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【米国株】S&P500週間見通し:6600-6870予想、イラン停戦の行方と米CPIに注目

IG証券のアナリストによる3月第2週(9~13日)のS&P500見通し。米国とイランの停戦交渉の行方と2月米CPIに注目。株価指数CFD「米国500」は変動拡大を警戒。週間想定レンジは6600-6870。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 3月第1週のS&P500は2%安と今年に入り最大の下落。イラン戦争による原油急騰→インフレ懸念に加え、2月雇用統計で労働市場の先行き不安が強まった
  • 来週の変動要因は、米国・イランの停戦交渉の行方と2月米CPI。イランの反撃能力は大幅に低下している。停戦期待が高まれば急反発の可能性がある。一方、CPIがインフレの粘着性を示せば利下げ期待の後退も重なり、S&P500の下落拡大を警戒したい
  • 株価指数CFD「米国500」の週間想定レンジは6600-6870。下値は61.8%戻し6700をブレイクすれば6600が視野に。一方、上値の焦点は6800台への反発となろう。停戦交渉の期待で20日線を突破すれば、上限予想6870が視野に入る



中東懸念、原油急騰、雇用統計ショックの三重苦に直面

今週の米株式市場は大幅下落で終えた。S&P500は2%安。下落率は今年に入り最大で、昨年10月6~10日週(2.43%安)以来の大幅下落となった。

中小型株で構成されるラッセル2000は4%安と、主要指数で最も下落した(下チャート、赤矢印を参照)。下落率は、昨年7月28~8月1日の週(4.2%安)以来の大きさとなった。「炭鉱のカナリア」として市場の変調を先取りする特性があると言われるラッセル2000の下落拡大は、米国株の先行き不透明感が高まっていることを示唆した。

米国株は中東懸念、原油急騰、そして米雇用統計ショックの三重苦に直面した。「中東の地政学リスク→原油急騰・高止まりの懸念→インフレ再燃」が意識される中で、2月雇用統計が労働市場の先行き不透明感を示唆したことは、来週の米国株の重石となる可能性がある。

米株価指数の週間変化率:2026年1月~3月第1週

米株価指数の週間変化率:2026年1月~3月第1週

ブルームバーグのデータを基に作成


イラン情勢にらみ、停戦交渉の期待が高まれば急反発も

来週の米株式市場も、イラン情勢にらみの展開となろう。イランの報復攻撃が中東全域に拡大したことでエネルギーの供給懸念が高まり、7日の取引でWTI原油先物4月限は2023年9月下旬以来となる92ドル台へ急騰する場面が見られた(高値92.61ドル)。

WTI原油先物価格 週足チャート:2023年1月以降

WTI原油先物価格 週足チャート:2023年1月以降

TradingView提供のチャート

来週、イラン情勢で注目すべきは、米国とイランの停戦交渉を巡る情勢だ。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は4日、複数の関係筋の話として、イラン情報省の工作員が米中央情報局(CIA)に停戦に向けた対話シグナルを送っていたと報じた。イランのタスニム通信は、「全くの虚偽で、心理戦だ」(イラン情報省)と報じ、NYTの報道を否定した。

しかし、米国とイスラエルの大規模攻撃により、イランの反撃能力はかなり削がれている。米中央軍(CENTCOM)のクーパー司令官は5日、イランの弾道ミサイル発射数は開戦初日比で90%減少し、ドローン(無人機)攻撃も83%減少したと発表した。また米軍は、イラン海軍の主要艦艇30隻以上も撃沈・破壊した他、イランの「空の支配的優位(エア・ドミナンス)」を達成したことも発表した(クーパー司令官)。イスラエル軍はイランの防空システムの約80%を破壊し、制空権を掌握したと主張した。制空権の喪失により、イランは空からの攻撃に対して事実上無防備な状態にある。

トランプ米大統領は無条件降伏を要求しており、イランにとって受け入れは困難である。しかし、イランの国家体制は崩壊に直面しており、新体制が混乱収拾のために停戦交渉に動く可能性は否定できない。急転直下で来週に停戦交渉の期待が高まれば、S&P500の急反発が予想される。


雇用統計ショック、2月CPIを警戒

米労働省が6日発表した2月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数は前月比で9.2万人減少した。失業率は4.3%から4.4%へ上昇し、労働市場の軟化を示唆した。一方、平均時給は前年同月比で3.8%上昇と市場予想を上回った。中東の地政学リスクでインフレ懸念が強まる中、雇用減少で賃金インフレ圧力が残る状況は、「スタグフレーション(景気減速とインフレが同時に発生する状況)」を市場参加者に想起させる要因になり得る。

米雇用統計 各項目の動向:2025年1月以降

米雇用統計 各項目の動向:2025年1月以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤の棒グラフ・ドット:2月の結果

来週も米10年国債利回り(長期金利)の動きに注目したい。イラン戦争は本来、安全資産である米国債の買い(金利低下)を誘発するリスクイベントである。しかし、長期金利はイラン戦争前に節目の4.0%を下回る場面があったにもかかわらず、足元では4.1%台へ上昇している。弱い雇用統計を受けて6日の市場では米債買いが優勢となったが、今週の金利上昇は、安全資産としての需要をインフレ懸念が上回っていることを示している。インフレを意識した長期金利の上昇は、米株安の要因として警戒したい。

米国10年債利回り 4時間足チャート:2026年1月以降

米国10年債利回り 4時間足チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート

またインフレ懸念は、米利下げ見通しの不透明感も強めている。イラン戦争の勃発前、翌日物金利スワップ(OIS)市場では6月の利下げが有力視されていた。しかし、イラン戦争の影響が中東全域に拡大していることでインフレ懸念が急速に浮上。利下げ期待は急速に後退している。さえない雇用統計を受けても、6月の利下げ確率は30%台にとどまる。 3月会合からの合計確率も50%台と低迷しており、利下げ見通しの不透明感が強まっている。

次回の利下げは、今年後半に後ずれする可能性がある。現状では、早くて7月の利下げを意識する状況にある(3月からの合計利下げ確率は80%台)。

米FOMC 利下げ見通し

米FOMC 利下げ見通し

ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 3月6日時点 / マイナス表記:利下げ
※政策金利の予想水準:誘導目標の上限

インフレ懸念と米利下げで不透明感が強まる中、来週11日に2月CPIが発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想によれば、前月比コア指数以外は、インフレの粘着性が示される可能性がある。

中東の地政学リスクでインフレ再燃が米株式市場の主要なテーマに浮上する中、CPIがその粘着性を裏付ければ、利下げ期待はさらに後退しよう。雇用悪化とインフレの粘着性が共存するスタグフレーション的な環境では、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げで厳しい判断を迫られるだろう。インフレ懸念と利下げ期待のさらなる後退が重なれば、米株安の圧力が一段と高まることが予想される。

米国CPIの動向:2025年1月以降

米国CPIの動向:2025年1月以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤の棒グラフ・ドット:2月の市場予想(6日時点)

また、13日には1月のPCE価格指数も発表される。今週は重要なインフレ指標が重なる異例の週となる。2月CPIの最新データが材料視される可能性が高いが、PCE価格指数も内容次第で米国株の変動要因となろう。

ブルームバーグがまとめた市場予想によれば、前年同月比のコア指数でインフレの粘着性が示される可能性がある。
PCE価格指数:1月の市場予想
・前月比:0.3%(前回0.4%)
・前年同月比:2.9%(前回2.9%)

・前月比コア:0.4%(前回0.4%)
・前年同月比コア:3.1%(前回3.0%)
 ※出所:ブルームバーグ、3月6日時点の予想

来週のS&P500は、米国・イランの停戦交渉に関する報道とインフレ指標の結果で、上下に大きく振れる展開が予想される。S&P500の株価指数CFD「米国500」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。


米国500のテクニカル分析、想定レンジ6600-6870

6700ブレイクなら下落拡大を警戒
イラン戦争の長期化懸念と2月米CPIがインフレ懸念を強める内容となれば、来週のS&P500は下落拡大を警戒したい。

S&P500の株価指数CFD「米国500」のトレンドを日足チャートで確認すると、20日線が90日線を下方ブレイクしデッドクロスが確認された。

最初の焦点は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%水準6700の攻防だ(日足チャート)。今週は6710付近で相場がサポートされ、日足ローソク足では長い下ヒゲが示現した。6700レベルが押し目買いの水準として意識されていることを示唆した。

しかし、日足MACDとRSIのトレンドを踏まえれば、来週は6700を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。4時間足チャートでは、ディセンディング(下降)・トライアングルを形成するムードにあり、パターン形成となれば下落拡大のサインとなろう。

米国500が6700を完全に下方ブレイクすれば、フィボナッチ・リトレースメント76.4%水準6626レベルを視野に下落拡大を想定したい。直下の6600ラインは、6日終値の6733レベルから約2%下にあたる。下落拡大を警戒し、6600を来週の下限と予想する。
注目のチャート水準:サポート
・6700レベル:先週のサポート水準、61.8%戻し(日足)
・6626:76.4%戻し(日足)
・6600:下限予想(日足)

停戦期待高まれば急反発も
米国500の反発要因として来週注目したいのが、米国・イランの停戦交渉に関する報道だ。情勢はなお不透明だが、急転直下で停戦交渉の情報が流れる可能性がある。このケースでは、6日終値6733レベルから約2%上の水準6870レベルを来週の上限と予想する。

米国500が6870を目指すサインとして、まずは6800台への反発が焦点となろう。反発局面では、4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。6日の反発を止めた23.6%戻し6771の突破は(4時間足、青矢印を参照)、6800をトライするサインとなろう。この水準は38.2%戻し(6809)にあたる。

米国500が6800台へ上昇する場合は、20日線の攻防に注目したい。この移動平均線の上方ブレイクは、6870をトライするサインとなろう。6870は61.8%戻しの水準でもある。

このレポートでは4時間足を採用しているが、時間足のRSIとADXで相場の過熱感とトレンドの強さを確認し、今回取り上げたチャート水準で米国500が反発・反落するかどうかを見極めながら、取引のタイミングをはかりたい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・6870:上限予想、61.8%戻し(4時間足)
・6854:20日線
・6800:節目水準、38.2%戻し(6809、4時間足)
・6771:23.6%戻し(4時間足)


米国500の日足チャート:昨年11月以降

米国500の日足チャート:昨年11月以降

TradingView提供のチャート

米国500の4時間足チャート:2月下旬以降

米国500の4時間足チャート:2月下旬以降

TradingView提供のチャート


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