米国ウィークリー 2019/1/8号

混乱続く中、光明を見いだせるか?

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  • 株式市場は、2019年の年明け後も波乱の展開となっている。1/2、アップル(AAPL)は、2019/9期1Q(2018/10-12月)の売上高の下方修正を発表。粗利益率(約38%)などの見通しは維持したが1/3、同社株価は前日比約10%もの下落となった。同日のNYダウは同660ドル安の22,686ドルとなり、アップル1社でNYダウを106ドル押し下げた。また、12月のISM製造業景況指数は54.1と市場予想の57.9及び11月の59.3から大きく低下。同指数構成別の新規受注が51.1と11.0ポイント低下し、市場センチメントを悪化させた。昨年12/31に発表された12月の中国製造業PMIは49.4と11月の50.0から低下し2年5ヵ月ぶりに節目の50を割り込んだ。改めて、中国リスクや米中貿易戦争の懸念が強まり、半導体などハイテク株全般、中国関連株などが大きく下落した。
    アップルは、新製品販売のタイミング、ドル高の他、特に中国での販売落ち込みが大きく影響したとしている。ただ中国でのサービス売上高は過去最高となっており、今後とも有望な市場と捉えている。一方、中国の携帯大手ファーウェイの台頭や米中貿易摩擦の影響を懸念する見方も強まっており、アナリストの投資判断や目標株価の引き下げが相次いだ。フィリップ証券では、長期的には米中貿易摩擦の緩和やアップルの株価位置、PER水準などからポートフォリオに組み込むチャンスと捉えている。
  • 一方、トランプ大統領のメキシコの壁建設を巡り、政府機関閉鎖が続いている。コンクリートよりも費用のかかる鉄整の壁の建設費を大統領権限で捻出すると発言し、強硬姿勢を崩しておらず、今後も不規則発言には注意を要したい。ただ、消費者や企業のマインドは株価急落で悪化しているが、好調な労働市場など、引き続き米国の実態経済は良好だ。12月の非農業部門雇用者数は前月比31.2万人増、失業率は悪化も3.9%と歴史的低水準、平均時給は前年同月比3.2%増と昨年10月に続き約9年半ぶりの高い伸びとなった。マスターカード(MA)によれば、11/1-12/24までの小売売上高は前年同期比5.1%増の8,500億ドル超と過去6年間で最高になった模様。
    1/4には元FRB議長のバーナンキ氏、イエレン氏と討論を行ったパウエルFRB議長が、市場に「注意深く耳を傾ける」と利上げ停止も視野に入れ、バランスシートの縮小については「計画変更をためらわない」など柔軟な姿勢を示した。同日のNYダウは前日比746ドル高の23,433ドルと前日の下げを一気に取り戻した。VIXは未だ20超と値幅の大きな展開に要注意だが、米中通商交渉の次官級協議の再開などからリスク回避を強めてきた市場参加者は徐々にリスクを取る展開も想定されそうだ。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/4現在)

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■主な企業決算 の予定

●2019年1月9日(水):コンステレーションブランズレナー

●1月10日(木):デルタ航空

●1月14日(月):シティグループ

■主要イベントの予定

●2019年1月8日(火):

家電見本市「CES」(ラスベガス、11日まで)

金正恩朝鮮労働党委員長の誕生日

11月の貿易収支

・11月の求人件数

・11月の消費者信用残高

世銀 世界経済見通し

・独 11月の鉱工業生産

●1月9日(水):

アトランタ連銀総裁、シカゴ連銀総裁、ボストン連銀総裁、講演

FOMC議事要旨(2018121819日開催分)

・英中銀総裁、オンラインの質疑応答に参加

・11月のユーロ圏 失業率

・独11月の貿易収支

●1月10日(木):

パウエルFRB議長、クラリダFRB副議長、リッチモンド連銀総裁、セントルイス連銀総裁、シカゴ連銀総裁、講演

・シンガポールモーターショー(13日まで)

・新規失業保険申請件数(1月5日終了週)

・11月の卸売在庫 (確定値)

ECB議事要旨

中国 12月のPPI12月のCPI

12月の中国経済全体のファイナンス規模、新規融資、マネーサプライ(15日までに発表)

●1月11日(金):

12月のCPI

12月の財政収支

・英 11月の鉱工業生産

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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