短期的な米ドル売り相場を想定

Market Summary
19日の海外外為市場は新興国通貨買い優勢の展開となった。株高トレンドが継続し、米中双方の関税率が当初よりも低く設定され、またNAFTAの再交渉に対する期待もあり、外為市場ではリスク性の高い新興国通貨買い圧力が高まった。特にトルコリラの買戻しが目立ち、1米ドル=6.20リラまで下落する(リラ高の)局面が見られた。15.00レベルがレジスタンスポイントとして意識されている南アランドも対ドルで買戻し優勢となり、安値14.60レベルまでランド買いが進行した。一方、ドル円は112円前半を中心に売り買いが交錯し、ユーロドルは1.17前半で上値がレジストされる状況が続いた。
米株は強弱まちまちの展開となった。国際貿易摩擦に対する過度の警戒感が後退したことでダウ平均とS&P500指数は上昇。一方、主力ハイテク株売りが相場の重石となり、ナスダック総合株価指数は6.069ポイント安の7950.038と小反落した。NY原油先物10月限はイラン情勢の緊迫化と米原油在庫の減少が相場の押し上げ要因となり、前日比1.27ドル高の1バレル=71.12と続伸。一方、NY金先物12 月限は外為市場での米ドル安が好感され、前日比5.4ドル高の1トロイオンス=1208.3と反発した。

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Market Analysis
米株のボラティリティは低下トレンドを維持。一方、新興国株式ETFのそれも低下傾向へ転じている。現在の株式市場は国際貿易摩擦を前提とする経済環境を受け入れている、この事をこれらボラティリティの動向は示唆している。トランプ米政権は世界の覇権を握るため、今後も通商政策を手段とした対中強硬政策を継続するだろう。よって目先、国際貿易摩擦の懸念をさらに後退させる要因として注視すべきはNAFTAの再交渉である。情勢は米国/カナダ間の交渉次第だが、今月末までに両国間で合意に達する観測が出始めている。米ドル/カナダドル(USD/CAD)は昨日、安値1.2896と先月28日以来の水準まで米ドル安/カナダドル高が進行。上記の楽観的な観測がカナダドル相場をサポートしていることがうかがえる。
国際貿易摩擦に対する警戒感の高まりは米ドル買い要因だが、その警戒感が後退している現在の状況を考えるならば、短期的な米ドル売りおよび新興国通貨と資源国通貨の買戻しを意識したい。直近のNY金相場の底堅さも、現在米ドル高圧力が後退していることを示唆している。現在のドル円のベースシナリオは、株高を背景とした上値トライ。米ドル安圧力が上昇幅の拡大を抑制する要因となるだろうが、反落しても10日MA(111.77前後)、21日MA(111.47前後)の維持を想定。111.80から111.50にかけては断続的にビッドが並んでいる。一方、上値の焦点はオファーが観測されている112.50およびレジスタンスポイント112.61の突破となろう。これらポイントの突破に成功する場合、次のターゲットプロジェクション61.80%の水準112.89を目指す展開を想定したい。
一方、ユーロドルは、下値の焦点を10日MAと21日MAが展開している1.1630台、上値の焦点を1.1750と想定。1.1720の突破を1.1750トライのシグナルとして意識したい。1.1720から1.1750にかけては断続的にオファーが並んでいる。一方、1.1650にはビッドの観測あり。


【チャート①:米株 / 新興国株式ETFのボラティリティ】

新興国株式 VIX ボラティリティ

【チャート②:ドル円】

ドル円 USDJPY

【チャート③:ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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