ドル円は「片輪走行」から脱することができるか

2月の円安ドライバーは?

2月の円相場の騰落率を確認すると、
ドル円のマイナス0.2%に対して、ポンド円はプラス1.64%、豪ドル円はプラス1.75%、ユーロ円はプラス2.1%そしてNZD円はプラス3.48%となっています。
これらの値動きが意味するところは、2月に続いた根強い円売りはクロス円を中心に発生したものであり、ドル円はそのクロス円の円売りにより、かろうじてサポートされていたということです。

なぜ、ドル円はそのような状況に陥ったのでしょうか?

その答えは「米金利」にあります。
ベンチマークとなる10年債利回りは2.75%付近で上昇圧力が後退。一方、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策見通しに敏感に反応する2年債利回りも、0.30%台で低空飛行が続いたままです。つまり、米国の債券市場では、米国経済の将来に対する不透明感が意識されているとういことです。
米金利の動向がドル相場全体の動向を左右することは、これまで指摘してきた通りです。実際、主要6通貨に対して米ドルの総合的な価値を示すドルインデックスは、節目の80.00をトライする状況となっています。

 

「片輪走行」から脱することが出来るか

よって、ドル円が2月の膠着状態から脱するためには、株高による「円売り圧力」だけでなく、米金利の上昇による「ドル買い圧力」も必要なのです。これらはドル円の上昇を促す、いわば「車の両輪」だからです。2月は、株高による「円売り圧力」のみという「片輪走行」だったことから、102.80前後で上値の重い状況が継続していたのです。
よって今月は、その「片輪走行」から脱することができるかどうか、この点が最大の焦点となりそうです。
鍵を握るのは「米国の景気回復に対する確信」でしょう。米国債券市場で意識されている先行き不透明感を払拭するためには、雇用統計(2月)も含めた3月上旬以降の米経済指標が総じて市場予想を上回ることが必須条件となるでしょう。
しかし、必須条件はもうひとつあります。
それは連邦準備理事会(FRB)が、米国の持続的な景気回復に自信を示すことです。具体的には、3月18-19日の日程で開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で、イエレン新FRB議長が、米国経済の先行きについて強気の見方を示すことも必須条件となるでしょう。記録的な寒波による米経済指標の下振れは一時的なものであり、2013年末に示した持続的な回復基調の見通しに変更はないと明言すれば、マーケットはFRBが金融正常化に向けアクセルを踏み続けることを意識するでしょう。そして米金利には上昇圧力が強まり始め、景気回復期待を背景とした米株高と合わさることで、「片輪走行」から脱することができるでしょう。その結果、ドル円は再びドル高・円安トレンドを辿るでしょう。
逆に、3月上旬以降の経済指標がそうじて冴えない内容となり、イエレンFRB新議長が最近の米経済指標の下振れ要因が寒波以外、例えば新興国リスク等にあったと指摘し、さらに米国経済の先行きについても厳しい見方を示せば、米金利への低下圧力は続くでしょう。また、先行き不透明感から史上最高値圏にある米株式にも売り圧力が強まることで、ドル円は節目の100円へ向け下落する可能性が出てきます。
今月も、米国イベントから目が離せない1か月となりそうです。

 

3月のドル円の焦点

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※このレポートは、2014年2月28日(金)現在の相場状況と情報をもとに作成されております。
※2月の円相場騰落率(月間):IT-Finance ProRealTImeチャートのデータより。

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