豪ドル円 見通し(3/17):豪中銀 連続利上げ視野も、114円再トライが焦点に
IG証券のアナリストによる豪ドル円の短期見通し。豪中銀(RBA)の連続利上げ期待が高まれば、114円のトライが焦点に。反落局面では1円幅の攻防に注目。
要点
- 有事のドル買いが続く中、資源国通貨の豪ドルとカナダドルで円安が進行している。ドル円が160円を意識する状況でクロス円の円安再燃は、為替介入リスクを高めるだろう。オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)の連続利上げ観測が意識されている。豪ドル円に注目したい
- 本日RBAが政策金利を発表する。ハウザー副総裁のインフレ警告を受け、OIS市場は3月利上げを6割以上の確率で織り込む。中東リスクによる原油高がインフレ懸念を強めており、5月利上げも視野に入る
- 豪ドル円の上昇局面では、11日高値114円の再トライが最大の焦点に。下値は1円幅の攻防に注目。奇しくも111.00や110.00など各節目の水準はフィボナッチラインと重なる。25日線と50日線の攻防にも注目
160円射程のドル円、為替介入の鍵を握るクロス円
ドル円(USD/JPY)が重要な節目水準の160.00(160円)を射程に強気地合いを維持している。2024年以降、160.00レベルの攻防では2度急落している。また、今年1月23日の外為市場では、日銀のレートチェック観測と米ニューヨーク連銀のレートチェックを受け、159円台から155円台へ急反落した経緯もある。
15日のIG週間為替レポートで指摘したとおり、円安再燃での160.00突破となれば、政府・日銀による為替介入の警戒感が一気に高まろう。
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ドル円 週足チャート:2024年以降
TradingView提供のチャート
米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切って以降、円相場は主要通貨で強弱まちまちの状況にある。「有事のドル買い」で、対米ドルでは2%近く下落している。
注目は、欧州通貨で円高優勢となる一方、豪ドルとカナダドルでは円安が進行していることだ。オーストラリアは世界有数の液化天然ガス(LNG)の輸出国であり、カナダは世界第4位の産油国だ。一方、欧州はエネルギー輸入に頼る。これら国と地域の通貨で円相場のパフォーマンスが真逆になっている状況は、エネルギーを持つ国と持たざる国の立場の違いを示唆している。欧州通貨、特にスイスフランで円高優勢の状況は、一時的にせよリスク回避の円高圧力が高まっていることを示唆している。しかし、高市政権以降の円安トレンドと日銀の4月利上げが意識されても円高トレンドへ回帰するムードが一向に高まらない。この状況を考えるならば、対欧州通貨で再び円安へ振れる展開を想定したい。
現在は、イラン情勢とエネルギー価格の上昇がメインテーマだ。ゆえに資源国通貨では円安が進行する可能性がある。ドル円が重要ライン160.00の攻防を意識する状況で、クロス円で円安再燃となれば、政府・日銀による為替介入の可能性を高めるだろう。
円相場の動向 対G10通貨:3月2日~16日
ブルームバーグの為替データを基に作成
豪準備銀行(RBA)連続利上げが視野も 豪ドル円に注目
今週は中銀イベント・ウィークだ。17日にオーストラリア準備銀行(RBA)が政策金利(キャッシュレート)を発表する。
ハウザーRBA副総裁は10日、ポッドキャストで「インフレ期待のディスアンカー(目標からの乖離)を許せば、全員にとって悪い結果になる」とインフレリスクへの警戒感を示した※。この発言を受けOIS(翌日物金利スワップ)市場では、3月会合での利上げ確率が一時76%まで上昇した。直近では6割以上の確率で、RBAが0.25%ポイントの利上げを決定し、政策金利を4.10%に引き上げることが見込まれている。
焦点は今後の政策スタンスにある。現状、5月会合の利上げ確率は7割に達している。RBAが連続利上げに踏み切る可能性が意識されている。
※出所:Interview With The Conversation’s Politics With Michelle Grattan Podcast
豪RBA 利上げ確率の推移:3月・5月
ブルームバーグのデータを基に作成 / 17日午前8時時点
連続利上げが意識されている主因は、インフレリスクの高まりにある。直近の基調インフレ(トリム平均CPI)は前年比3.4%、総合CPIは3.8%と、いずれも物価目標(2~3%)を大きく上回る。そこに中東の地政学リスクが重なった。
原油価格の上昇はコストプッシュインフレを通じて企業業績や個人消費に波及するリスクがあり、RBAは連続利上げで対処せざるを得ない状況に追い込まれつつある。OIS市場が想定する今年12月のターミナルレートは、レポート掲載時点で4.57%台にある。中東の地政学リスクが高まる前は4.1%台だった(2月27日時点)。
インフレリスクは米利下げパスの不透明感を高めている。しかし、RBAが主要先進国の中央銀行でいち早く利上げサイクルに入ったこと、中東の地政学リスクで資源国通貨が買われやすい状況にあることで、豪ドル/米ドル(AUD/USD)は2021年2月の高値0.80レベルを起点とした長期レジスタンスを突破し、2022年6月以来となる0.72が視野に入る。対米ドルでの豪ドル高に円安再燃が加われば、豪ドル円は以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
豪ドル/米ドル 月足チャート:2020年以降
TradingView提供のチャート
豪ドル円のチャート分析、焦点は114円の再トライ
上値の焦点:114円の再トライ
豪ドル円(AUD/JPY)のトレンドを日足チャートで確認すると、25日線と一目基準線がサポートラインとして意識され、右肩上がりのトレンドチャネルを形成。遅行線はローソク足の上で推移している。いずれも豪ドル円の強気地合いを示唆する動きだ。
目先もこの地合いを維持する場合、最大の焦点は、11日に相場の上昇を止めた114円の再トライだ。この水準を突破すれば、次の節目水準115円を視野に上昇拡大が予想される。
豪ドル円が114円を目指すサインとして、4時間足チャートにまとめた2つの計算値(108.00、111.50、110.00で算出される計算値)の攻防に注目したい。N計算値の113.50レベルの突破は114.00をトライするサインと捉えたい。
4時間足RSIは50の水準を再び上回る状況にある。一方、ADXは23台で明確なトレンドが見られず、DMIも−DI > +DIと売り優勢。DMIの逆転とADXの25超えが確認されれば、上記レジスタンスラインの攻防を意識したい。N計算値113.50レベルでは売り圧力の強さが確認されており、突破には新たな材料が必要だ。RBAが連続利上げに積極的と市場で受け取られる場合は、113.50の上方ブレイク→114.00トライの可能性が高まろう。
注目のチャート水準:レジスタンス
・114.00:レジスタンスライン、3月11日高値
・113.50:N計算値
・113.00:V計算値
下値の焦点:1円幅・各節目水準の攻防
一方、中東懸念や連続利上げ期待の後退で豪ドル円(AUD/JPY)が下値を目指す場合は、日足チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。奇しくも1円幅で各節目の水準とフィボナッチのテクニカルラインが展開している。
38.2%戻し(110.94)のトライは111.00の攻防を意味する。直下には基準線が推移している。サポート転換が確認された111.50の下方ブレイクは、111.00をトライするサインとなろう。
110.00は半値戻しの水準にあたる。上には、基準線とともに豪ドル円を支えている25日線が上昇している。109.00は61.8%戻し(109.08)にあたる。直下には50日線が上昇している。
円安再燃でドル円が160円台の攻防となれば、為替介入を材料とした突発的かつ投機的な円高が予想される。この場合は豪ドル円でも下落拡大が予想される。下落拡大となっても右肩上がりの25日線や50日線で反発する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
一方、109.00(50日線)を下方ブレイクする場合は、日足の一目雲の攻防を意識したい。108.00レベルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%(107.93)にあたる。
注目のチャート水準:サポート
・111.00:38.2%戻し(110.94)、直下に基準線(110.82)
・110.56:25日線
・110.00:半値戻し
・109.00:61.8%戻し(109.08)、直下に50日線(108.95)
・108.00:直下に76.4%戻し(107.93)
※移動平均線の水準:レポート掲載時点
豪ドル円 日足チャート:昨年12月以降
TradingView提供のチャート
豪ドル円 4時間足チャート:2月中旬以降
TradingView提供のチャート
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