米国ウィークリー 2018/11/13号

議会ねじれても株高?

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  • 中間選挙は事前の想定通り、上院が共和党、下院は民主党が勝利。議会は、“ねじれ”となった。マーケットは、ひとまず上昇で応じたが、民主党がトランプ政権に対してネガティブキャンペーンを続けるのか、それともインフラ投資など景気対策を示すのか、今後のマーケットの行方を占ううえで、民主党の動向が大きな鍵となろう。

    フィリップ証券では、民主党は後者、つまり、インフラ投資など、景気刺激策に注力するものと見ている。上下両院を共和党が過半数を占める中で、政権運営を進めてきたトランプ政権は、景気を大きく押し上げ、物価や賃金を高め、株高、不動産価格の上昇を実現してきた。下院で過半数を勝ち取った民主党が、景気を失速させるわけにはいかないだろう。次期大統領選に勝利するための選択をしていくものと思われる。実際、米国の消費者マインド、CPIやPPIなどの動向からFRBが目指すインフレ率はほぼ達成しており、足元、米国の景気動向は良好であることが確認されている。
  • ただ、高水準にあるものの、住宅指標にピークアウト感が見られる。消費者や企業のマインドも過去最高水準にあるが、これ以上の改善は考え難く、今後、ピークアウトしていくものと見られる。景気循環から見て、景気対策を打たなければ、早ければ来年、2019年後半にも景気後退期を迎える可能性もあろう。年内最大のビッグイベントである中間選挙を経て、今後は米中首脳会談に関心が移り、期待と不安が入り交る展開に終始すると思われる。中国が軟化の姿勢を示す一方、強硬なトランプ大統領の政策が注目される。当面、小売や外食、家庭用品など消費関連、投資銀行を含む金融、好業績でPER、PBRなどバリュエーション面で評価余地の大きい銘柄や好配当銘柄に投資妙味があると見る。共和党の更なる金融規制緩和策にも期待したい。

    短期的には、グラフィック半導体大手のエヌビディア(NVDA)や半導体製造装置世界トップのアプイライド・マテリアルズ(AMAT)の決算や、10月の小売売上高など11/15の発表に注目したい。市場では投資家の多くが半導体関連企業に対して先行きに懸念を抱いており、見通しを含め市場予想を上回るサプライズの業績動向が示されれば、米国株は再び上昇基調を強める展開となろう。10月の小売売上高(除く自動車)の市場予想は、前月比0.5%増と前月9月実績の同0.1%減から大幅な改善が見込まれている。ハリケーンなどの影響がなくなり、反動増が見込まれることもあるが、クリスマス商戦に弾みがつくことになりそうだ。S&P500が約17倍、NYダウは16倍台前半と、今期予想PERはヒストリカルに見て、評価余地があると考えている。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/9現在)

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■主な企業決算 の予定

●11月13日(火):ホームデポ、バイエル、タイソン・フーズ

●14日(水):メルク、シスコシステムズメーシーズ、テンセント、ネットアップ

●15日(木):ウォルマートアプライド・マテリアルズエヌビディア

●16日(金): バイアコム

■主要イベントの予定

●11月13日(火)

ペンス米副大統領、安倍首相と会談

・ミネアポリス連銀総裁講演

10月財政収支

・独10月CPI (改定値)、独ZEW11月景況感指数

・英9月ILO失業率(3カ月)

●14日(水)

FRBクオールズ副議長(銀行監督担当)下院議会証言パウエル議長講演

・タイ中銀、政策金利発表

●15日(木)

FRBクオールズ議長(銀行監督担当)上院議会証言、ミネアポリス連銀総裁講演

・ブラジル休場

・フィリピン中銀、インドネシア中銀、政策金利発表

・APEC閣僚会議(パプアニューギニア・ポートモレスビー)

10月小売売上高 、輸入物価指数、

・新規失業保険申請件数 (10日終了週)、9月企業在庫

・10月欧州新車販売台数

・10月中国新築住宅価格

●16日(金)

・シカゴ連銀総裁講演、10月鉱工業生産、9月対米証券投資

・10月ユーロ圏CPI (改定値)

・3QマレーシアGDP

●17日(土)

・APEC首脳会議(パプアニューギニア・ポートモレスビー、18日まで

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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