ポンドが急落、対円で4カ月ぶり安値 EU離脱案の採決延期で

  • 8月以来の円高・ポンド安に
  • 懸案のバックストップとは?
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英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、メイ英首相が11日に予定されていた議会下院での離脱協定案の採決を見送った。現状で採決に踏み切れば、大差で否決される可能性があることを認めた。これをを受けて外国為替市場ではポンドが大きく売られ、対円ではほぼ4カ月ぶりのポンド安となった。

離脱案に盛り込まれた英領北アイルランドの国境管理を巡る規定に対し、下院で反発が強いことを延期の理由に挙げた。離脱案の発効には下院で過半数の承認を得る必要があるが、その見通しは立っていない。

バックストップ

英国がEUと通商協定を結ばずにEUを離脱した場合、北アイルランドとアイルランドの間に国境管理が復活し、検問所などが作られることになる。これを避けるために、双方はバックストップ(安全策)と呼ばれる規定を設けることで合意した。

バックストップは国境管理問題が解決されるまで英国がEU関税同盟に無期限にとどまると定めており、英国がEUの規則を恒久的に受け入れたり、北アイルランドが英国の他地域と異なる扱いを受けたりすることが懸念されている。また、英国は関税同盟から一方的に抜けることはできない。

英議員が反発しているのは、こうしたことによるものだ。

EUは再交渉応じず

メイ首相は採決延期の発表に際し、EU加盟国の首脳らと離脱案をさらに協議するとの考えを示した。

問題を解決するには、EUと再交渉を行い、バックストップをなくすか、関税同盟から一方的に抜けられる仕組みを整える必要がある。しかし、EUは再交渉には応じない意向だ。

EUのトゥスク大統領は、メイ首相が下院での採決を延期した後にツイッターに投稿し、離脱案を再交渉することはないと表明。一方、英国が議会承認を得られやすくするための方策を議論する用意はあると述べた。13~14日のEU首脳会議の初日に英国を除く加盟27カ国でこうした方策を協議するとみられる。

ポンド安進む

メイ首相の採決見送りの判断が報じられた後、英国のEU離脱を巡る一層の混乱が懸念され、外国為替市場でポンドが売られる展開となった。

対円では一時、同1ポンド=141円台後半と8月以来の円高・ポンド安となった。前週末からポンドはおよそ2円下げている。

対ドルでは1ポンド=1.25ドル台まで下落。昨年4月以来、約1年8カ月ぶりのドル高・ポンド安となった。

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