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金価格見通し(2/10):5000ドル回復、強気相場回帰か、米雇用統計・CPIに注目

IG証券のアナリストによる金価格の週間見通し。強気相場回帰のムード。米国の雇用統計とCPIが変動要因に。注目のチャート水準について。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 9日の市場で半値戻しの5000ドルと10日線を上抜け。金価格は強気相場へ回帰するムードにある。4700ドル付近で買い戻しが入る状況も下値リスク後退を示唆している
  • 今週の金価格は米国の雇用統計(11日)とCPI(13日)で大きく動く可能性がある。労働市場の軟化・インフレ抑制なら金価格の上昇拡大を想定したい
  • 5100ドル突破なら100ドル幅で上値の攻防を見極めたい。今週の上限予想は5300ドル。一方、米経済指標が金下落の要因となれば4700ドルの維持が焦点となろう。このラインを今週の下限予想とする


5000ドル回復、強気相場回帰のムード

急落相場を経て、金価格は強気相場へ回帰するムードが高まっている。

9日の上昇で、レジスタンスラインとして意識されていた半値戻しの水準と10日線をブレイクアウトし、5000ドルを回復した。一方、4700ドル付近では買い戻しが確認された。下値リスクの後退を示唆する動きだ。

金価格の日足チャート:年初来

金価格の日足チャート:年初来

TradingView提供のチャート


今週は米経済指標にらみ、雇用統計とCPIに注目

注目すべきは、外為市場で米ドルが買い戻されている中で金価格が反発基調を維持したことだ。

その米ドルは昨日、中国の規制当局が米国債の保有を抑制するよう金融機関に勧告しているというブルームバーグ報道を受け下落した。今週の米ドルはIG週間為替レポートで述べたとおり、経済指標をにらんだ展開が予想される。
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注目の経済指標は、政府機関閉鎖の影響で延期となっていた1月の雇用統計だ(11日)。ブルームバーグの市場予想では、非農業部門雇用者数が6.8万人増(前月比)、失業率は4.4%で12月から横ばいが見込まれている。

米雇用統計 各項目の推移:過去1年間

米雇用統計 各項目の推移:過去1年間

ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:1月予想(1/10時点)

13日には1月消費者物価指数(CPI)も発表される。CPIは前月比のコア指数で0.3%と、昨年12月から若干伸びる見通しにある。一方、トレンドを示す前年同月比の伸びは抑制される可能性がある。

米国 消費者物価指数(CPI)の推移:過去1年間

米国 消費者物価指数(CPI)の推移:過去1年間

ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:1月予想(1/10時点)

今年の利下げ見通しに対するFOMC参加者の姿勢は様々だ。しかし、今後の雇用情勢とインフレ動向で次第に定まるだろう。ゆえに、今週の雇用統計で労働市場の軟化が示される場合は、「利下げ期待→米ドル売り」が予想される。CPIでインフレ抑制が確認される場合も米ドル安の要因となろう。米ドル安は金価格の押し上げ要因となろう。

注目は、雇用市場の底堅さとインフレの粘着性が確認される場合だ。このケースでは、「利下げ期待の後退→米ドル高」が予想される。それでも金価格が上昇する場合は、強気相場が回帰するサインと捉えたい。


自民圧勝、日米金利と金の影響を注視

前述の通り、9日の外為市場では中国の米国債保有抑制の報道を受け、米ドル安となった。米中対立の中、今後も中国は米国債の売却と金の購入を志向する可能性があり、その動きに注目したい。

米国債のリスク要因として、今後は日本の国内金利にも目を配りたい。8日の第51回衆院選で自民党は公示前の198議席から316議席へ躍進し、単一政党として戦後最大の勝利を収めた。1月下旬に10年国債利回りは一時2.3%台、30年債利回りは3.8%台へ上昇する局面があった。金利上昇の要因は、財政問題よりもインフレと日銀の利上げ継続姿勢にあると筆者は考えている。

海外投資家による5週連続の中長期債買い越しや※、9日の市場で長期と超長期の金利上昇が抑制されたことも踏まえるならば、足元では金利リスクが高まる状況にはない。
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ただし今後は、高市政権の政策運営次第で金利リスクが意識される可能性がある。衆院選の圧勝により野党の消費減税要求を退けられる状況となった点は財政規律の観点でプラスだ。しかし、「責任ある積極財政」の進め方や、財源が不明確なまま国民会議で食料品の消費税2年間ゼロを実行に移す方針が決まれば、財政悪化の懸念が高まる可能性がある。

インフレ、日銀の利上げ姿勢、財政懸念が重なり国内金利の上昇が加速すれば、利回りの魅力が増した国内債に資金が向かい、生保・年金など機関投資家が保有する米国債の売却圧力が高まりかねない。金利上昇がグローバルで連鎖し、債券の安全資産としての機能が揺らげば、金への逃避需要が刺激される可能性がある。中長期の視点では、高市政権の経済政策に対する国内金利と米金利の反応を注視したい。


金価格の週間見通しとテクニカル分析

5100ドル突破なら上昇拡大か
9日の取引で金価格は、レジスタンスラインとして意識されていた半値戻しの水準(5000ドル)と10日線をブレイクアウトした。今日以降も反発トレンドを維持する場合、次の焦点は5100ドルの突破となろう。

レジスタンスラインに転換する可能性がある5100ドルを突破すれば、100ドル幅で上値の攻防を注視したい。5316ドルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。直下の5300ドルを今週の上限と想定したい。

金価格の予想変動率(1ヶ月、年率換算)の上昇は一服しているが、30%付近で高止まりしている。米国の雇用統計とCPIの内容次第では、金価格の変動が拡大する可能性がある。想定を超える上昇で5300ドルをブレイクアウトする場合は、5400ドルを視野に上昇拡大を予想する。

金価格の予想変動率:2025年以降

金価格の予想変動率:2025年以降

ブルームバーグのデータを基に作成
※予想変動率:年率換算

注目のチャート水準(上値)
・5400ドル:節目水準
・5300ドル:上限予想、76.4%戻し(5316ドル)
・5200ドル:節目水準
・5100ドル:レジスタンス転換の可能性あり

4700ドルの維持
今週の米雇用統計で労働市場の底堅さが示され、CPIでインフレの粘着性が確認される場合は、金価格の下落を想定したい。米金利と米ドルの動向次第では下落拡大を警戒したい。

今週の下値の焦点は、6日の反発でサポートラインへ転換する兆しが見られる4700ドルの維持だ。前述の通り、このライン前後では買い戻しが入るパターンが見られる。4700ドルの攻防では押し目買いを考えたい。

20日線が上昇している4900ドル、4700ドルと同じくサポート転換の可能性がある4800ドル(1時間足)の下方ブレイクは、4700ドルをトライするサインと考えたい。
注目のチャート水準(下値)
・4900ドル:直下に20日線
・4800ドル:サポート転換の可能性あり
・4700ドル:下限予想


金価格の日足チャート:年初来

金価格の日足チャート:年初来

TradingView提供のチャート

金価格の4時間足チャート:1月下旬以降

金価格の4時間足チャート:1月下旬以降

TradingView提供のチャート


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