WTI原油がアジアで急落、「香港版国家安全法」巡る米中関係悪化を懸念

・通常取引での2カ月ぶり高値から急転
・香港株、5%超下げる

ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物が22日のアジアでの時間外取引で急落した。中国の全国人民代表大会(全人代)で議論される「香港版国家安全法」を巡り、米中関係が悪化するとの見方が広がり、アジアの株式相場が大きく下げ、この流れが原油相場に波及した。21日の通常取引では約2カ月ぶりの高値を付けていた。

WTI先物で期近の7月限は日本時間午後2時48分現在、通常取引終値を2ドル下回る31.92ドルで推移している。

午前10時半に香港株式市場が下げて始まると、原油も売り物に押されて大きく下げる展開。昼過ぎに30.72ドルまで売られた。その後は買い戻しが入り、下げ幅を縮めている。

通常取引の終値は前日比0.43ドル(1.28%)高の33.92ドル。一時、34.66ドルまで買われ、中心限月として3月中旬以来約2カ月ぶりの高値を付けていた。

日経平均株価は朝方、プラス圏で推移する場面があったが、アジアの株価急落で午前遅くに前日終値を割り込むと、昼過ぎにかけて下げ幅を拡大した。

香港のハンセン株価指数の下落率は5%を超えている。

香港巡る対立

全人代の報道官は21日夜の記者会見で、香港で国家分裂や中央政府の転覆などの行為を禁じる香港版国家安全法を全人代で議題にすると述べた。

一方、これについてトランプ米大統領は同日、記者団に対し「そうしたことが実現すれば、われわれは極めて強力に対処することになるだろう」と語り、中国をけん制した。

トランプ政権は昨年11月に「香港人権・民主主義法」を成立させた。香港で人権の弾圧があった場合、関係者に制裁を科すことを定めている。


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