戻り売り圧力に直面するドル円 / ユーロドル

Market Summary
29日の海外外為市場は、ユーロ売り優勢の展開となった。南欧の政治リスクを背景にこの日のユーロドルは、昨年7月20日以来となる1.1506まで下落する局面が見られた。ユーロクロスも総じて下落。ユーロ円は125円台を一気に下方ブレイクすると、昨年6月26日以来となる124.61まで急落。一方、対英ポンドでは0.87割れし、0.8695までユーロ安が進行した。ドル円はリスク回避相場を背景に、108.10まで下落する局面が見られた。
米株は主要3指数が下落した。南欧の政治リスクが欧州株全般の下げ要因となり、その影響が米株にも波及。ダウ平均は前週末比1.58 %安の24,361.45と、今月8日以来の水準で終了。一方、S&P500は同1.16%安の2,689.86と、5月中旬以降、相場をサポートしてきた2,700ポイントの水準を下方ブレイクして引けた。国際商品市況ではNY原油先物7月限が続落。サウジアラビアとロシアの増産観測が意識され、前週末比1.15ドル安1バレル=66.73で終了。一方、NY金先物6月限は、リスク回避相場よりも対ユーロでの米ドル高が意識され、前週末比4.7ドル安の1トロイオンス=1299.0で終了した。

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Market Analysis
ユーロドルは1.25台上昇の起点となった昨年11月安値1.1552を完全に下方ブレイクした。ユーロクロス全般も下落基調となっているが、トルコリラに対してすらユーロ安が進行している状況は、現在のユーロ売り圧力の強さを示唆している。ユーロ安を背景にドルインデックスは、昨年11月上旬以来となる95.00の到達に成功。急落の反動からユーロ相場は単発の調整が散見されるだろうが、昨年後半以降、ユーロ相場をサポートしてきたファンダメンタルズ面に対する不透明感が意識され、且つ南欧の政治リスクまでが急速に台頭している現状を考えるならば、ユーロ相場は常に戻り売り圧力に直面しよう。テクニカル面でも昨年1月3日安値1.0339を起点としたサポートラインを下方ブレイクし、さらなる下落シグナルが点灯している。目先は1.15台の維持が焦点となろう。だが、現在のトレンドを考えるならば、次のターゲットは1.25ミドルからのリトレースメント50.00%の水準1.14ミドル前後となるだろう。
ユーロだけでなく、5月は資源&新興国通貨に対しても米ドル買い優勢の展開となっている。しかし、直近のドル円は米ドル高圧力よりも円高圧力の方が勝り、108円台へ再下落する展開となっている。この状況は、株式市場がドル円に与える影響の大きさを示唆していると言えよう。米長期金利上昇の土台となってきた原油価格に調整圧力が高まる中、しかも6月FOMCでの利上げが完全に織り込まれている状況下で米長期金利が反発するならば、その要因は良好な米指標データにあろう。だが、そのような内容が続いても原油価格の調整と南欧の政治リスクがその影響を相殺する可能性がある。よって、目先のドル円も戻り売り圧力に直面することが想定される。下値の焦点は108円台の維持となろう。この水準には111.39からのリトレースメント50.00%が推移し、且つビッドも観測されている。株安が継続すれば107円台への攻防シフトを警戒したい。このケースでは、リトレースメント61.80%を視野に下落幅の拡大を想定したい。一方、上値は21日MAを上限と想定し、戻り高値の水準を見極めることが重要なテーマとなろう。


【チャート①:ドルインデックスとEUR/TRY】

dollar index EURTRY ユーロトルコリラ

【チャート②:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

【チャート③:ドル円】

USDJPY ドル円

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