【米国株】S&P500週間見通し(2/9週):7000突破なるか?雇用統計・CPIに注目
IG証券のアナリストによるS&P500の週間見通し。今週は経済指標にらみ。雇用統計とCPI次第で株価指数CFD「米国500」は節目水準7000突破も。
要点
- 先週の米株式市場ではナスダックが下落した一方、NYダウとラッセル2000は2%高となった。ハイテク株からバリュー株へ株高の主役が交代する兆しが見られる
- 今週は経済指標にらみの展開が予想される。11日に1月雇用統計、13日に同月CPIが発表される。雇用市場の底堅さとインフレ抑制が確認される場合、米国株の上昇期待が高まろう
- ハイテク株比率の高いナスダックと比べ、S&P500はバリュー株の影響も受ける。同指数の株価指数CFD「米国500」は節目の7000突破が焦点となろう。一方、下落局面では6800の維持に注目したい
株高の主役はハイテク株からバリュー株へ交代か
先週の米株式市場で特徴的だったのが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数(以下ナスダック)が下落した一方、ダウ平均とラッセル2000がいずれも2%超の上昇で終えたことだ(下チャート、緑矢印を参照)。
米株価指数の週間変動率:昨年11月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
S&Pセクター別のパフォーマンスをみると、その要因が分かる。先週は生活必需品、資本財そしてエネルギーなどのバリューセクターが上昇した。
対照的に、これまで米株高を主導してきたコミュニケーション・サービスや情報技術のセクターは下落した。主力ハイテク株の売りが、これらセクターの下落要因となった。
S&Pセクター別パフォーマンス:2月2日~6日の週
ブルームバーグのデータを基に作成
ブルームバーグのデータを基に作成 / 基準日:1月23日
クラウド3社の株価が下落した主因は、過剰投資懸念にある。2026年の設備投資計画では、アマゾン・ドット・コムが前年比5割増を打ち出した。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想をベースとする場合、マイクロソフトは前年比65%増が見込まれる。アルファベットは4日、2025年から1750億~1850億ドルに倍増する計画を示した。これら巨額投資に対して、投資家は収益性を疑問視し始めている。
昨年も決算で収益懸念が強まった銘柄は、次の決算まで軟調地合いが続いた。今回も同じ展開となる可能性がある。したがって、目先はバリュー株が米株高維持の主役となる可能性がある。
クラウド3社の設備投資額
公開情報とブルームバーグのデータを基に作成
※決算期間
・マイクロソフト: 2026年度(2025年7月~2026年6月)
・アマゾン・アルファベット:2026年1月~12月
※注記
・マイクロソフト2026年見通し:ブルームバーグのアナリスト予想
今週は経済指標にらみ、雇用統計とCPIに注目
バリュー株には景気敏感株が多い。特に先週の株高をけん引した資本財やエネルギーのセクターはその代表格だ。
先週は、1月ISM指数が製造業と非製造業でともに予想を上回る強い内容が確認された。今週11日に、政府機関閉鎖の影響で延期となっていた1月の雇用統計が発表される。労働市場の底堅さを示す内容となれば、景気期待がバリュー株を支えることが予想される。
米雇用統計 各項目の推移:過去1年間
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:1月予想(2/6時点)
13日には1月消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、トレンドを示す前年同月比でインフレが抑制される見通しにある。インフレ再燃は米国経済にとってリスク要因であるだけに、CPIが予想以下となれば、利下げ期待も重なり米国株全体の押し上げ要因となろう。
米国 消費者物価指数(CPI)の推移:過去1年間
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:1月予想(2/6時点)
米国500の週間展望とテクニカル分析
週間展望
冒頭のパフォーマンスチャートを見ると、ハイテク株比率の高いナスダックの1.84%安に対して、S&P500はわずか0.1%安とほぼ横ばいとなった。ナスダックと同じくS&P500もハイテク株の影響を受けやすい。しかし、ナスダックとは違いバリュー株もトレンドを左右する要因であることを、パフォーマンスチャートは示唆している。
S&P500が対象のオプション取引のボラティリティを元に算出されるVIXは5日、23ポイント台へ上昇する局面が見られた。しかし6日に17ポイントへ急低下し、警戒水準の20ポイントを再び下回った。この動きは、「ハイテク株懸念をバリュー株が相殺する」との期待を示していると筆者は考えている。
VIXの日足チャート:昨年9月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
上昇局面での注目水準
1月雇用統計で労働市場の底堅さが示される場合、S&P500は景気に敏感なバリュー株が主導する上昇相場を予想する。CPIでインフレの抑制も確認される場合は、株高が加速する展開を想定したい。
同指数の株価指数CFD「米国500」は節目水準7000の大台をブレイクアウトし、新たな高値圏での攻防となるかが焦点となろう。2月6日大陽線の高値6945の突破は、7000をトライするサインとなろう。
米国500が7000を突破し、かつこの水準がサポートラインに転換すれば、上昇拡大のサインと捉えたい。このケースでは、トレンドチャネルの上限(レジスタンスライン)が推移する7050の攻防を想定したい。1月28日の高値水準7013の突破は、7050をトライするサインと考えたい。
米国500が7050をもブレイクアウトする場合は、次の節目水準7100が視野に入ろう。米国500が変動が拡大する傾向にある。この水準を今週の上限と予想する。
注目のチャート水準(上値)
・7100:上限予想
・7050:トレンドチャネルの上限
・7013:1月28日高値
・7000:心理的節目
・6945:2月6日高値
下落局面での注目水準
1月雇用統計とCPIが株安要因となれば、米国500は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
注目は6800の維持だ。この水準を目指すサインとして、50日線と90日線の攻防に注目したい。90日線の下方ブレイクは、6800をトライするサインとなろう。
昨年11月以降のトレンドを日足チャートで確認すると、6800を下抜けた後に反発するパターが見られる。テクニカル面では、いずれの下落局面でも一目均衡表の雲が意識された。今週、米国500が6800を下方ブレイクする場合、特に一目雲の下限をトライする局面では押し目買いを考えたい。雲の下限は今週6750レベルで推移する。下限予想の6800を下方ブレイクする場合は、このラインまでの下落を想定しておきたい。
注目のチャート水準(下値)
・6895:50日線
・6850:90日線
・6800:下限予想
・6750:一目雲の下限
※移動平均線の水準:2月6日時点
米国500の日足チャート:昨年11月以降
TradingView提供のチャート
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