不透明感高まる米株とドイツ政治

Market Summary
27日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。貿易摩擦の問題に関する新たな報道が無い中、この日は対欧州通貨での米ドル買いが目立った。ユーロドルは1.1539と今月21日以来の安値水準まで下落する局面が見られた。ポンドドルも1.3104と、21日安値1.3099を視野に米ドル高が進行した。一方、ドル円は110.48まで上昇するも米株高の失速と長期金利の低下に圧され、NYタイム後半は110.20前後で上値の重い展開となった。
米国株式は主要3指数が下落した。貿易摩擦問題を巡る根強い不透明感を背景に、取引終盤にかけ株高圧力が後退。ダウ平均は前日比165.52安の24,117.59と、5月上旬以来となる安値水準で引けた。一方、ナスダック総合株価指数は前日比116.542ポイント安の7445.085と、こちらは5月31日以来の安値水準で終了した。NY原油先物8月限は米国の原油在庫の減少とイラン制裁問題が相場のサポート要因となり、前日比2.23ドル高の1バレル=72.76と大幅に続伸して終了。一時73.06ドルと、2014年11月下旬以来となる高値水準まで上昇した。一方、NY金先物8 月限は外為市場での米ドル買いが意識され、前日比3.8ドル安の1トロイオンス=1256.1と3日続落して終えた。

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Market Analysis
昨日の米国市場は「株安 / 金利低下」となった。米国市場の軟調地合いは本来であれば米ドル安要因だが、昨日海外時間は逆に米ドル高の展開となった。主因はドイツ政治とユーロ安にある。移民政策を巡りドイツ連立政権内の亀裂が鮮明となっており、政権崩壊リスクがにわかに意識され始めている。この政治リスクを背景に昨日のユーロは対ドルで0.80%、対円で0.61%下落した。また、政治リスクの高まりを背景にユーロドルのリスクリバーサル(2ヵ月 / 3ヵ月)は拡大傾向へ転じつつある。
米株のボラティリティが上昇基調を維持し、米長期金利が低下基調にある中でも、外為市場ではユーロ安圧力が米ドル安圧力を凌駕している事実は重要である。ドイツ連立政権は移民政策を議論する会合を7月1日に開催する予定だが、決裂もしくはそのような観測が外為市場で意識される場合、ユーロドルは1.15割れの展開が想定される。その場合、プロジェクション50.0%の水準にあたる1.1400レベルまでユーロ安が進行する展開を警戒したい。対ユーロで米ドル高がさらに進行する場合は、ドル円のサポート要因となろう。だが、想定レンジの上限111.00トライのためには株高トレンドの維持が必須条件となる。その株式で最も注視すべき米株のボラティリティを確認すると、リスク回避相場が発生すると思われる25ポイントの水準を視野に上昇基調を維持している。貿易摩擦問題に加え、ドイツの政治リスクがさらに高まることになれば、米株は現在の調整相場からリスク回避相場へ転じる可能性があるため要注意。

ドル円は、引き続き株式にらみの展開を想定したい。上値の焦点は、プロジェクション38.20%の水準にあたる110.70となろう。下値の焦点は、リトレースメント61.80%の水準にあたる109.17の攻防を注視したい。一方、ユーロドルの上値の焦点は、リトレースメント23.60%および38.20%の攻防で変わらず。下値は1.15の維持が目先の焦点だが、下方ブレイクする場合は上述のとおりプロジェクション50.0%までの下落を警戒したい。

【チャート①:ユーロドルリスクリバーサル(RR) / 米株ボラティリティ】

VIX VXN リスクリバーサル ユーロドル

【チャート②:ドル円】

ドル円 USDJPY

【チャート③:ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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