米国ウィークリー 2018/10/23号

業績見極め個別物色の様相強まろう!

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  • 2018/12期3Q(7-9月)決算は全般に好調であるが、市場を取り巻く不透明感が相場の重しとなっている。サウジアラビア当局が、政府批判を行っていた同国ジャーナリスト、カショギ氏の殺害を認めたが、説明が二転三転し、国際社会から厳しい非難を浴びている。中東の盟主、戦略的同盟関係にある同国は、中東の安全保障の鍵を握る立場にあり、米国も対応に苦慮している。

    トランプ大統領は、同国擁護の立場から一転してサウジ当局のこれまでの説明に「ごまかしとうそがあった」と不満を示した。ムニューシン財務長官は議会への配慮などから、サウジアラビアの投資会議への参加を取りやめた。ただ、同長官は同国との経済的関係の重要性を強調し、「極めて長期にわたる関係を継続し、カショギ氏についての真相を突き詰めていく」と説明。サウジ当局が事件を解明し、国際社会が納得するまでには、暫く時間を要することとなりそうだ。
  • 米中の追加関税による影響は、じわり、中国経済や一部の米中企業に出始めており、今後の動向が懸念される。中国が発表した2018/7-9月期のGDP成長率(速報値)は前期比年率6.5%増と4-6月期や市場予想を下回り、鈍化基調を窺わせた。中国では、年内3回目の預金準備率引き下げを実施し累計2.5ポイントに達し、医療や教育、住宅ローン金利・家賃、高齢親族の扶養控除など個人所得減税の具体案を公表した模様。矢継ぎ早の景気対策への期待は高まるが、政策効果浸透には時間を要することになろう。また、トランプ大統領は中距離核戦力(INF)廃棄条約破棄を表明。米ロは核弾頭保有数で競っており、同大統領はロシアの条約違反を指摘し、同時に中国の軍拡を牽制。核軍縮に反する動きは、国際情勢の緊張を高める新たな火種となる可能性がある。

    一方、米中首脳会談の11月開催の可能性、トランプ大統領が検討する中間層向け大規模減税などが浮上しているが、先行き不透明感から相場は好業績銘柄を選別する個別物色が強まり、方向感の乏しい展開を予想する。10/19現在、3Q決算はS&P500構成企業のうち85社が発表し、63社(74.1%)が市場予想を上回る良好な滑り出し。ただ、業績への警戒感が色濃い状況だ。キャタピラー(CAT)、ボーイング(BA)など中国関連の他、マイクロソフト(MSFT)、インテル(INTC)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などの決算に注目したい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/19現在)

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■主な企業決算 の予定

●10月23日(火):マクドナルド3M、ユナイテッド・テク、キャタピラーベライゾンロッキード、TI

●24(水):バークレイズ、ヴァーレ、ボーイング、アフラック、ドイツ銀行、UPS、ATTビザマイクロソフトフォードAMD

●25日(木):UBSグループ、ダイムラー、ロイズ・バンキング・グループ、コムキャスト、メルク、インテルアルファベットアマゾンツイッター、ブリストル、レイセオン

●26日(金):RBS

■主要イベントの予定

●10月23日(火)

・ミネアポリス連銀総裁、ダラス連銀総裁、講演

・フューチャー・インベストメント・イニシアチブ(サウジアラビア・リヤド、25日まで)

●10月24(水)

・アトランタ連銀総裁、カンザスシティー連銀総裁、クリーブランド連銀総裁、講演

WTO閣僚会合(カナダ・オタワで、25日まで)

地区連銀経済報告(ベージュブック)

・9月の新築住宅販売件数

・8月のFHFA住宅価格指数

●10月25日(木)

クラリダFRB副議長、クリーブランド連銀総裁、講演

ECB、金融政策会合・記者会見

9月の耐久財受注

・9月の中古住宅販売成約指数

・10月20日終了週新規失業保険申請件数

●10月26日(金)

・ECB専門家予測調査

7-9月のGDP (速報値)

10月のミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)

●10月27日(土)

・中国9月の工業利益

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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