米中通商協議と指標データ

今週は米中貿易協議の動向とこれに関する報道が最大の焦点です。市場のセンチメントに明確な悪化は見られません。しかし、報道次第でトレンドが突然変化する可能性があります。また、ユーロドルのトレンドを見極める上で重要となるのが米中の指標データとなるでしょう。詳細はマーケットレポートをご参照ください。

Analysis Highlights

・米中通商協議と指標データ

11日の海外外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。現在の米ドル買い要因は3つある。そのうちのひとつが米中通商協議の不透明感である。このテーマが米ドル買い要因であることはこのレポートで再三指摘してきた。今週は北京で次官級協議と閣僚級協議が予定されている。米国が重要視する知的財産の保護と中国経済の構造改革が主要議題となるが、米国サイドの要人発言を鑑みるに中国との隔たりは尚大きい。また、米国は合意の履行をチェックする体制も求めてくる可能性が高く中国がどのラインを妥協点と定めているかにより、米中協議に関する報道内容も変わろう。今回の協議を経て交渉期限である3月1日までに合意する可能性が高まれば、2つ目の米ドル買い要因である米国市場はさらにリスク選好優勢の展開(=株高 / 金利反発の展開)となろう。外為市場では米ドルと主要な新興国通貨買い圧力が高まろう。一方、円およびユーロは売り優勢の展開を想定している。だが、トランプ米大統領は7日、交渉期限までに中国と首脳会談を開く可能性について否定的な見解を示した。先週のクドローNEC委員長の発言も考えるならば、今回の協議でも中国との隔たりが埋まらない可能性が高い。よって、注視すべきは米国市場がリスク回避相場へ転じるケースである。この場合、リスク要因が米中通商問題にあることから、米長期金利が低下しても外為市場では米ドル買い優勢の展開となろう。だが、株安を受け米ドル以上に円を買う圧力が高まろう。
米中通商協議以外で注視すべき材料は、米中指標データとなろう。特に今週の指標データはユーロドルのトレンドを見極める上で重要となろう。現在のユーロドルはドイツ経済の減速、イタリアのリセッションといった域内経済の先行きリスクに直面している(これが3つめの米ドル買い要因)。また、米中貿易協議(=米ドル買い要因)が主要テーマとして浮上しているタイミングでもある。週後半の米指標データが総じて市場予想を上回れば、米ドル高を軸にユーロドルは下値トライの展開となろう。一方、中国の指標データが総じて市場予想を下回るケースでは域内経済の先行きリスクが意識され、ユーロ売りを軸に下値トライの展開が想定される。

・ドル円は堅調地合いを想定 ユーロドルは下値トライを警戒

リスクセンチメントの明確な悪化が見られないこと、52週MAとリトレースメント61.80%の水準を完全にブレイクしたこと、そして通貨オプション市場に大きな変動が見られない状況を考えるならば、本日のドル円は堅調地合いを想定し、次の上値ターゲット200日MA(111.27前後)のトライに注目している。110.70および111.00にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は109円ミドルの維持となろう。109.55付近には21日MAが上昇している。
ユーロドルは、昨日相場をサポートした1.1260レベルの下方ブレイクを警戒したい。この水準は昨年11月半ばから約1か月間相場を下支えした経緯がある。本日、このレベルにはビッドの観測あり。1.1260を下方ブレイクする場合は、昨年の最安値1.1213を視野に下落幅の拡大を想定している。一方、調整の反発局面では1.13台への再上昇が焦点となろう。1.1315付近には5日MAが推移している。

【ドル円チャート】

USDJPY ドル円


【ユーロドルチャート】

ユーロドル EURUSD

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