米国ウィークリー 2018/8/7号

米国優勢?の米中貿易戦争

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  • 7/31、トランプ大統領は、中国に対する通商政策第3弾として、2,000億ドルの輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げることを発表。中国政府は、対抗策として米国からの輸入品600億ドル相当に最高25%の関税を上乗せすると発表した。トランプ政権が第3弾の貿易制裁を発動した場合に中国は直ちに実施するが、米国と同規模の対抗措置は断念することとなった。
    こうした状況のなか、トランプ大統領はツイッターで、「誰もが予想していたよりはるかに効果を上げている。中国の株式市場は過去4ヵ月で27%下落し、わが国に話し合いを持ちかけている。米国の相場は過去最高に高い。これらの不愉快な貿易協定の再交渉が成功すれば、米国相場は劇的に上昇するだろう」との見方を示した。国家経済会議のクドロー委員長は8/3、中国との貿易問題の解決に向けて一歩も譲らず、中国経済は厳しいという認識を示し、報復措置の応酬になった場合、経済が好調な米国が有利だという考えを強調した。
  • 実際、米国の4-6月のGDP成長率は前期比年率4.1%と力強い成長を示した。7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比15.7万人増に留まったが、1-6月の月平均で同21.5万人増と前年同期の同18.4万人増から加速。失業率は3.9%に低下し、労働市場の好調が続いている。平均時給は前年同月比2.7%増と横ばいだが、賃金の急上昇を招くことなく安定した雇用状況を維持していることを示したと言えよう。対して、中国の4-6月のGDP成長率は前期比年率6.7%に鈍化し、7/31に発表された製造業PMIは51.2と5ヵ月ぶり水準に低迷。下落が続く上海総合指数は、年初来で約18%もの下落となっている。
    中国は米中の貿易戦争に敗北しつつあるとの見方も出ているなか、7/31、習近平国家主席が主宰した党中央政治局会議は、米国の通商圧力を念頭に、2018年下期に積極的な財政政策で景気を下支えする方針を決定。地方のインフラ整備など公共投資を拡大し、金融政策も緩和方向に修正するようだ。早期合意を目指す米国に対して、中国は米国に屈することなく着地点を見出そうとしている。米国株は、小動きながら高値圏で推移している。ただ、貿易摩擦の影響などから、好調な景気や業績動向を株式市場は十分に反映していないと見られる。好業績、優良銘柄で評価余地のある銘柄を選別したい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(8/3現在)

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■主な企業決算 の予定

●7日(火):プルーデンシャル、グレンコア、CVSヘルス、ネットイーズ、21世紀フォックス

●9日(木):バイアコム、アディダス

■主要イベントの予定

●7日(火):

・6月の求人件数

・6月の消費者信用残高

●8日(水):

・リッチモンド連銀総裁、講演

・中国7月の貿易収支

●9日(木):

日米貿易協議(FFR)の初会合(ワシントン)

・韓国サムスン電子、ギャラクシー新製品発表(ニューヨーク)

・8月4日終了週の新規失業保険申請件数

7月のPPI

・6月の卸売在庫

・中国7月のPPI、CPI

●10日(金):

IEA月報

7月のCPI

7月の財政収支

・中国経済全体のファイナンス規模、新規融資、マネーサプライ(7月、15日までに発表)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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