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ドル円 見通し(3/5):有事のドル買いで158円の攻防、雇用統計でドル高加速も

IG証券のアナリストによるドル円の見通し。有事のドル買いで上昇。158円の攻防が焦点に。米雇用指標で突破なるか?円安再燃での上昇局面では、介入警戒感による急反落を警戒。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、外為市場では有事のドル買いが進行。対スイスフランでも米ドル高にある状況は、今の米ドル買い圧力の強さを示唆している。米10年債利回りは4.1%台に上昇。OIS市場では6月の米利下げ確率が急速に低下
  • 今日以降は、米雇用指標にらみの展開となろう。2月ISM雇用は製造業・非製造業とも改善。2月ADP雇用統計も予想を上回る6.3万人増と、労働市場の底堅さが確認された。本日の新規失業保険申請件数と明日の2月雇用統計も強い内容となれば、中東発のインフレ懸念と相まってドル高加速を想定したい
  • ドル円(USD/JPY)の焦点は158円の攻防。突破すれば159円台を視野に上昇拡大か。注視すべきは円安の再燃。円売りによる159円トライとなれば介入警戒感による急反落に注意。下値の焦点は156.00(50日線)、155.50(21日線)、155.00(半値戻し)の攻防


有事のドル買い、スイスフランでも上昇

2月28日に米国とイスラエルがイランに大規模攻撃を開始して以降、外為市場では「有事のドル買い」が進行している。

リスク回避の局面ではスイスフランが買われやすい。そのスイスフランに対しても米ドルが上昇している状況は、中東懸念による米ドル買い圧力の強さを示唆している。

米ドルの変動率 対G10通貨とドル指数:3月2日~4日

米ドルの変動率 対G10通貨とドル指数:3月2日~4日

ブルームバーグの為替データを基に作成

米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は3日、昨年11月下旬以来となる99.68レベルまで急騰した。4日は調整売りで反落した(米ドル売り優勢となった)。しかし、5日の市場では反発し、90日線を維持する状況にある。

3日の米ドル高局面では、金価格が300ドル超急落する場面があった。安全資産の地位争いでスイスフランだけでなくゴールドでも米ドルに軍配が上がった状況もまた、米ドル買い圧力の強さを示唆した。

ドル指数の日足チャート:昨年11月以降

ドル指数の日足チャート:昨年11月以降

TradingView提供のチャート


雇用指標で米ドル高加速も、明日の2月雇用統計に注目

今日は新規失業保険申請件数、明日は2月の雇用統計がある。新規失業保険申請件数の4週移動平均は上昇基調にあるが、2023年以降の平均を下回っている。

米新規失業保険申請件数の動向:2023年以降

米新規失業保険申請件数の動向:2023年以降

ブルームバーグのデータを基に作成

市場参加者の関心は、明日の2月雇用統計に集中している。2月ISM指数では製造業の雇用が48.1→48.8、非製造業(サービス業)の雇用が50.6→51.8と、いずれも1月から改善した。2月のADP雇用統計は6.3万人増と、ブルームバーグ予想の5万人増を上回った。

「中東懸念→エネルギー価格の高騰・高止まり→インフレの再燃」が警戒される中、一連の雇用指標が労働市場の底堅さを示す場合、今日と明日のNY市場では米ドル高の展開が予想される。

米雇用統計 各項目の動向:2025年1月以降

米雇用統計 各項目の動向:2025年1月以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:2月の市場予想


ドル円のチャート分析、158円ブレイクなら上昇拡大か

上値の焦点は158円の攻防
今日以降のドル円(USD/JPY)は、前述の通り米雇用指標にらみの展開が予想される。

「中東リスク→インフレ懸念」で米利下げ期待が後退している。翌日物金利スワップ(OIS)市場ではイラン紛争前に有力視されていた6月の利下げ確率が30%を切り、3月からの合計確率も40%台と急低下している。現状では7月以降の利下げが意識され始めているが、7月の利下げ確率も20%以下に落ち込んでいる(3月からの合計では60%台)。ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、利下げ期待がさらに後ずれするだろう。

米FOMC 利下げ確率の推移:3月・4月・6月・7月

米FOMC 利下げ確率の推移:3月・4月・6月・7月

ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 14時30分時点の動向

インフレ再燃に雇用堅調となれば、米ドル高の進行でドル円は158.00の突破が予想される。この水準は、フィボナッチ・エクステンション100%にあたる(日足チャート)。4時間足チャートのフィボナッチ・エクステンション100%(158.36)も突破する場合は、159.00を視野に上昇拡大が予想される。159円台での最初の焦点は、米ニューヨーク連銀のレートチェックで急落した1月23日の高値水準159.22レベルとなろう。
注目チャート水準:レジスタンス
・159.22:1月23日の高値水準
・159.00:節目水準
・158.36:フィボナッチ・エクステンション100%(4時間足)
・158.00:フィボナッチ・エクステンション100%(日足)

現在のドル円は、米ドル高主導で上昇している。注視すべきは円安の再燃だ。米ドル高と円安が重なり、一気に158円の突破→159円のトライとなれば、政府・日銀による介入警戒感が高まろう。ドル円の上昇が拡大する局面では、急反落を警戒したい。

155円の維持が焦点に
一方、雇用指標が米ドル安の要因となり、158.00がレジスタンスラインとして明確になる場合は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

3日NY時間からの下落相場は、ひとまず156.50レベルで止められている。しかし4時間足のRSIは50を下回る場面が見られ、ADXは25以下の水準にある。現状、反発の力は弱い。ドル円(USD/JPY)が156.50レベルを下方ブレイクする場合は、156.00のトライを想定したい。この水準には現在、50日線が推移している。155円台へ反落する場合は、サポート転換が確認された155.50の攻防が焦点に浮上しよう(4時間足チャート)。この水準の下には21日線が推移している。

ドル円(USD/JPY)が21日線を下抜ける場合は、155.00のトライが焦点に浮上しよう。この水準は、2月12日安値と3月3日高値の半値戻しにあたる(4時間足チャート)。
注目チャート水準:サポート
・156.50:サポート転換の水準
・156.00:50日線
・155.50:直下に21日線(155.37レベル)
・155.00:半値戻し


ドル円の日足チャート:2026年1月以降

ドル円の日足チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート

ドル円の4時間足チャート:2月以降

ドル円の4時間足チャート:2月以降

TradingView提供のチャート


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