米国ウィークリー 2018/6/12号

米欧金融政策でリスクオンの展開か?

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  • 米朝首脳会談に向かうためG7首脳会議を途中退席したトランプ大統領は共同宣言について、「自動車への関税を検討するため、米国の代表団に首脳宣言を承認しないよう指示した」とツイート。議長国カナダのトルドー首相がG7会議閉幕後の記者会見で、「米国の関税は侮辱的だ」と発言したことに対して同大統領は不誠実と批判。G7は、再び協調体制を構築することができなかった。

    共同宣言には貿易について、「ルールに基づく国際貿易体制の重要性を強調し、引き続き保護主義と闘う。できる限り早くWTOをより公平な組織に近代化することを確認。関税・非関税障壁と補助金の削減に努める。」との文言が盛り込まれていた。トランプ大統領が示唆した自動車の輸入関税については、日本やドイツなどに多大な影響を及ぼす可能性があり、米国に対する報復関税などによる米国の企業や消費などへの影響も懸念されるため、動向を注視したい。
  • 6/1より鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を適用したEU、カナダ、メキシコのうち、メキシコは米国からの鉄鋼、バーボン、豚肉やリンゴ、ジャガイモなど30億ドル(約3,300億円)規模の輸入品に税率15-25%の報復関税導入を発表。EUはハーレーダビッドソン(HOGの大型二輪車やリーバイスなど総額64億ユーロ(約8,200億円)、6/20からはこのうち最大28億ユーロ(約3,600億円)、カナダは7/1から最大166億カナダドル(約1.4兆円)の輸入品に報復関税を課すとしている。中長期的には、強まる貿易摩擦への懸念がマーケットの重しとなりそうだ。

    短期的には、米欧金融政策が相場を押し上げる展開もありそうだ。6/12-13のFOMCでは追加利上げがほぼ確実視され、GDP成長率やインフレなど経済見通しや利上げペースに変更があるか注目される。6/14のECBの金融政策委員会では、量的緩和の終了時期や2019年の利上げに関する言及があるか注目が集まっている。FOMCで年3回の利上げペース維持となれば、ECBの金融政策出口模索の観測の強まりも相俟って、一旦金利は低下しドル安が進む可能性もあろう。緩やかな米金利上昇、ドル高への警戒が後退し、原油価格の落ち着いた動きが続けば、市場で企業収益への期待が高まることも想定される。5月のインフレ指標(CPIやPPI)や小売売上高の市場予想は、前月から改善が見込まれており、幅広いセクターに資金が流入する展開も想定されよう。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(6/8現在)

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■主な企業決算 の予定
●6月14日(木):アドビシステムズ

■主要イベントの予定
●12日(火):
朝首脳会談(シンガポール)
FOMC13日まで)
ゲーム見本市「E3」(ロサンゼルス、14日まで)
・5月のCPI
・5月の財政収支
●13日(水):
FOMC政策発表、経済予測、パウエルFRB議長記者会見
・5月のPPI
・IEA月報
●14日(木):
欧州中央銀行(ECB)金融政策会合・ドラギ総裁が記者会見
・5月の小売売上高
・5月の輸入物価指数
・9日終了週の新規失業保険申請件数
・4月の企業在庫
●15日(金):
5月の鉱工業生産
6月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)
・4月の対米証券投資
●17日(日):
・ダドリー総裁、ニューヨーク連銀での最終日
・コロンビア大統領選挙(決選投票)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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