトライするサインと捉えたい。3月9日の大陽線の安値レベルであり、かつ昨年9月以降、重要サポートラインとして意識されている24000を今週13日までの下限と予想する。
注目のチャート水準:サポート
・24860:25日線
・24600:サポートライン、直下に半値戻し(24581、1H)
・24300:サポートライン、直下に76.4%戻し(24260、1H)
・24000:下限予想、3月9日大陽線の安値水準(23973)
90日線突破なら25700視野に上昇拡大も
一方、中東リスクの新たな後退材料が意識されたり、米CPIが予想を下回る場合、米国テク株100は反発基調を維持する公算が大きい。このケースでは、日足チャートにまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
最初の焦点は、昨日の上昇を止めた25200の突破だ。この水準には一目雲の上限が位置し、そのすぐ上の25276には90日線が控える。25200〜25280は一目雲の上限と90日線が重なるレジスタンスゾーンであり、ここを明確に上抜けることができれば、市場参加者に強気の地合いを印象付けよう。
レジスタンスゾーン(90日線)を突破すれば、2月上旬以降レジスタンスラインとして意識されている25360の攻防が焦点に浮上しよう。この水準は、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。テクニカルの面でもレジスタンスラインとして意識されやすい状況にある。
25360を突破すれば、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準25688が視野に入る。このテクニカルラインの上の水準25700を今週13日までの上限と予想する。時間足のRSIとADXで相場の過熱感とトレンドの強さを確認しながら、今回取り上げたチャート水準の攻防で反落・反発の状況を見極めたい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・25700:上限予想、直下に76.4%戻し(25688)
・25360:61.8%戻し
・25276:90日線
・25200:一目雲の上限
米国テク株100 日足チャート:昨年9月以降
TradingView提供のチャート
米国テク株100 1時間足チャート:3月以降
TradingView提供のチャート
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