米国ウィークリー 2018/12/18号

賢明な結果が想定されるFOMC!

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  • 12/18-19開催のFOMCの結果は、トランプ大統領の不満は残るものの株式市場が好感する内容になると予想。9月のFOMCでは、ドットチャートから年3回の利上げが読み取れたが、年2回に引き下がる可能性が高いと見る。経済予測では、GDP成長率の下方修正の可能性の一方、インフレ率はほぼFRBの目標水準に高まっており、ペースこそ鈍化だが利上げ継続(金融正常化)の根拠は十分にあると考えている。労働市場は好調であり、2019年も緩やかながら量的・質的引き締めを継続することになろう。ただ、ハト派的金融政策に株式市場はリスクオンで応じることになると予想する。

    2020年の年1回利上げ見通しが据え置きとなれば、金融政策から見た景気後退局面は、2021年以降との観測が強まろう。過去2回の景気後退局面(2000年代初頭のITバブル崩壊、2007年以降の住宅バブル崩壊・金融危機)では、利上げ打ち止め→利下げ開始から1年超で景気後退局面入りとなっている。米国景気は引き続き好調だが、今回のFOMCでFRBはFF金利誘導目標(政策金利)を0.25ポイント引き上げ2.25-2.50%にすると予想するが、米中貿易摩擦等を考慮し2019年の利上げペースをより緩やかにするだろう。パウエルFRB議長は株式市場の動向も意識したコメントをする可能性もあろう。このため、ハイテクやインターネット株、資本財、小売といった景気敏感株等幅広いセクターに資金が流入し、株価評価見直しが進むと見ている。
  • 米中通商交渉では中国の譲歩を引き出し、期限付きながら中国が米国からの自動車の輸入関税引き下げ(40%→15%)を実施することとなった。トランプ大統領が中国強硬派のライトハイザーUSTR(米国通商代表部)代表を米中通商交渉の統括責任者に据え一時懸念が高まったが、結果的には米国による強気の姿勢が中国を軟化させたと言えよう。中国製造2025の計画は、10年延期する用意もあるとの報道もある。

    ただ、ハイテク技術で中国が競争力を高めることを諦めるとは考えにくい。安全保障面を中国がどのように説明し、米国が納得するか、駆け引きが続くことが想定され、時間も要しよう。トランプ大統領は、米中貿易戦争が周り巡って米国景気の腰折れとなることを避けるため、争いを最終的にソフトランディングさせる意向であると考えられる。2020年の大統領選に勝利するためである。ただ、ライトハイザーUSTR代表、ロス商務長官、ナバロNTC(国家通商会議)委員長の他、タカ派中のタカ派とも言われるボルトン大統領補佐官など強硬派を、トランプ大統領がいかにまとめ、ハンドリングし、息の長い景気拡大を維持していくかが大きなポイントになると思われる。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/14現在)

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■主な企業決算 の予定

●12月18日(火):マイクロン、フェデックス、ダーデン・レストランツ

●12月19日(水):ペイチェックス、ゼネラル・ミルズ

●12月20日(木):カーニバル、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、コナグラ・ブランズ、シンタス、ナイキ

●12月21日(金):カーマックス

■主要イベントの予定

●12月18日(火)

・FOMC(19日まで)

・11月の住宅着工件数、独12月のIFO企業景況感指数

●12月19日(水)

・FOMC声明発表、経済予測とパウエルFRB議長記者会見

・タイ中銀、金融政策会合

・7-9月の 経常収支

・11月の 中古住宅販売件数、

・英11月のCPI

●12月20日(木)

・12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数

・11月の景気先行指標総合指数

・12月15日終了週の新規失業保険申請件数

・英中銀、インドネシア中銀、金融政策会合

●12月21日(金)

・暫定予算の期限

・7-9月のGDP (確定値)

・12月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)

・11月の耐久財受注

・11月の個人所得

・11月の個人支出

・ユーロ圏12月の 消費者信頼感指数(速報値)

・英 7-9月のGDP(確定値)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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