豪ドル･円が切り返す、中国貿易統計が改善　67円台の半月ぶり安値から

7日の外国為替市場でオーストラリアドルの対米ドル相場が朝安後に切り返した。トランプ米政権が中国に対して新型コロナウイルス感染拡大の責任を追及する姿勢を強め、米中関係の再度の緊迫化への懸念が広がるなか、豪ドルは米国での取引時間中に売られた。日本時間朝方まで売りが続いたが、その後発表となったオーストラリアと中国の貿易統計が予想を上回り、豪ドルは一転して買い戻された。対円では朝方に67円台後半まで下げたが、その後68円台半ばを回復している。

豪ドルの対米ドル相場は、日本時間午前8時過ぎに一時0.63米ドル台後半まで下落。3日ぶりの安値を付けた。一方、午前から正午にかけて発表となった3月の豪貿易収支と4月の中国貿易統計がいずれも予想を上回ると、豪ドルは買い戻され、0.64米ドル台を回復。午後半ばにかけてさらに0.64米ドル台後半まで買われた。

豪ドルの対円相場は一時67円台後半まで下落。4月22日以来、半月ぶりの安値を付けた。その後、対米ドル相場と同様に水準を切り上げ、正午までに68円の節目を上回ると、午後に入り一時、68円台後半まで上値を伸ばした。

日本時間午前10時半に豪連邦統計局が発表した3月の貿易黒字は106億豪ドルで、市場予想の約70億豪ドルを大幅に上回った。鉄鉱石や金の輸出が伸びた。

また、正午に中国税関総署が発表した4月の貿易統計は、輸出がドル建てで前年同月比3.5％増となり、昨年12月以来、4カ月ぶりに前年同月の水準を上回った。3月は同6.6％減だった。市場は4月の輸出が同15％減少すると予想していた。

一方、4月の輸入は同14.2％減。減少幅は3月の同0.9％減から拡大した。市場予想は同11％減。この結果、4月の中国の貿易収支は453億ドルの黒字となった。

米中関係

トランプ米大統領は6日、ホワイトハウスでの会見で、新型コロナウイルスについて「われわれが経験した中で最悪の攻撃だ」と述べ、中国を批判した。

大統領はまた、中国が1月に署名した第1段階の貿易合意を順守しない可能性があるとも述べた。

7日の上海外為市場では人民元の対ドル相場が序盤に4月2日以来の元安水準を付けた。