国際貿易摩擦は米ドル買い要因

Market Summary
30日の海外外為市場は円買い優勢の展開となった。米中貿易摩擦の懸念が再燃し、この日の海外株式は総じて下落する展開に。株安は円高圧力を高め、ドル円は安値110.93まで下落する局面が見られた。クロス円も総じて円高優勢で推移した。一方、米ドルは主要な新興国通貨を中心に買い戻し優勢の展開となった。対先進国通貨ではNZD、豪ドルそして加ドルで米ドルが上昇した。ユーロドルは1.1639まで下落する(米ドル買いが進行する)局面が見られた。
米株は主要3指数が下落。米中貿易摩擦に対する懸念が利益確定売り圧力を強めた。だが、取引終盤に下落幅が縮小し下値は堅かった。NY原油先物10月限は産油国の減産が意識され、前日比0.74ドル高の1バレル=70.25と続伸。一方、NY金先物12 月限は対ユーロでの米ドル買戻しを受け、前日比6.50安の1オンス=1205.00と続落した。

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Market Analysis
「国際貿易摩擦の問題は米ドル買い要因」とこのレポートで指摘してきた。事実、対中関税第3弾に対する懸念が意識された30日はドルインデックスが反発。94.50レベル(フィボナッチプロジェクション161.80%の94.45)が目先のサポートポイントとして意識される可能性が出ている。なぜ、国際貿易摩擦は米ドル買い要因なのか?その答えは新興国通貨の動向にある。30日の主要な新興国通貨は対米ドルで下落した。その騰落率を確認すると、この日最も下落したのが南アランド(-2.43%)、次いでトルコリラ(-2.34%)である。中国人民元(CNH)は0.7%の下落幅だったが、3日続落中。国際貿易摩擦で新興国通貨売り圧力が強まる要因は二点ある。ひとつはネガティブインパクトの度合である。この問題は米国にとってネガティブ要因であることは確かだ。しかし、その米国内の旺盛な需要を享受している新興諸国の方がよりネガティブインパクトが強い、このような思惑が新興国通貨売り圧力を強めている。もうひとつは「国際貿易摩擦→株安」である。株安(リスク回避)局面では、リスク性の高い新興国通貨に対して売り圧力が高まり易い。結果「新興国通貨売り→米ドル買戻し」の展開になると考えらえる。

来週にもトランプ米政権が対中関税第3弾の実施に向け動き出す可能性がある状況を考えるならば、本日も株式市場は上値の重い展開が想定される。外為市場では「国際貿易摩擦→株安→新興国通貨売り→米ドルの買戻し」を意識したい。ユーロドルは続落を警戒。下値ターゲットは、30日安値1.1639および10日MA(1.1621)。1.1600にはビッドが観測されている。「国際貿易摩擦→株安」の可能性を考え、本日のドル円は上値の重い展開を想定したい。反発しても111.50レベルまでの上昇が限界か。しかし、米株のボラティリティが低水準で推移している状況を考えるならば、米株高トレンドは尚も継続中である。調整の株安により10日MA(110.93)以下の攻防となっても、110.50レベルで反転する展開を想定している。110.90-70にはビッドが断続的に並んでいる。110.50にもビッドの観測あり。

【チャート①:ドルインデックス】

dollar index ドルインデックス

【チャート②:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

【チャート③:ドル円】

USDJPY ドル円

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