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重要なのはトレンドフォローのスタンス

米株は相変わらずの強さですね。国際商品市況全体が反転基調にあることも考えるならば、リスク選好相場は続く可能性が高いです。実体経済とかけ離れた動きとの指摘もありますが、市場に参加する人にとって重要なのは、この指摘を重視することではありません。では何を重視すべきか?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

米株の上昇トレンド維持を予想

20日の米国株式市場は、経済活動再開への期待を背景に主要3指数が上昇した。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数のボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算した値)は24%台まで低下している。2017年にトランプ米政権が誕生して以降、米中貿易摩擦やFEDの利上げリスクを受けて尚、6%-30%のレンジでボラティリティは安定的に推移していた。いわばこのゾーンは、投資家心理の安定を示すゾーンと言える。そして現在、このゾーンまでボラティリティが低下したということは、調整の反落を挟みながら、米国株式市場は緩やかな上昇トレンドを維持する可能性が高まってきたことを意味している。

S&P500指数の動向

S&P500 ボラティリティ

重要なことはトレンドに乗ること

米国株式市場以外でも、リスク選好相場をサポートする動きが見られる。それが国際商品市況である。先月20日に初のマイナス価格となったNY原油価格は現在、続伸基調が続いている。それだけではない。「産業の血管」と言われるLME銅先物価格は3月後半以降、反発基調を維持している。そして、国際商品市況全体のトレンドを示すCRB指数は、中国と米欧の経済活動が再開した後の4月下旬にようやく反転基調へ転じている。資源価格は言うまでもなく景気の動向と密接にリンクする。特に資源の輸入大国である中国の経済活動が再開した影響は大きい。その資源価格が反転基調へ転じているということは、景気の先行き不透明感に対する各市場関係者の警戒心を和らげよう。あくまでも「期待先行」であり、実体経済とかけ離れた動きと考えることもできるが、市場参加者にとって一番重要なことはトレンドを見極めることであり、さらに重要なのはそのトレンドに乗ることである。

国際商品市況(CRB指数)の動向

CRB指数 CRB index 国際商品市況 資源価格


米国株式市場と国際商品市がリスク選好トレンドにある以上、外為市場では豪ドルや中国経済との関わりが深いアジア通貨が対米ドルで堅調に推移する可能性があろう。原油先物価格が堅調地合いを維持する場合は、カナダドルやロシアルーブルも対米ドルで底堅さを維持すると予想する。
一方、リスク選好相場の下での米ドル相場と円相場はともに売り圧力に直面し続けよう。ドル円は20日のレポート「明確になったレジスタンスポイント」で指摘したとおり、108.10レベル(フィボナッチ・リトレースメント61.80%)および200日MAが推移している108.30レベルの攻防が焦点となろう。108.00から108.10には断続的にオファーが観測されている。108.30にもオファーの観測あり。

ドル円チャート

USDJPY ドル円 フィボナッチ・リトレースメント

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