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【為替】ユーロ見通し(3/19):ECB利上げ観測急浮上、日銀の政策姿勢は?ユーロドル・ユーロ円予想

IG証券のアナリストによるユーロの短期見通し。タカ派に傾く海外中銀。ECBの利上げ観測が急浮上。ECB理事会に注目。ユーロドルとユーロ円、目先注目のチャート水準について。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • FOMCで年内の利下げ観測が後退。豪中銀は連続利上げに踏み切った。海外の主要中銀は”タカ派”に傾いている
  • 今日の注目イベントは植田総裁の会見とECB理事会。植田総裁が従来の政策姿勢を維持すれば、”ハト派”と捉えられ円安が再燃する可能性がある。ECBの利上げ観測が急浮上している。タカ派のFRB・ECB、ハト派の日銀という構図が鮮明となれば、ユーロ円は上昇トレンド回帰の可能性が高まろう
  • 3月後半のユーロドルは、1.12-1.18のレンジ相場が予想される。1.14を維持すれば26週線・13週線のトライを想定したい


タカ派に転じる海外中銀、米利下げ見通しに不透明感

海外の主要中銀が”タカ派”に傾いている。米連邦準備制度理事会(FRB)は、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利(FFレート)の据え置きを決定した。声明文では中東情勢が米経済に与える不確実性に言及。四半期経済予測(SEP)では、2026年のPCEコアインフレ率予想が2.7%と、昨年12月の2.5%から上方修正された。

ドットチャートでは、2026年のFFレート予想中央値は3.4%だった。昨年12月の予想と同じく、1回利下げの見通しが維持された。しかし、2回利下げの人数が4人から2人に減少し、年内1回利下げまたは据え置きに予想が固まる傾向が鮮明となった(右下棒グラフ、赤矢印を参照)。

FOMC参加者の四半期経済予測(SEP)・ドットチャート

FOMC参加者の四半期経済予測(SEP)・ドットチャート

出所:FRB、SEP (Summary of Economic Projections)

オーストラリア準備銀行(RBA)は17日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ4.10%とした。利上げは2会合連続となった。賛成5・反対4の僅差での決定だった。

ブロック総裁は記者会見で、議論の焦点は利上げの是非ではなくタイミングだったと説明。声明では中東情勢について「幅広いシナリオの下で世界および国内のインフレを押し上げる可能性がある」と指摘した。

足元の金利先物市場では、次回5月会合の利上げ確率が50%台から60%台で変動している。5月の見通しは中東情勢次第で大きく変わるだろう。中東の混乱が長期化すれば「原油高→インフレリスクの高まり」で、3会合連続利上げの期待が高まろう。

豪RBA 5月利上げ確率の推移

豪RBA 5月利上げ確率の推移

ブルームバーグのデータを基に作成 / 19日午後2時時点

また、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は9月か10月に利上げに踏み切る可能性がある。OIS(翌日物金利スワップ)市場では今年12月までに、2回利上げの可能性を織り込む状況にある。カナダ銀行も今年秋に利上げに踏み切る可能性が意識されている。


ECBの利上げ観測が急浮上、早ければ今年半ばにも

欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測が急浮上している。米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切ったのが2月28日。その前日までOIS市場では、今年12月時点の預金ファシリティ金利の水準が1.8%にあり、現行の2.0%で据え置くか、1回利下げの可能性を織り込む状況だった。

しかし、中東の地政学リスクでその見通しが一変している。現在のOIS市場は、6月会合までの利上げを70%台の確率で織り込み、7月以降の利上げを確実視する状況にある。

本日はECB理事会が開かれる。経済・物価の見通しとラガルド総裁の会見で、利上げ見通しは大きく変化する可能性がある。特にラガルド総裁がインフレリスクに対して強い警戒感を示す場合は、6月以降の利上げ期待が高まろう。今回のECB理事会は、ユーロ高のイベントとなる可能性がある。

ECB理事会 政策金利の見通し

ECB理事会 政策金利の見通し

ブルームバーグのデータを基に作成 / 19日 午後2時時点


ユーロドルのチャート分析、3月はレンジ相場か

2022年以降のユーロドル(EUR/USD)のトレンドを週足チャートで確認すると、現在は強気相場の中の調整局面にある。

2022年にパリティ価格の1.0を下方ブレイクし、0.9535レベルまでユーロ安・米ドル高が進行した。その後反発し1.12を突破。上昇に弾みがつき、節目水準の1.20へ上昇する局面が見られた。そして直近は、中東の地政学リスクで「有事のドル買い」が進行。現在は1.14レベルのサポート転換を見極める状況にある。

本日のECB理事会で利上げ観測が強まれば、ユーロ高を想定したい。焦点は26週線と13週線の攻防だ。後者の13週線は1.17の攻防でもある。13週線の突破に成功すれば、レジスタンスラインに転換する可能性がある1.18のトライを想定したい。

ECBの利上げ見通しは、今後の中東情勢に左右されるだろう。中東の混迷が長引けば、「タカ派のFRB対タカ派の ECB」の構図が意識され、米ドル高とユーロ高のぶつかり合いが予想される。ゆえに3月後半のユーロドルは、サポート転換の可能性がある1.12を下限、レジスタンス転換の可能性がある1.18を上限としたレンジ相場を想定したい。

要人発言や経済指標でユーロドルが1.18を上方ブレイクし、かつこの水準がサポートラインへ転換する場合は、「ユーロ高の圧力>米ドル高の圧力」を市場参加者に印象づけよう。このケースでは、節目の1.20を視野に上昇拡大を想定したい。

一方、有事のドル買い圧力がさらに強まれば、1.12の下方ブレイクを警戒したい。このケースでは、半値戻しの水準1.1130レベルまでの下落を想定したい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・1.2000:心理的節目の水準
・1.1800:上限予想、レンジの上限
・1.1705:13週線
・1.1670:26週線

注目のチャート水準:サポート
・1.1400:サポート転換の可能性あり
・1.1200:下限予想、レンジの下限、サポート転換の可能性あり
・1.1130:半値戻し

ユーロドル 週足チャート:2022年以降

ユーロドル 週足チャート:2022年以降

TradingView提供のチャート


ユーロ円、植田会見で円安再燃なら上昇トレンド回帰も

日銀は19日開いた金融政策決定会合で、政策金利の無担保コール翌日物レートの誘導目標を0.75%で据え置くことを決めた。据え置きは予想通りであり、15日のIG週間為替レポートで指摘したとおり、焦点は植田和男総裁の会見となろう。
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混迷を深める中東情勢が企業業績、物価、賃金に与える影響、そして金融緩和を志向する高市政権との関係も考慮すれば、「データに基づいて政策判断をする」という従来の姿勢を維持する公算が大きい。ECBの利上げ観測が急浮上する中で植田総裁の会見が”ハト派”と市場で捉えられる場合、ユーロ円(EUR/JPY)は上昇トレンドへ回帰する可能性がある。

日足チャートでトレンドを確認すると、トライアングルの上限を上方ブレイクしている。現在レジスタンスラインとして意識されている50日線、半値戻し(183.84)、一目雲を一気にブレイクアウトすれば、明確なトレンドが見られないMACDには強気回帰のサインが点灯することが予想される。フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準184.56の上方ブレイクは、185円台へ再上昇するサインと捉えたい。76.4%戻しの水準185.44レベルをも突破すれば、186円のトライが視野に入ろう。186.00を3月の上限と予想する。

”タカ派”のFRB・ECB vs ”ハト派”の日銀という構図が鮮明となれば、3月末までに1月23日の高値水準186.87をトライする可能性も否定できない。
注目のチャート水準:レジスタンス
・186.87:1月23日高値水準
・186.00:上限予想
・185.44:76.4%戻し
・184.56:61.8%戻し
・183.84:半値戻し、一目雲の上限
・183.55:50日線
※フィボナッチ・リトレースメント:緑ラインを参照

一方、日銀会合が円高の要因となりECBがユーロ安の要因となれば、182.00の維持が焦点となろう。この水準で反発すれば強気地合い維持となり、上で取り上げたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

一方、182.00を下方ブレイクすれば、全値戻しの水準180.82レベルを視野に下落拡大を警戒したい。奇しくも全値戻しは高市トレードの高安の半値戻しの水準にあたる。180.80レベルを3月の下限と予想する。
注目のチャート水準:サポート
・182.00:サポート転換の水準
・180.82:下限予想、全値戻し、半値戻し
※半値戻し:青ラインを参照

ユーロ円 日足チャート:2025年10月以降

ユーロ円 日足チャート:2025年10月以降

TradingView提供のチャート


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