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米国株、波乱懸念は継続 S&P500反発 イラン交戦に4月入り見通し

S&P500は5営業日ぶり反発。大手ハイテク株も上昇した。ただイランとの交戦は4月以降も続く可能性があり、波乱の恐れは続く。

米国株、波乱懸念は継続 S&P500反発 ホルムズ海峡封鎖長期化恐れ 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が週明けの急落を回避した。S&P500種株価指数の16日の終値は前週末比1.01%高で、5営業日ぶりの反発。原油価格の上昇に一服感が出たことが好感された。石油の重要通商ルートであるホルムズ海峡の封鎖状態の解消を図る動きが出ていることへの期待が要因だ。また16日の取引では「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価がそろって上昇しており、S&P500を牽引する形となった。ただ、投資家心理の緊張状態は16日の金融市場でも続いており、ホルムズ海峡封鎖解消の見通しは楽観できない。さらに17、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の米連邦準備制度理事会(FRB)の情報発信では、利下げへの慎重姿勢が強まるとみられ、投資家心理を冷やす可能性もありそうだ。米国のドナルド・トランプ大統領の16日の発言からはイランとの交戦が4月以降も続く展開が想定され、S&P500には今後も波乱が起きる恐れが続いていきそうだ。

アメリカのS&P500は5営業日ぶり反発 最高値からは4.00%安

S&P500(SPX)の16日の終値は6699.38で、5営業日ぶりの反発。直前の4営業日での下落幅の約4割を回復した。ブルームバーグによると、16日の上昇率(前週末比1.01%高)は、3日続落後の反発が出た2月6日(1.97%高)以来の大きさだった。16日の終値は1月27日の最高値(6978.60)からは4.00%安の水準となっている。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

WTIが4営業日ぶり下落 マグニフィセント・セブンはそろって上昇

16日のS&P500の値上がりは原油価格上昇の一服が要因。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(翌月渡し、WTI原油)の16日のニューヨーク市場での終値は前週末比5.28%安の1バレル=93.50ドルで、4営業日ぶりの下落だった。イランのアッバス・アラグチ外相は15日に各国の船舶のホルムズ海峡通過について協議に応じる可能性を示唆しているほか、トランプ氏は14日以降、中東産原油を輸入している中国や日本などに対してホルムズ海峡の安全確保のための艦船派遣を要請。米国とイランがともに事態の改善を目指していることが好感されたもようだ。

WTIの推移と過去の高値のグラフ

また16日の取引では、S&P500への影響が大きいマグニフィセント・セブンの株価がそろって上昇。メタ・プラットフォームズ(META)が前週末比2.24%高、半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)が1.65%高になるなど、いずれも1%を超える上昇率となっている。このうちエヌビディアのジェンスン・ファンCEOは16日の基調講演でAI向け半導体の受注の強さを強調。米CNBCによると、ファン氏は高性能半導体システムのブラックウェルとルービンの2027年までの受注残高が1兆ドルに上っていると明かした。ファン氏は2025年10月の段階では、2026年までの受注残高が5000億ドルに達しているとしていた。

アルファベット、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフト、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

VIX指数は11営業日連続で大台超え ホルムズ海峡の安全確保で各国に足並みの乱れ

ただ、16日のS&P500の反発にも関わらず、投資家心理の緊張感は高まったままだ。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の16日の終値は23.51。前週末よりも13.53%低い水準であると同時に、米国とイスラエルによるイラン攻撃開始後の11営業日連続で20の大台を超えている。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

金融市場でS&P500の見通しへの警戒が続いている背景には、ホルムズ海峡封鎖の解消への取り組みがスムーズに進むとは限らないためだ。トランプ氏は16日、記者団に対して、各国に要請しているホルムズ海峡の安全確保のための艦船派遣について多くの国が前向きだとしつつ、「いくつかの国は熱心だが、いくつかの国はそうでもない」とも言及した。米紙ウォースルトリート・ジャーナル(WSJ)によると、英国とフランスは対応を検討しているが、イランでの交戦が終わる前の派遣には後ろ向きだという。ドイツは参加を拒否している。

FOMCで投資家心理の冷え込みも 米国とイランの交戦は4月以降も継続見通しか

S&P500の今後の見通しをめぐっては、18日までのFOMC後のFRBの情報発信も重要視されそうだ。今回のFOMCでは政策金利の維持が確実視されているほか、経済見通しやジェローム・パウエル議長の記者会見では、原油価格上昇が物価上昇圧力を高める可能性があることを踏まえ、追加利下げへの姿勢が弱まることも考えられる。この場合はS&P500にとっては下落圧力として働きそうだ。FRBは12月9、10日のFOMC後の経済見通しでは、2026年末の政策金利の水準を3.4%とし、年内の追加利下げ回数が1回になるとの方向性を示していた。またブルームバーグによると、16日の金融市場では12月FOMC後の政策金利の水準は3.374%と見積もられ、やはり年内1回の利下げが想定されている。

FRBの政策金利の水準の見通しの推移のグラフ

またS&P500にとっての最大の不安材料が、イラン交戦の長期化であることに変わりはない。トランプ氏は16日、イランとの交戦はまもなく終わるとしながらも、今週ではないとも発言。3月31日から4月2日の実施が見込まれていた中国訪問と習近平国家主席との首脳会談については、1か月程度の延期を提案したことも明らかにした。トランプ氏は「戦争が進行中で、ここにいることが重要だ」と述べている。こうした発言は米国とイランの交戦が3月中には終わらないとの見方を強める内容といえ、ホルムズ海峡封鎖が世界経済に悪影響を及ぼす懸念がS&P500の値動きに波乱を起こす可能性は高まっているといえそうだ。


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