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今年最後のFOMCの焦点について / FOMC以外の焦点ー追加の景気対策協議とブレグジット協議

今日のポイント:『今週はFOMCが開催される。焦点はパウエルFRBが考える金融政策の方向性にある。FOMC以外では、米国の追加の景気対策の協議とブレグジットの協議に関するヘッドラインを注視したい。ポンド円とポンドドルのチャートポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

今年最後のFOMCの焦点について

今週の15~16日に今年最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。焦点はパウエルFRBが考える金融政策の方向性にある。

コロナパンデミックとこれに対するパウエルFRBの警戒レベルが引き続き高い水準にあることから、市場関係者の中には量的緩和政策を強化(購入量の増額や年限の長期化による強化を)してくるとの意見がある。今回の会合でそれを決断すれば、外為市場では米ドル安がさらに加速しよう。

また、量的緩和政策の強化を見送っても、将来それを行うスタンスを表明するならば、同じく米ドル安の圧力を高める要因となろう。

いずれにしても、金融緩和政策の長期化をあらためて示してくることが今回のベースシナリオである。

一方、金融政策の正常化について議論するかどうか?筆者はこの点にも注目している。

11月の議事録の中で、『大半の参加者は資産購入のガイダンスについて、保有する資産の増加の ”taper and cease(徐々に減額して停止)” することを示唆すべき』という表現がある。

金融政策の正常化については今すぐという話ではない。しかし、今回のFOMCでもこの点が議論され、のちの議事録でその詳細が確認される場合、外為市場では米ドル安のトレンドに変化が生まれる可能性がある


FOMC以外の焦点ー追加の景気対策協議とブレグジット協議

FOMC以外で注目すべきは、米議会での追加経済対策の協議ブレグジットの協議に関するヘッドラインとなろう。

前者の協議にについてペロシ下院議長は楽観的な見方を示しているが、与野党の溝は未だに埋まらず、クリスマス後まで協議が続く可能性がある。

コロナパンデミックにより一部の州が経済活動の制限に乗り出す中、追加の景気対策を巡る議論が遅々として進まなければ、高値圏にある米株の売り圧力を高める要因となり得る。

米株高のトレンドが崩れる場合、外為市場では円買いの圧力が高まろう。下で述べる英国・EU間の通商協議が難航している状況も考えるならば、ポンド円の下落幅拡大を警戒したい。

ポンド円の焦点は、トライアングルの上限と下限どちらをブレイクするのか?この点にあろう。上限は今週、140.50から140.40レベルのレンジで推移する。140円を上方ブレイクしても、このラインで上値が抑制される展開を警戒したい。一方、下限は今週、135.90から136.10のレンジで推移する。11日安値136.77の下方ブレイクは下限トライのシグナルと想定したい。

ポンド円のチャート

ポンド円のチャート



一方、今月の13日まで延長された英国・EU間の協議がさらに伸びるとの報道がある。これを受け週明けのポンドドルは1.33台へと反発している。しかし、『双方が合意した』というヘッドラインを確認できない限り、楽観は禁物である。

英国のボリス・ジョンソン首相は協議の継続に希望を持ちながらも『合意なしの離脱』の可能性にも言及している。

また、市場の短期予測を反映するリスクリバーサルを確認すると、ポンドドルのそれは依然として低下基調にある。合意なしの離脱を市場関係者が意識していることは明らかである。

よって、この件については『双方の合意』というヘッドラインが流れない限り、今週のポンドドルは引き続き軟調地合いを想定したい。

テクニカルポイントは先週と変わらずフィボナッチ・リトレースメントの攻防1.31台の維持に成功するかどうか?を注視したい。

ポンドドルのチャート

ポンドドルのチャート

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