【2015年】注目材料と為替動向

2015年の注目材料

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2015年、最も注目すべき材料はやはり米国の金融政策でしょう。昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明では「相当の期間 (Considerable time)」という文言を残すことで、マーケットの早期利上げに対する警戒感を封じ込めることに成功しました。しかし、会合後のイエレン議長の会見で2015年半ばまでに利上げを開始すると、具体的な開始時期について示唆した発言が飛び出したことで「相当の期間」は形骸化した印象があります。

ここで、前回利上げが開始された2004年当時の状況を振り返ってみましょう。昨年12月のFOMC声明で新たに盛り込まれた「忍耐強く (Patient) 」という文言を2004年1月のFOMC声明で使用した後、2004年5月の声明では「緩やかなペース (Measured pace) 」という文言が盛り込まれ、2004年6月に利上げ(1.00%→1.25%)に踏み切りました。イエレンFRBは2004年当時の進め方に沿ってFOMC声明を変更した後、利上げに踏み切る公算が大きいことを考えるならば、2015年前半いずれかのFOMC声明でこの「緩やかなペース」が再び盛り込まれた時が利上げ開始のシグナルとなるでしょう。それはいつ発信されるのか?現時点では、4月28-29日のFOMCでシグナルを発信する可能性が高いでしょう。そして6月16-17日に開催されるFOMCで実際に利上げに踏み切ることが想定されます。

もうひとつ注目すべきは、欧州中央銀行(ECB)の動向です。原油価格の急落に伴い、ユーロ圏経済ではディスインフレ傾向がより鮮明となるでしょう。「日本化」だけは避けたいとECBは考えていますが、これまで講じてきた緩和政策をもってしてもディスインフレを止めることが出来ないとなれば、残る手段は一つしかありません。それは、日銀や米連邦準備理事会(FRB)が導入している(きた)量的緩和政策です。2015年前半にもECBが量的緩和の導入に踏み切る可能性が高まっています。日欧がタッグを組んで新たな緩和マネーの供給源となった場合の影響は多岐に渡りますが、米金融政策の観点から考えた場合、金融正常化に向けたイエレンFRBのハードルは一気に下がるのは重要なポイントでしょう。

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年前半の為替動向

2015年前半は、米国のファンダメンタルズ改善とそれに伴うイエレンFRBの利上げが意識されることで、米国の金利(特に金融政策の動向に敏感な2年債利回り)は緩やかな上昇トレンドを描くことが想定されます。ポイントは「緩やか」という点です。今年はイエレンFRBのタカ派スタンスが時間の経過とともに鮮明になることが想定されます。それにより米金利の急激な上昇を誘発すれば、リスク回避のドル高&円高となる可能性があります。しかし「緩やかな」金利上昇となれば、現在のリスク選好トレンドが継続するでしょう。そこで重要な役割を果たすのが、日欧の緩和マネーです。これにより、米国の金利が相対的に日欧よりも投資対象として魅力的となることで、米金利の急上昇を抑えるからです。結果、「株高+米金利上昇」が同時に発生し2015年前半の外為市場は、ドル全面高の展開となると想定しています。ドル円は2007年6月に付けた大天井124.15レベルを突破すると考えられます。

 

年後半の為替動向

2015年後半も、金融政策の面ではイエレンFRBがリードする状況に大きな変化は見られないでしょう。しかし、為替市場の様相は少し違ってくるでしょう。
2015年初頭より日欧の緩和マネーが潤沢な流動性を供給し続けてきていること、米国のエネルギー革命により原油価格の低迷が資源輸入国にとってプラスに作用すること、そして新興諸国、特に中国やインドが構造改革に着手しそれに伴い新たな景気刺激策を講じてくる可能性がある点を踏まえるならば、米国経済が世界経済全体を支える「フラミンゴ構造」から脱する可能性があります。その兆しが見え始めた段階で投資家はよりハイリスク・ハイリターンの資産に資金をシフトさせる可能性が高いでしょう。それに伴い2015年前半に積み上がったドルロングのポジションを解消する動きが強まることも想定されます。
特に構造改革を進めている新興国、例えば2013 年に民間企業参入の道を開くエネルギー改革法を制定し、さらに昨年8月にはエネルギー改革関連2次法案が成立したメキシコペソは対ドルで巻き返す展開が想定されます。また、資源国通貨の豪ドルや相対的に金利の高いNZDも対ドルで反発に転じる可能性があるでしょう。

しかし、何より注目すべきは円相場でしょう。2015年後半には黒田日銀がさらなる緩和強化に踏み切る可能性を考えるならば、日米の金融政策のコントラスト(方向性の違い)はより鮮明となることが想定されます。また、新興国市場が回復すれば円安の土台である株高(リスク選好)トレンドもさらに加速するでしょう。夏頃に一度円高へ振れた(調整した)後、2015年後半には再び円売り圧力が強まることで、130円を視野に上昇トレンドを描く展開を想定しています。

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