日経平均株価 週間見通し(2月最終週): トランプ新関税で米ドル安・円高警戒、米決算も波乱要因に
IG証券のアナリストによる日経平均株価の週間見通し。トランプ新関税による米ドル安・円高を警戒。エヌビディアとセールスフォースの決算も変動要因に。株価指数CFD「日本225」、注目のチャート水準について。
要点
- 今週の日経平均株価はトランプ新関税を警戒した円高リスクを警戒したい。週後半はエヌビディアとセールスフォースの決算が材料視される展開が予想される
- 円高リスクに加えて、米決算でハイテク懸念も強まれば、日経平均株価の下落拡大を警戒したい。一方、米ハイテク懸念後退なら日経平均株価の下支え要因となろう
- 株価指数CFD「日本225」の週間予想レンジは5万5500~5万7700円。23日序盤は売りが先行している。まずは5万6000円の攻防に注目したい
今週はトランプ新関税による米ドル安・円高を警戒
先週の日経平均株価は3週ぶりの下落で終えた。ただし下落率は0.2%。下落幅は116.27円と小幅にとどまった。
週明け23日は祝日で東京株式市場は休場だが、日経平均株価の株価指数CFD「日本225」は取引が可能だ。
日足チャートで直近のトレンドを確認すると、5万6500円がサポートラインとなり、最高値圏での攻防を繰り広げている。10日線を上方ブレイクすれば、5万8000円の攻防が視野に入る状況だ。しかし、今週は強気地合いが崩れる可能性がある。そのリスク要因として警戒したいのが、トランプ新関税とそれに伴う米ドル安→円高リスクだ。
日本225の日足チャート:昨年12月以降
TradingView提供のチャート
トランプ大統領は20日、IEEPAに基づく関税が最高裁で違憲・無効とされたことを受け、通商法第122条に基づく世界一律10%関税の大統領令に署名。同関税は米東部時間24日午前0時1分に発効するが、それを待たず翌21日には15%への引き上げを自身のSNSで表明した。
昨年から続く米ドル安の主因は「ドル不信」に根差している。下のチャートが示す通り米ドルは昨年1月以降、主要通貨に対して軒並み下落。直近では対日本円でも下落している。4月の相互関税発表以降に米ドル安のトレンドが加速している状況は、米ドル不信の原因がトランプ関税にあることを示唆している。したがって今回の関税率15%引き上げは、米ドル安の要因として警戒したい。
米ドルの動向:昨年1月以降
ブルームバーグの為替データで作成 / 2月20日までの動向
一方、衆院選での自民党圧勝で高市政権の基盤が盤石となった。積極財政を"責任ある"かたちで推進するとの期待が債券市場で広がり、1月20日に一時2.35%台まで上昇した10年債利回り(長期金利)は現在2.1%台へ低下している。一方、超長期ゾーンの20年債利回りは3.45%台→2.92%台、30年債利回りは3.86%台→3.3%台へそれぞれ低下。先々週(9〜13日)の外為市場では円高が進行した。
日本国債の利回り動向:昨年4月以降
ブルームバーグのデータで作成 / 2月20日時点
高市首相は20日の施政方針演説で「責任ある積極財政」を国力強化の本丸と位置づけつつ、「マーケットからの信認を損なう野放図な財政政策はとらない」とあらためて強調した。財政規律への配慮を示した高市首相の姿勢は財政懸念の後退→円高の要因だ。
こうした状況下で今週、トランプ新関税を意識した米ドル安が進行すれば、ドル円(USD/JPY)の下落とそれに伴う主要なクロス円の下落が輸出関連株の売りにつながる可能性がある。円高リスクによる日経平均株価の下落を警戒したい。
エヌビディアにセールスフォースの決算、ハイテク懸念の行方は?
25日の取引終了後、AI半導体大手のエヌビディア(NVDA)が2025年11月~2026年1月期(Q4 FY2026)決算を発表する。米ハイテク懸念の方向性を左右するイベントとして注目したい(詳細は関連レポートを参照)。
関連レポート
・【米国株】S&P500週間見通し(2/23週):焦点はエヌビディア決算、トランプ新関税の反応注視
エヌビディアの決算と並んで注目されるのが、セールスフォース(CRM)の2025年11月〜2026年1月期(Q4 FY2026)決算だ(25日発表)。現在の米株式市場では、AIスタートアップ企業アンソロピックの業務AIエージェント「Claude Cowork」の投入を契機に「SaaSの死」が一大テーマとなり、月初来の主要なソフトウェア株はS&P500やナスダック100のパフォーマンスを軒並み下回る状況にある。
主力ソフトウェア株の動向:2月2日~20日
ブルームバーグのデータを基に作成
セールスフォースの決算は、ソフトウェア株の行方を占う試金石となろう。ブルームバーグがまとめたコンセンサス予想によれば、売上高は前年同期比11.75%増の111億6700万ドル、EPSは3.05ドル(前年同期2.78ドル)を見込む。
焦点は業績見通しだ。2〜4月期(Q1 FY2027)の売上高予想は11.82%増の110億ドル、EPSは3.02ドル(前年同期2.58ドル)を見込む(ブルームバーグのコンセンサス予想)。「SaaSの死」が意識されるなか、業績見通しが市場予想を下回れば「ソフトウェア株安→ハイテク懸念再燃→米株安」の連鎖が想定される。エヌビディア決算も期待を裏切る内容となれば、国内のAI関連銘柄の売りにつながろう。
一方、決算でハイテク懸念が後退すれば、逆の展開が予想される。週後半の日経平均株価の変動拡大を警戒したい。
出所:IGチャート
日本225が下値を目指す局面では、2月以降サポートラインとして意識されている5万6500円の攻防に注目したい。この水準を下方ブレイクすれば、5万6000円を視野に下落拡大を警戒したい。5万6000円は、1月20日の安値と2月8日高値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%水準にあたる。
円高リスクに加えて米ハイテク懸念も重なる場合は、5万5000円台への反落を想定したい。このケースでは5万5500円の維持が焦点に浮上しよう。上の水準には25日線、下の水準には一目基準線が推移しており、テクニカルの面でサポートラインとして意識されやすい。5万5500円を今週の下限と予想する。
注目のチャート水準
・5万6500円:サポートライン
・5万6000円:38.2%水準
・5万5500円:下限予想、上に25日線、下に基準線
5万7700円の攻防
一方、日本225が上値を目指す場合、まずは10日線の突破を確認したい。そのきっかけになり得るのが、米決算でのハイテク懸念後退だ。
日本225が10日線を上方ブレイクすれば、次の焦点は5万7700円の攻防だ。2月に入り、この水準がレジスタンスラインとして意識されている。トランプ新関税による円高リスクを踏まえれば、今週も5万7700円で上値が抑制される展開が予想される。この水準を今週の上限と予想する。
注目のチャート水準
・5万7700円:上限予想
・5万7210円:10日線
【再掲】日本225の日足チャート:昨年12月以降
TradingView提供のチャート
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