リスク要因は米国/トルコ関係のさらなる緊張

Market Summary
16日の海外外為市場は米ドル売り優勢の展開となった。これまで米ドルに対して売られてきた欧州通貨や新興国通貨が反発。ユーロドルは1.1409まで上昇する局面が見られた。トルコリラは3日続伸。米ドル/リラ(USD/TRY)は安値5.665まで下落(リラ高が進行)する局面が見られた。一方、ドル円は欧米株高がサポート要因となり、NYタイムに高値111.11まで上昇。しかし米ドル売りが上値を抑制し、その後は110円後半で売り買いが交錯した。
米株は主要3指数が上昇した。米中貿易交渉に対する期待を背景にダウ平均は前日比396.32ポイント高の25,558.73と大幅に反発。一方、ナスダック総合株価指数も前日比32.406ポイント高の7806.524と反発して引けた。NY原油先物9月限は値ごろ感を意識した買戻しが入り、前日比0.45ドル高の1バレル=65.46ドルと4営業日ぶりに反発。一方、NY金先物12 月限は根強い米ドルの先高観が意識され、前日比1.0ドル安の1トロイオンス=1184.0ドルと続落した。

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Market Analysis
トルコリラは対ドルで3日続伸。米ドル/人民元(USD/CNH)レートも6.853と、トルコリスクが発生した先週10日以来の水準まで下落中(人民元の買戻しが進行中)。ユーロドルも15日に1.1300レベルで陽の十字線が示現すると、昨日は1.14台を再び突っかける動きとなった。通貨オプション市場ではユーロプットの需要が若干後退し、リスクリバーサルの拡大傾向も一服している。一見すると、米ドル高トレンドが抑制されてきたように見える。だが、下落基調が続く金相場と通貨安が一服しても売り圧力に直面し続けている新興国株式の動向を考えるならば、米ドルの先高観は根強いと言える。

本日は特段の重要イベント等は予定されていない。よって昨日同様、対米ドルで売られ過ぎていた通貨の買戻し基調が続くことをベースシナリオとしたい。このシナリオを崩す要因として目先注視すべきは、トルコに対するトランプ米政権の対応となろう。ムニューシン財務長官は16日のホワイトハウス閣議で米国人牧師が拘束され続けていることを理由に、トルコに対して追加制裁の可能性を示唆した。実際に追加制裁の実施に踏み切るならば、再び新興国通貨不安が台頭しよう。その受け皿として米ドルが選好され「新興国通貨売り/米ドル買い」の影響がユーロドルにも波及すれば、再び1.13台の攻防へシフトしよう。このケースでは、フィボナッチ・プロジェクション61.80%の水準1.1290の攻防が焦点となろう。一方、ベースシナリオのケースでは、10日MA(1.1454レベル)の突破が焦点となろう。このMAの突破は1.1500までの反発シグナルと想定したい。1.1300には厚いビッドが観測さている。一方、1.1410から1.1450にかけてはオファーが並んでいる。
ドル円は111円を挟んだ売り買い交錯相場を想定。昨日の米株高をもってしても111.10レベルで上値が抑制された事実を考えるならば、本日の上値攻防分岐は21日MA(111.18レベル)を想定したい。このMAを突破する場合は、111.50トライとなるかが焦点となろう。110.00には厚いビッド、111.20、111.30および111.50にはオファーがそれぞれ観測されている。

【チャート①:NY金と新興国株式の動向】

NY gold MSCI emerging equity NY金 新興国株

【チャート②:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

【チャート③:ドル円】

USDJPY ドル円

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