ドル円105円再トライの鍵

一時軟調だった米国株式は再び底打ち感を強めてきました。グローバル株式市場も堅調に推移しています。しかし、これら株高にもかからずドル円は102円台でこう着状態。再び105円台トライの焦点とは?

株高オンリーの限界

4月のドル円相場を振り返ると、102円台を中心としたレンジ相場が継続しました。この背景には、米金利の動向があります。10年債利回りは2.60%から2.80%の間で右往左往した状況が継続しました。その結果として日米金利差も拡大せず、ドル円での上昇圧力が削がれました。一時軟調だった米国株式が、好調な企業決算や改善傾向にある経済指標を背景に再び底打ち感を強めて尚、米金利が上昇しきれない背景には、イエレン連邦準備理事会(FRB)の利上げに対するハト派スタンスがあります。

しかし、金利は景気の鏡です。いくらFRBの慎重姿勢が意識されやすいとはいえ、5月2日(金)の雇用統計(4月分)をはじめ、今後の経済指標が総じて好調ならば、マーケットは米国のファンダメンタルズ改善を織り込んでくるでしょう。そのようなムードが強まれば、米国株式では史上最高値圏での攻防が続き、安全資産からリスク資産への資金シフトも徐々に進行するでしょう。その結果、米金利には緩やかな上昇圧力が強まるでしょう。米金利が上昇トレンドを描き始めた場合、少なくとも10年債利回りが3.0%の節目を完全に突破できるかが焦点となるでしょう。

昨年12月後半に「米株史上最高値圏+金利3%到達」を背景にドル円は105円台へ上昇しました。この時の状況と直近のドル円のこう着状態が示唆するとことは、「米株高オンリー」を背景とした「円売り」圧力だけでは、これ以上の上昇は望めないということです。米ファンダメンタルズ改善を背景とした金利上昇による「ドル買い」圧力も加わり、そしてそれらが車の両輪のようにかみ合うことではじめて、105円到達が可能であることを示唆しています。


テクニカルで注目すべき3つの関門

マーケットで戦う上では、ファンダメンタルズに加えて、テクニカル面での分析も求められます。では、ドル円がテクニカル面で105円を再び目指すと判断するための条件とは?

筆者個人の考えでは、3つの関門を突破することがその条件を満たすと考えます。ひとつは89日移動平均線(赤ライン)です。次に日足の一目/雲の上限(緑ライン)です。5月に入るとこれらテクニカルはそれぞれが近い水準でクロスします。よって、102.70前後はテクニカル面で強固なレジスタンスとして意識される可能性が高いと考えます。

逆にこれらテクニカルの突破に成功しても、105円へ向けて反転したと判断するのはまだ早いでしょう。最後の関門であるレジスタンスラインの突破が残っているからです。1月2日に付けた今年最高値105.44と4月4日高値104.13を結んだこのラインを突破しない限り、105円トライよりも100円台へ反落する可能性を常に意識しておきたいです。

ドル円日足チャート

 

注目銘柄

アベノミクスへの興味が後退する中、円相場のトレンドは米株の動向次第。
そしてウクライナ情勢の行方次第でリスクセンチメントが左右される可能性も。

5月は、以下のマーケットに注目。
ダウ30:http://www.ig.com/jp/ig-indices/wall-street
ユーロドル:http://www.ig.com/jp/ig-forex/eur-usd

 

※このレポートは、2014年4月30日(水)現在の相場状況と情報をもとに作成されております。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 取引方法

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。

  • 株取引

    株式なくしては、各国の経済に不可欠な株式市場は成り立たないでしょう。ここでは、株式取引が個人投資家の収入源と大きな資産になる一方、いかに企業の拡大・成長につながるかということを学びます。

  • リスクの種類

    すべての金融投資は一定のリスクを伴います。直面するリスクを計算し、理にかなった方法でエクスポージャーを管理することで、どのようにポートフォリオを守れるか学んでいきます。