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アマゾン、株価一時11%急落 設備投資急増見通し 利益成長も鈍化

アマゾンの10-12月期決算発表は2026年の設備投資額が2000億ドルになるとの見通しが悪材料。利益の伸び悩みも投資家心理を暗くしている。

アマゾン、株価一時11%急落 設備投資急増見通し 利益成長も鈍化 出所:Adobe Images

アマゾン・コムが5日の取引時間終了後に行った2025年10-12月期決算発表は株価急落を招いた。アマゾンの10-12月期の実績は総収入の成長が勢いに欠いたうえ、利益の伸び率は急速に落ち込むという内容。さらに人工知能(AI)サービス需要に対応するための設備投資額について、2026年は2000億ドルに達するとの見通しを示し、株式市場では将来的な利益を圧迫する要因とみなされた。アマゾンの株価は5日の時間外取引で一時11%超下落している。アンディ・ジャシーCEOは設備投資の積み増しが利益に貢献することに自信を示しているが、足元の利益の伸び悩みは投資家心理を暗くする要因だ。アマゾンの株価は11月の最高値から下落が続いており、下押し圧力がさらに増していく可能性がある。

アマゾンの2025年10-12月期決算は利益の成長が急減速

アマゾン・コムの10-12月期決算は、総収入が前年同期比13.6%増の2133.86億ドルで、前四半期(7-9月期)の13.4%増との比較で成長率はほぼ横ばいとなった。また1株当たり利益(EPS)は4.8%増の1.95ドル。前四半期の36.4%増から大きく減速している。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が2114億ドル、1株当たり利益が1.96ドル。発表された結果は総収入では市場予想を超えたものの、1株当たり利益では予想を下回る結果だった。

アマゾン・コムの総収入と1株当たり利益の推移のグラフ

小売り関連事業が伸び悩み クラウド事業の成長は加速

アマゾンの総収入が伸び悩んだのは総収入の3分の2を稼ぎ出す小売り関連事業の成長鈍化だ。10-12月期の小売関連事業の収入は前年同期比9.9%増の1416.59億ドルで、前四半期(10.5%増)から成長率が落ちた。収入の水準は年末商戦の好調さを受けて過去最高となっているが、規模の拡大が進むにつれて成長加速が難しくなっている可能性がある。

アマゾンの小売関連事業の収入の推移のグラフ

一方、AIサービスへの需要の強さが追い風となるクラウド事業は好調だ。10-12月期のクラウド事業の収入は前年同期比23.6%増の355.79億ドルで、伸び率は2022年7-9月期(27.5%増)以来の高さ。成長率は3四半期連続で前四半期よりも大きくなっている。

アマゾンのクラウド事業の収入の推移のグラフ

2026年の設備投資額は2000億ドルの見通し 株価は時間外取引で11%超下落

こうした中、アマゾンは5日、2026年の設備投資額は2000億ドルになるとの見通しを公表。ジャシー氏は決算会見で、クラウド事業を通じて提供しているAIサービスの受注残が2440億ドルに上っていると明かしたうえで、サービスの供給能力が不足しているとの見方を示した。

ただ、2000億ドルという数字は、アマゾンが前回決算発表に際して示していた2025年の設備投資額の見通し(1250億ドル)との比較では、1.6倍にも上る水準。AIサービスでのライバルにあたるアルファベットが4日に示した設備投資額見通しの1800億ドル前後も超えている。利益の成長が鈍っていることもあり、投資家からは不安材料として受け止められた。5日の時間外取引でアマゾンの株価(AMZN)は急落。ブルームバーグによると、一時は196.90ドルまで値下がりし、直近の終値(222.69ドル)から11.58%安となった。

ジャシーCEOは設備投資の収益化に自信 クラウド事業の規模の大きさを強調

ジャシー氏は決算会見で、投資家の不安につながった巨額の設備投資について、将来的な利益の向上につながることに「自信がある」と繰り返した。クラウド事業の成長率(23.6%増)は、ライバルのアルファベットの47.8%増や、マイクロソフトの28.8%増を下回っているが、規模が大きいアマゾンのクラウド事業が24%もの成長を示したことは高いハードルをクリアしたことになるとの見方を強調している。また、アマゾンは小売サイトに搭載されている対話側AI「ルーファス」は3億人以上に使われ、年換算で120億ドルの収入増につながっているとしている。

アマゾン、アルファベット、マイクロソフトのクラウド事業の収入の推移のグラフ

利益面の伸び悩みは株価にとっての不安材料 下落圧力が継続する可能性

一方、アマゾンの利益の伸び悩みはジャシー氏の自信の信頼性を損ねている。10-12月期の純利益は前年同期比5.9%増の211.92億ドルで、1株当たり利益同様、前四半期(38.2%増)から成長が急減速した。アマゾンはイタリアでの課税や人員削減などに伴う例外的な支出が合計24.40億ドルあったと説明しているが、これらの効果を除いたとしても純利益は18%程度の伸びにとどまるとみられる。こうした中で示された2026年の設備投資の大幅積み増しは、投資家心理を暗くするだけの理由があるといえそうだ。

アマゾンの株価の5日の終値は前回の決算発表があった10月30日終値との比較では0.08%安。前回決算発表後の11月3日につけた最高値(254.00ドル)からは12.33%安まで後退している。同時に、ブルームバーグによると、株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は22倍台まで低下しているが、今後、利益面での不安が強まっていけば株価への下落圧力が増していくことも考えらえそうだ。

アマゾンの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

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