ドル円のトレンドは米株次第

Market Summary
昨日の海外外為市場でドル円は上下に大きく振れる展開となった。米長期金利が2014年1月以来となる3.0%台の水準へ上昇する局面が見られたことで、ドル円は高値109.20まで上昇。しかし、金利動向が米株安の圧力を高める一因となったことで、NYタイム後半に108.53まで下落する局面が見られた。ユーロドルは1.2180まで米ドル高が進行するも、ローソク足の実体ベースでは100日MAをかろうじて維持した。
米株は主要3指数がそろって下落。金利の上昇に加え、建機大手キャタピラーと工業製品・事務用品大手3Mが先行きに対して警戒感を示したことも重なり、ダウ工業株30種平均は5日続落。前日比424.56ポイント安の24024.13で終了した。ハイテクセクターでも売り圧力が強まり、ナスダック総合株価指数は4日続落。前日比121.25ポイント安の7007.35で引けた。NY原油先物6月限はイラン問題を巡る思惑、リスク回避相場そして米原油在庫の発表を控え利益確定売り優勢の展開に。前日比0.94ドル安の1バレル=67.70で引けた。NY金先物6 月限はリスク回避相場とNYタイムでの米ドル買い一服を受け、前日比9.0ドル高の1トロイオンス=1330.0と4営業日ぶりに反発した。

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Market Analysis
24日の米債券市場で長期金利(10年債利回り)は、4年3か月ぶりに3.0033%まで上昇した。焦点は米株の動向だったが、この日は株安で反応した。本来であれば株高と金利の上昇は正常な関係である。しかし、米株が売りで反応したこということは、直近の金利上昇のスピードが正常ではないと市場関係者が警戒しているからであろう。その理由は、原油高と米長期金利の連動性が高まっている点にあろう。トランプリスクに加え、「原油高→金利上昇」までが続くならば、企業の生産 / 借入のコスト増と将来の収益悪化懸念が意識され米株は再び不安定化しよう。景気動向に敏感なハイテクセクターのボラティリティがVIX以上に上昇している状況は、株式再不安定化の可能性と市場の警戒レベルが再び高まりつつあることを示唆している(チャート①参照)。

米株の動向は、現在のドル円のトレンドを見極める上で重要である。ドル円の上昇は「米長期金利の上昇=米ドル高」と「株高=円安(円高圧力抑制)」という2つの柱に支えられている。よって、どちらか一方が崩れるならば上値トライの圧力が後退する。米長期金利の上昇が続いている状況を考えるならば、目下のところ注視すべきは後者が崩れる展開だろう。この場合、円高圧力が高まると同時にその状況が長引けば「株安→米長期金利低下→米ドル安」の展開を誘発しよう。本日は株安を警戒しドル円は利益確定売り優勢の展開を想定したい。下値の焦点は5日MAの攻防となろう。108.50と108.00にはビッドが観測されている。上値の焦点は、昨日高値109.20の突破が焦点となろう。この水準にはオファーの観測あり。一方、ユーロドルは100日MAを本日の攻防分岐と想定し、下方ブレイクする場合は重要サポートポイント1.2150トライのシグナルとして警戒したい。上値は、日足転換線がサポートからレジスタンスへ転換するかどうかを見極めることが重要なテーマとなろう。

【チャート①:米長期金利と株式ボラティリティ】

VIX S&P500 Nasdaq100 米10年債利回り us10 years yield

【チャート②:ドル円】

ドル円 USDJPY

【チャート③:ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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