日経平均株価 週間見通し(3/16週):中東発インフレ・金利リスク警戒、5万~5万6000円予想
IG証券のアナリストによる日経平均株価の週間見通し。「中東混迷→原油高→悪い金利の上昇 」で下落警戒。日米首脳会談を意識したテーマ株物色の可能性も。株価指数CFD「日本225」の週間想定レンジは5万~5万6000円。
要点
- 「緊迫続くイラン情勢→原油高→悪い国内金利の上昇」が重石となり、日経平均株価は2週続落。16日にはWTI原油先物が再び100ドル台を突破。中東混乱の長期化リスクを市場は織り込みつつある
- 日銀会合は利上げ見送りの公算大。植田総裁の会見も無風で通過か。注目は米FOMC。FOMC声明やパウエルFRB議長がインフレリスクに言及やドットチャートの上方シフトは利下げ期待の後退要因に。米株安が進行すれば日経平均株価の重石となろう
- 日本225の週間想定レンジは5万~5万6000円。中東混迷と米利下げの不透明感が重なれば、5万円への下落が視野に入る。一方、19日の日米首脳会談で対米投資の進展が意識されれば、テーマ株の物色が下支えとなる可能性も。テクニカル面では5万6000円が上限の目処
今週もイラン情勢にらみ、悪い金利の上昇リスクで下落警戒
3月に入り日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)は2週続落。強気地合いが急速に後退している。
日経平均株価・TOPIXの週間変化率:年初来
ブルームバーグのデータを基に作成 / 3月13日までの動向
原油先物価格(WTI)、国内の長期金利(10年債利回り)、日経平均株価の株価指数CFD「日本225」のトレンドを確認すると、原油高と金利上昇が同時に発生する一方、日本225は下落トレンドにある。下のチャートは、コストプッシュインフレによる「悪い金利の上昇」が、日本225のリスク要因となっている構図を浮き彫りにしている。
WTI原油先物、国内長期金利、日本225 1時間足チャート:3月以降
TradingView提供のチャート
「悪い金利の上昇」が重石となっている状況は銀行、損保株、不動産株の動向も示唆している。
高市政権が発足して以降、国内の債券市場では長期や超長期ゾーンの利回りに上昇の圧力が高まった。銀行株や損保株は金利上昇の恩恵を受けることから、株価が上昇した。注目は不動産株だ。通常であれば、金利の上昇は不動産株にとってネガティブ要因だ。しかし、中東の地政学リスクが高まる前まで、主力の不動産株も上昇トレンドにあった。
しかし、3月以降の動向を確認すると、国内金利の上昇とは対照的に主力銘柄が総じて下落し、日経平均株価やTOPIXの重石となっていることが分かる。
16日の取引でWTI原油先物4月限が再び100ドルの大台を突破し、一時102.40台まで上昇する場面が見られた。イラン情勢に端を発する中東の混乱が長期化する可能性を意識した動きだ。上で述べた日本225のトレンドを考えるならば、今週も「中東の地政学リスク→原油高→悪い金利の上昇リスク→日本225の下落」を警戒したい。
株価指数と銀行株・損保株・不動産株の動向:3月以降
ブルームバーグのデータを基に作成 / 3月13日までの動向
日銀会合は無風通過か、FOMCと米国株を警戒
今週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合が重なる中銀イベント・ウィークだ。
18~19日に日銀は金融政策決定会合を開く。15日のIG週間為替レポートで述べた通り、今回の会合では利上げ見送りの公算大。4月利上げも織り込む状況にあり、植田和男総裁の会見でも目新しい材料はないと思われる。今回の会合は無風で通過する可能性がある。
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注目は17~18日に開かれる米FOMCだ。14日のIG米国株レポートで指摘した通り、中東の地政学リスクが高まる前から、米連邦準備制度理事会(FRB)内にはインフレ再燃を警戒する意見が見られた。インフレ再燃が警戒される中でイランを巡る軍事的緊張も重なったことで、FOMC声明ではインフレリスクを警戒する表現が盛り込まれる可能性がある。また、四半期経済予測(SEP)ではインフレ見通しが上方に修正されるか注目したい。
ドットチャートでは、昨年12月の予想中央値3.4%(2026年予想)から上方にシフトすれば、今年の利下げ見通しの不透明感が高まろう。今回のFOMCは米株安の要因として警戒したい。米株安は日経平均株価の重石となろう。
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19日に日米首脳会談、テーマ株に注目
今週、日経平均株価の下支え要因として注目したいのが、期待先行のテーマ株物色だ。
高市早苗首相は19日、米ワシントンでトランプ大統領と首脳会談を行う予定だ。5500億米ドル規模の対米投資計画を巡り、具体的な進展が見られる可能性がある。
現下のイラン情勢と中国問題を考えるならば、三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)などの防衛株、三井海洋開発 (6269)や住友金属鉱山(5713)などのレアアース関連株が期待先行で買われやすい状況にある。資源開発(レアアース関連)を巡り毎日新聞は13日、南鳥島沖の海底で確認されたレアアース(希土類)の共同開発を確認する調整に入ったと報じた。
日本225のチャート分析、週間想定レンジ5万~5万6000円
テクニカルは弱気地合い示唆、節目の5万円トライも
週明け16日の日経平均株価は続落で始まった。「中東の地政学リスク→原油高→悪い金利の上昇」を意識する動きが続いている。
株価指数CFD「日本225」のトレンドを日足チャートで確認すると、先週は5万6000円がレジスタンスラインとして意識された。テクニカルの面では遅行線がローソク足を下抜け、50日線と半値戻しが相場の反発を止めた。MACDはゼロラインを下回る状況にある。また、4時間足チャートのABCDパターンでは、A→C(リトレースメント)が0.502の一方、B→D(エクスパンション)が1.721の状況にあり、こちらも日本225の弱気地合いを示唆している。事実、13日の市場では5万6000円手前で反落。日足チャートの一目雲を下抜けて終えた。
今週も日本225が弱気地合いを維持すれば、1000円幅かつ4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの水準に注目したい。5万3000円=61.8%戻し(5万2895円)は現在、サポートラインとして意識されている。5万2000円=76.4%戻し(5万2211円)は日足ローソク足の実体ベース、5万1000円は下ヒゲベースでそれぞれ先週の相場をサポートした。
中東情勢の混迷に利下げ期待の後退が重なれば、米株安の進行を警戒したい。この場合、日本225は5万1000円を下方ブレイクする可能性がある。ボラティリティの拡大を警戒し、心理的節目の水準5万円を今週の下限と予想する。
注目のチャート水準:サポート
・5万3000円:61.8%戻し(5万2895円)
・5万2000円:76.4%戻し(5万2211円)
・5万1000円:サポートライン
・5万円:下限予想
5万6000円までの反発が限界か
一方、日米首脳会談を意識し、「テーマ株」が日本225を下支えする展開となれば、日足チャートにまとめたテクニカルラインの攻防に注目したい。
最初の焦点は、先週日足ローソク足の実体ベースで相場の反発を止めた5万5000円台の回復だ。38.2%戻しの水準(5万4517円)の突破は5万5000円台をトライするサインとなろう。テクニカルの面では、50日線(5万5300円レベル)と半値戻しの水準(5万5571円)の攻防に注目したい。
後者のテクニカルライン(半値戻し)を突破すれば、5万6000円のトライが視野に入る。テクニカル指標が示唆する現在の地合いの弱さ、先週5万6000円がレジスタンスラインとして意識され、かつ現在25日線が交差している状況も踏まえれば、5万6000円を今週の上限と予想する。
注目のチャート水準:レジスタンス
・5万6000円:上限予想、25日線(5万5900円レベル)
・5万5571円:半値戻し
・5万5300円:50日線(5万5278円)
・5万4517円:38.2%戻し
日本225 日足チャート:昨年12月以降
TradingView提供のチャート
日本225 4時間足チャート:2月下旬以降
TradingView提供のチャート
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