焦点はドル高回帰の土台形成

アナリストの視点-最大の焦点は週半ば以降の米指標データ

チャート

8日に発表された4月の米雇用統計は、ほぼ市場予想の範囲内。3月分の非農業部門雇用者数が下方修正(12.6万人→8.5万人)された一方、4月分のそれが20万人の大台を維持し且つ失業率が低下した事実を鑑みるに、1-3月期の米景気低迷が特殊要因(=悪天候&湾岸ストライキ)以外にあるのではないか、というマーケットの不信感をある程度払拭することに成功したと言える。

しかし、賃金の上昇率が市場予想以下(予想【前年比】:2.3%、結果:2.2%)となる等、イエレンFRBによる早期利上げ期待を再台頭させる程のインパクトが無かったのも事実。実際、雇用統計発表後のドル相場がレンジ内で交錯し、且つ米金利が各ゾーンで低下した事実がこの点を物語っている。

今週は13日以降、米経済の現状を見極める上で重要な指標データが目白押しとなっている。小売売上高(4月分)をはじめとした重要指標データが雇用統計と同様以上の内容となれば、1-3月期の米景気低迷は特殊要因のみに起因する現象であったとマーケットは捉えよう。結果、マーケットでは4-6月期の米景気回復が意識され、今週の外為市場ではドル回帰への土台が形成される可能性があろう。

この場合、円相場のトレンドはUSD/JPYの動向次第となろう。グローバル株式で売り買い交錯する中、クロス円を支えてきたのはドルストレートによるドル安だった。そのドル安トレンドが転換することはクロス円の上値を抑える要因となる。よって、クロス円は円高のけん引役となる可能性がある。だが、絶妙な内容(=米景気回復期待を高めると同時に早期利上げ懸念を台頭させない内容)となった今回の雇用統計を受け、米株をはじめとしたグローバル株式市場が再びリスク選好ムード優勢となれば、USD/JPYが「株高/ドル買戻し圧力」を背景に上値トライ(120.50、120.80そして121.00トライ)となれば、クロス円での円高圧力を相殺しよう。逆に、「ドル高=株安」の状況が再燃するならば、USD/JPYでの上昇は期待できず(=クロス円もサポートされず)、円高優勢の展開となる可能性があろう。

逆に今週の米指標データが総じて市場予想以下となれば、1-3月期の米景気低迷は特殊要因(=悪天候&湾岸ストライキ)以外にある、とマーケットは再び勘ぐろう。結果、イエレンFRBによる年内利上げ期待が後退することで、4月中旬以降に強まったドル安トレンドが継続しよう。特にEUR/USDは急速に積みあがっているユーロショートを調整する動きが継続することで、1.15レベルを視野にユーロ高/ドル安の展開も想定しておくべきだろう。

一方、この場合の円相場のトレンドは、クロス円次第となろう。目下ドル安は、株高要因として作用し易い相場環境にある。且つ米早期利上げ懸念の後退や日欧緩和マネー流入期待も合わさり日欧米株式が高値圏を維持するならば、クロス円での上値トライがUSD/JPYでのレンジ相場(=118.50-120.50)継続をサポートしよう。
尚、今週の株式市場のリスク要因はギリシャ情勢と原油価格の急反発だろう。これらリスク要因が意識されグローバル株式が上値の重い展開となれば、円相場は円高優勢の展開となろう。

本日の焦点-材料少なくレンジ相場継続か

本日は、日米欧の重要指標データ発表や経済イベントが予定されていない。よって、材料不足から外為市場ではレンジ相場が想定される。

リスク要因はギリシャ支援が主要な議題となるEU財務相会合だろう。いつも通り何も決まらない会合となれば、ユーロ相場の売り要因となる可能性がある。だが、先週の主要な欧州株式の週間騰落率を確認すると前週比で軒並み上昇している。4月中旬に一度国境を越え始めたかに見えたギリシャリスクが再び局地的なリスクにとどまっている事実を鑑みるに、「ユーロ売り / 欧州株安」となっても、それは一過性の現象となる可能性が高い。EUR/USDの上下チャートポイントについては下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.51:5/5高値 120.30:短期レジスタンスライン
サポート 118.75:短期サポートライン 118.50:4/30安値

今週は118.50-120.50を中心レンジと想定したい。RSIでは明確な方向感は出ていない。テクニカル面ではトライアングルの上限 / 下限のライン、どちらをブレイクするかが注目される。ただ、どちらのラインをブレイクするにせよ120.50 / 118.50レベルを完全に破る展開とならなければ、レンジ相場が継続しよう。尚、直近のオーダー状況だが120.50レベルには厚いオファー、119.00、118.80そして118.50レベルにはビッドの観測あり。またストップだが、アップサイドは120.25レベル上、ダウンサイドは119.00下 / 118.50下にそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1392:5/7高値
サポート 1.1181:10日MA(赤ライン) 1.1066:5/5安値

今週の焦点は、1.14台の到達or 1.10ブレイクにあろう。RSIは下降トレンドを形成中だが、売り買い分水嶺の50.00までまだ余裕があり、ユーロ安へ転換したシグナルは点灯してない。目先は、10日MA / 日足の一目/転換線での攻防に注目したい。これらテクニカルが推移しているレベルにはビッドも観測されており相場をサポートする可能性があろう。逆にこれらテクニカルポイントを一気に下方ブレイクする展開となれば、RSIは50.00を下抜ける展開となろう。

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