底堅い米株、強まるドル先高観

アナリストの視点-米株、良好なGDPにネガティブな反応示さず

トレーダー

30日のNY外為市場は、ドル高優勢の展開に。この日発表された4-6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比+2.3%となった。平均予想値+2.5%を下回る結果となったものの、堅調な個人消費の伸び(前期比年率+2.9%)が米景気の急回復を牽引したこと、そして1-3月期の成長率が-0.2%から+0.6%へ上方修正されたことが好感され、9月の利上げ期待をつなぎとめた。事実、米金融政策の方向性に敏感な米2年債利回りは0.73%前後まで上昇。これを受けドルインデックスは、22日以来となる97.80レベルをトライする展開となった。NYタイム午後には利益確定のドル売りが優勢となったが、ドル先高観が意識されたまま、本日の東京時間を迎えている。

4-6月期の米GDP速報値は、1-3月期の景気低迷が一時的な現象であるというイエレンFRBの見通しの正しさを証明した。特に注視すべきは上述した個人消費の伸びだろう。1-3月期の+1.8%から+2.9%へ急伸した背景にあるのは、間違いなく労働市場の持続的な改善だ。先日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、その労働市場の見通しについて上方修正してきた点も考えるならば、来月のグローバル市場は「9月利上げ」を常に意識するフェーズへとシフトしよう。
最大の焦点は、何度も指摘してきた米株の動向だろう。7月以降、米株とドル相場は逆相関(ドル高=株安)から順相関(ドル高=株高)の関係に回帰しつつある。昨日の良好なGDPに対しても特段ネガティブな反応を示さなかった点は、利上げに対する耐性が徐々に強まってきたことを示唆している。よって、来週以降より米株市場におけるこの耐性度合いを見極める日々が続こう。雇用統計をはじめとした重要指標データが9月利上げの可能性を押し上げてなお株高維持となれば、米金利の上昇が同時発生することで、外為市場ではリスク選好のドル高トレンドが形勢されよう。この場合、EUR/USDは1.08ブレイク、USD/JPYは124円後半(=政治的領域)への攻防シフトが想定される。対資源国通貨やファンダメンタルズ面で脆弱性(政治リスク、慢性的な経常赤字と高インフレ)を抱える新興国通貨でもドル相場は上値トライの展開となろう。
一方、「米株安・金利上昇」となれば一時的なリスク回避のドル高となろう。その後は、株安が米金利の低下圧力を強めることから、外為市場ではドルロングを解消する動きが加速しよう。

本日の焦点-指標データにらみの一日

本日は、アジア時間より指標データにらみの一日となろう。日本時間10時にNZのNBNZ企業信頼感(7月)が、10時30分に豪州の四半期卸売物価指数(4-6月、PPI)が発表される。ドル先高観が強まる中、総じて冴えない内容となれば豪ドルやNZDは対ドル&円で下値を模索する展開が想定される。

欧州時間の注目指標は、ユーロ圏の消費者物価指数(7月、HICP)速報値だろう。市場予想(前年同月比+0.2%)以上ならばユーロの買戻し、予想以下ならば1.08への攻防シフトを想定したい。

NY時間では、シカゴ購買部協会景気指数(7月)とミシガン大学消費者態度指数確報値(同月)が発表される。総じて市場予想以上ならばドル高継続を想定したい。ただ、その持続性は株式動向次第となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.75:レジスタンスポイント 124.57:リトレースメント76.40%
サポート 123.80:一目/転換線(緑ライン) 123.36:一目/雲の下限

昨日、7月に入り2回目のリトレースメント76.40%トライとなった。結果は突破に失敗。あらためてこのテクニカルレベルでの上値の重さを再確認した。
このレベルを突破しても6月9日高値124.75を突破しない限り、124円後半はドル売りエリアとして認識しておきたい。逆に124.75レベルを突破した場合は、その上に観測されているストップを巻き込み、瞬間風速的に125.00を目指す可能性があるが、125円突破にはさらなる良好な米指標データが必要であることから、125.00手前での反落を想定したい。
一方、下値は日足の一目/転換線及び雲の上限での攻防を注視。
尚、直近のオーダー状況だが124.75上にはストップ、125.00には厚いオファーが観測されている。123.50及び123.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1019:一目/雲の下限 1.0969:一目/転換線(赤ライン)
サポート 1.0893:7/30安値 1.0810:サポートポイント

日足の一目/転換線をあっさり下方ブレイクし、RSIが売り買い分水嶺の50.00以下での推移が続いている状況を考えるならば、1.08台への攻防シフトを再び想定するフェーズとなってきた。
目先の焦点は、昨日安値1.0893及び22日安値1.0869。これらのポイントをも下方ブレイクすれば、直近安値レベルの1.0810レベルの再トライを想定したい。

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