今週の焦点:市場の関心は米金融政策へ

Weekly Outlook
今週の外為市場は、米ドル相場が上下に振れる不安定な展開を想定したい。注視すべきは、3.0%の節目の割り込んできた米長期金利の動向となろう。米中貿易摩擦の激化に対する懸念が一時的に後退したことは「米株高→米長期金利反発」の要因となるだろう。だが、米中首脳会談後のビッグイベントであるFOMCが近付く中、市場の関心は米金融政策へシフトしよう。今週はパウエルFRB議長をはじめFEDスピーカーの証言/講演が予定されている。これらキーマン達が金融政策に言及する場合、直近のパウエル発言を踏襲する見解を示せば、米長期金利にはさらなる低下圧力が高まることが予想される。この局面では日米/米独利回り格差の縮小を意識した米ドル売りを想定したい。だが、底打ち感を強めてきた米株が上値トライとなれば米長期金利の低下幅は限定的となり、米ドルを買い戻す動きが見られよう。米株高要因として注視すべきは、11月の雇用統計をはじめとした重要指標データとなろう。
今週のドル円の想定レンジは112.70-114.54。一方、ユーロドルのそれは1.1250-1.1450を想定している。

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Market Analysis
米国による対中関税の強化は90日間の期限付きで見送られた。ひとまず米中貿易摩擦の激化を回避したことで、今後市場の焦点は米金融政策へシフトしよう。この点を見極める上で今週最も注視すべきイベントは、FEDスピーカーの言動となろう。特に注視すべきは、5日のパウエルFRB議長による議会証言となろう。同氏は10月3日の講演で金利の水準について「中立金利の水準にはまだ遠い」と発言。しかし、先月28日のNY講演では「金利は米国経済にとって中立的な水準についての予測レンジをわずかに下回る」と述べ、突如ハト派トーンを強めてきた。今週の議会証言で金融政策に言及する場合、先月の講演内容を踏襲する内容となれば、市場は2019年の利上げペース鈍化の可能性を意識しよう。この場合、米長期金利には低下圧力が高まろう。外為市場では日米/米独利回り格差の縮小傾向が意識され、米ドル売り圧力が高まろう。だが、利上げペース鈍化の観測とそれに伴う長期金利の低下は米株高要因である。米中貿易摩擦懸念の一時的な後退と米利上げペース鈍化の期待が米株の株高トレンド回帰を促す場合、長期金利の低下圧力の相殺要因となる。このケースでは、米ドル買いを想定したい。米株のトレンドだが、今週はFEDスピーカーの言動の他、重要指標データにも左右されよう。特に7日の11月雇用統計は市場の関心を集めよう。

ドル円は113円台を中心に上下に振れる展開を想定。日米利回り格差が縮小しても米株の底打ち感が高まっている現状を考えるならば、112円後半では押し目買いにサポートされよう。113.00から112.80にはビッドが観測されている。一方、上値の焦点は114.54の突破だが、米国市場がリスク選好相場(=株高/長期金利の反発)となる局面でその可能性が高まろう。114.30-114.50にはオファーが断続的に観測されている。
一方、ユーロドルは1.1250-1.1450の攻防を想定。トレンド決定要因は米独利回り格差の動向となろう。1.1300および1.1250にはビッドが観測されている。一方、1.1450にはオファーの観測あり。

【チャート①:米長期金利/S&P500】

US 10years yield S&P500 米10年債利回り

【チャート②:ドル円】

USDJPY ドル円

【チャート③:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

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