昨年後半のリスク回避相場と今回の違い

米株は売り買いが交錯しています。しかし、来月6月のG20まで米中貿易摩擦の懸念が意識されても、昨年後半のようなヒステリックともいえる急落局面が再来する可能性は低いと考えています。その主因は?外為市場の見通しとともにマーケットレポートをご参照ください。

Analysis Highlights

・昨年後半のリスク回避相場と今回の違い

警戒水準の20ポイントを下回っていたVXN指数(NSDQ100のボラティリティ指数)だが、昨日再び20ポイント以上の水準へと上昇した(20日Last:21.64)。一方、多くの投資家が注目しているVIX指数は20ポイント以下での推移となっている(20日Last:16.31)。現在のリスク回避要因が米中貿易摩擦にある以上、より注視すべきはVXN指数の方だろう。この点はSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)も示唆している。半導体セクターはハイテクセクターとの相関性が高く、その動向を示すSOX指数は2019年に入り過去最高値を更新し続けていた(最高値:1,604.57)。しかし5月に米中貿易摩擦の懸念が再燃すると、一転して下落トレンドを形成。昨日は一時1,337.15と、今年3月11日以来の水準まで急低下する局面が見られた。ハイテク覇権争い(ファーウェイ問題)が意識されていることは明白であり、来月のG20会合までトランプ米政権は中国に対して揺さぶりをかけ続けるだろう。このため、米株は上下に忙しなく振れる展開を想定する。米株の動向に世界の主要な株価指数が影響を受け、これらの結果、外為市場のトレンドが左右されよう。だが、株安圧力が高まる局面が見られても、昨年後半のようなヒステリックな急落が発生する可能性は低い。理由は2つある。ひとつは、トランプ米政権が株式市場を常に注視していることが直近の言動で再確認できたこと。2つめは、FEDの金融政策がハト派へ急転換していることである。特に後者の影響力の大きさは、昨年12月のクリスマス休暇明けから始まったリスク選好相場が示唆している。FEDの政策転換があるからこそ、トランプ米政権サイドによる株式市場サポート発言の影響力も増すというわけだ。株安局面では円高 / 新興国&資源国通貨安の展開を常に意識したい。

【VXN / SOX指数】

VXN Nasdaq100 SOX フィラデルフィア半導体株指数 ボラティリティ

・ドル円とユーロドルの展望

本日のドル円は、上値の重い展開を予想する。主因は株式市場の上値の重さにある。だが、上述したとおり昨年後半のような急落局面が発生しない限り、ドル円の下落幅は限定的だろう。目先の下限をビッドが観測されている109.00と想定。テクニカル面では、フィボナッチ・プロジェクション38.20%の水準109.05の維持が焦点となろう。一方、上値は昨日高値110.31の突破が目先の焦点だが、株式市場の上値の重さと2.40%前後で右往左往している米長期金利の動向を考えるならば、21日MA(110.64前後)までの上昇が限界と想定する。110.50から111.00にかけて断続的にオファーの観測あり。
ユーロドルは売り買い交錯を想定。リスクリバーサル(1週間)の上昇は1.11ミドル前後でのユーロ買い需要の根強さを示唆している。だが、米独利回り格差の縮小傾向が一服している状況を考えるならば、目先は1.12台の回復が焦点となろう。テクニカル面では3月20日高値1.1448を起点とした短期レジスタンスライン(今日現在1.1235前後)の攻防に注目している。1.1200にはオファー、1.1150から1.1100にかけては断続的にビッドが観測されている。

【ドル円】

USDJPY ドル円


【ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

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