ドル高継続 “トレンド化”の鍵となる米指標データを注視

アナリストの視点-ドル高促すEUR/USD(=独金利)の反転

チャート

20日の海外外為市場は、ユーロ安進行した。EUR/USDは4月29日以来となる1.1062レベルまで下落。EUR/GBPやEUR/CHFといったユーロクロスも総じて軟調な地合いとなった。一方、ドル相場は対新興国通貨では上値の重い展開となるも、対円ではEUR/USD同様ドル高優勢の展開に。NYタイム序盤に121円台へしっかり乗せてくると、3月上旬から中旬にかけ、ローソク足の実体ベースで上値をレジストした121.50レベルをトライする局面が見られた。ただ、横ばい圏での推移が続いた米株やこの日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容を受け低下圧力が強まった米金利の影響から、厚いオファーが観測されているこのレベル(=121.50)の突破には失敗。しかし、NYタイムの終値ベースでは121円台を維持することに成功。上値トライのムードを残したまま、本日の東京時間を迎えている。

この日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、多くのメンバーが6月利上げは時期尚早であると判断していることが判明。米金利は素直に低下で反応したものの、外為市場はドル高優勢の展開となった。同議事録では、イエレンFRBは1-3月の景気低迷後、米経済は緩やかな回復基調へ回帰すると想定していること、ドル高や原油安が反転しつつある点にもメンバーの関心が示されており、これらの点がドル買い継続の要因となった可能性がある。だが、筆者はこれまでドル安を牽引してきたEUR/USDの反転が直近のドル高の背景にあると考えている。その反転を牽引しているのは独金利の低下だろう。実際、昨日の欧州株式は総じて堅調に推移し、且つ原油相場は前日比+1.7%の反発となったにもかかわらず、独金利の反応は鈍かった。ECBサイドからの金利急反発に対するけん制発言と緩和前倒し観測が独金利の上値レジスト要因として再び市場で意識され始めていると考えられる。一方、USD/JPYはEUR/USDを震源地としたドル高圧力の拡散に加え、テクニカル要因も重なったたため121円台への再上昇に成功したと考えられる。ただ、このドル高がトレンド化するには、昨日も指摘したように好調な米指標データが求められよう。

本日の焦点-欧米指標データを注視
アジア時間は、5月の中国HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値と豪ドル相場の動向に注目したい。19日の豪RBA議事録では中国経済(=不動産リスク)に対する懸念が盛り込まれたが、実際の指標データで同国の景気低迷が確認されれば、資源需要縮小観測を背景に豪ドル相場の上値をレジストする可能性があろう。

海外時間は、欧米の指標データにらみの展開となろう。5月のユーロ圏各種PMI速報値は前回より悪化する見通しとなっている。総じて予想以下となれば、独金利の低下とユーロ安圧力を強めよう。また、21時30分以降より順次発表される米指標データが総じて強い内容となれば、米独金利格差を背景にEUR/USDは1.1050レベルで推移している短期サポートライン(4/13安値1.0520起点)を下方ブレイクする展開が想定される。

一方、USD/JPYは厚いオファーが観測されている121.50の突破が焦点となろう。詳細は下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.03:今年最高値 121.50:レジスタンスポイント
サポート 121.00:サポートポイント 120.50:サポートポイント

2日連続の大陽線により日足の一目/雲、トライアングル上限そして120.50レベルと重要ポイントを尽く突破。RSIで未だ過熱感シグナルが点灯していない点も鑑みるに、本日も上値トライがメインテーマとなろう。
目先の焦点は、3月上旬から中旬にかけローソク足の実体ベースで上値をレジストし続け、且つ厚いオファーが観測されている121.50レベルでの攻防だろう。上にはストップが観測されており、このレベルをも突破した場合、投資家は「The trend is your friend」のスタンスでさらにドル買いを仕掛ける可能性が高まろう。その場合、次の焦点として浮上するのは3月10日に付けた今年最高値122.03のトライとなろう。尚、122.00には121.50同様、厚いオファーが、上の水準にはストップがそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1222:5日MA(緑ライン) 1.1152:5/20高値
サポート 1.1050:短期サポートライン 1.1000:サポートポイント

攻防分岐は短期サポートライン。このラインが推移レベルには厚いビッドが観測されているが、下方ブレイクする展開となればユーロ相場が完全に反転したシグナルと外為市場の参加者は捉えよう。その場合、次のサポートポイントとして意識したいのは、心理的節目の1.10。このレベルにもビッドが観測されている。
一方、上値は5日MAが推移している水準まで反発するかが焦点となろう。1.1200及び1.1220-30レベルにはオファーが観測されている。

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